はじめまして!デザインコンサルティングファーム「Byname(バイネーム)」です。私たちはUIデザインの企画設計を中心に、さまざまな事業をデザインでサポートしています。
「Bynameが気になる!」「具体的にはどんな仕事をしているの?」「Bynameに入社するメリットは?」など、気になることを代表の井上がQ&A形式で答えました。ぜひご覧ください!
① Bynameの2つの事業
UI設計を中心としたデザインコンサルティングとデザイナーのハブとなる店舗展開
━━ Bynameはどんな会社ですか?
Bynameはデザインコンサルティングファームです。実務としては特にBtoBの業務システムやアプリケーションのUI設計だけではなく、その前段階の設計から関わることが多いです。さらに、業務プロセスの分解・改善や、事業モデルの検討、ブランディングやマーケティング戦略の提案まで総合的に行うこともあります。そういったシステム開発に限らず、WebサイトやLPの制作も手掛けており、基本的には同様のプロセスを辿ります。
最終的なアウトプットはなにかしらのデザインですが、クライアントの要望を踏まえ、まずは本当にWebやアプリが最適解なのかを一緒に考えます。場合によっては、アプリケーションではなく、別の方法を選択することもあります。
私たちは単に「UIを綺麗に作る」だけでなく、ユーザーが迷わず操作できるか、業務プロセスに合った画面設計になっているかを重視し、実際の使用シーンを考慮したデザインを提供しています。
━━ デザインコンサルティング以外の事業はありますか?
2024年から飲食事業も行っています。具体的には「デザイナーのハブとなるシーシャバー」を経営しています。
▲デザイナーが集まるシーシャバー・MOCK。神田駅より徒歩5分。代表がお店に立つことも。
自分の周りにはたくさんのデザイナーがいますが、「Web系」「紙媒体系」「SaaS系」「スタートアップ系」など、それぞれが関わる分野で情報が分断されていると感じることが多いです。そのため、こうした異なる分野のデザイナーが交流する機会が少ないことは、大きな機会損失だと感じていました。そこで、デザイナー同士が集まり、横のつながりを作れる場所としてシーシャバーを運営しています。
店舗のデザインや運営にはデザイナーの社員も携わっています。立ち上げ時には空間デザイナーに内装デザインを依頼しましたが、どんなテイストにするかは社員が考えました。お店の名前やコンセプトも社内で話し合って決めていますし、メニュー表やSNS用の画像、お店のページ制作なども分担して制作しています。
② 具体的な業務範囲
大手からスタートアップまで、幅広いクライアントの業務システムのUIやWebサイトを軸にデザイン
━━ Bynameのデザイナーはどのような業務を担当しているのでしょうか?
大きく分けると「Web関連の仕事」と「業務システムやUIに関する仕事」の2つです。
Web関連では、コーポレートサイトのリニューアルやLP制作の案件が多いですが、システムと連携する案件も増えています。例えば、ECサイトやメディアサイトの構築などですね。
業務アプリの案件も多く、これらに共通するのは「開発との連携が多い」ことです。単に仕様に沿ってデザインするのではなく、「どんな機能があればユーザーが使いやすいか?」という視点から提案し、デザインフェーズで機能要件を決めていきます。制作会社だと仕様が決まった後にデザインをすることも多いですが、当社では「本当にこの仕様が最適なのか?」という本質的な部分から関与できるのが大きな違いです。そういった根本からのデザインがクライアントに求められているとも感じています。
また、一部ブランディングの一環で印刷物のデザインを行うようなこともあります。
━━ 具体的にはどのような案件があるのですか?
大手企業からの案件もあれば、もっと小規模なものもあります。toBの業務システムだと、例えば大手ドラッグストア様の業務システムののUI設計はBynameが行っています。新しいプロダクトのUI設計や、既存のコンテンツを体系化したWebコンテンツのリニューアルなどを担当しています。こちらはネイティブアプリやWebアプリ含めデザイン面を担っており、直接お取引しています。
また、全国展開しているスーパーマーケットチェーンの一部業務システムUIも担当しています。店舗の在庫管理や入出荷管理をDX化し、業務効率化を図るプロジェクトです。高齢のスタッフも利用するため、バリアフリーデザインを意識しながら、プロセスの簡略化も行いました。
スタートアップ企業との仕事ですと、自動車整備の管理をDX化するSaaSのスタッフ向け管理画面や、ユーザーが修理状況を確認できるアプリのUI設計を担当しました。
一部toCのアプリも制作することがあります。例えば、マッチング系アプリのコンサルティングやデザインシステムの構築、スポーツジムの会員向けアプリのUI設計などを担当しました。ただ、全体の案件数としてはBtoB向けの方が多いです。Webの支援ですとスイスのプライベートバンクの日本法人のWeb施策の支援を行っています。
もちろんその他にも非公開案件が多数あります。一部案件は別のデザイン会社や開発会社と協業することもありますね。
③ 仕事のやりがい
自由だからこそ責任が伴う、社員それぞれがプロジェクトリーダーに。
━━ Bynameの仕事で、特に面白いと感じることはなんですか?
個人的に面白いと感じるのは、デザイナーの発言力を強く出せる点ですね。 もちろん、いろいろなことを考えた上で提案をしなければならないのですが、ユーザビリティはもちろん、システムの最適化やデザインシステムのルールを整備することで運用をしやすくする、そういった部分を主軸に自らリードして進めていけるのが面白いと感じます。 単に言われたことをやるのではなく、自分の考えをもとに提案できる点が魅力ですね。どのクライアントも、そうした提案力を求めていると感じます。
━━ 社員の裁量はどの程度なのでしょうか?
基本的には社員それぞれに案件のリードを任せています。プロジェクトの最初の段階で何も決まっていない場合は、自分が入ってある程度道筋を立てるようにしていますし、もちろん相談があれば私も一緒に考えます。 道筋を決めた後の具体的な部分の設計は社員に考えてもらい、壁打ちをしながら提案を進めるスタイルでやってますね。デザイナーはクライアントと直接接点を持ち調整する、ディレクター的業務も担当の範囲になります。
━━ 対応する範囲が広いのは難しくないですか?
こういったやり方で、最初は苦戦する人も多いです。これまで「作る」側の経験は豊富でも、それを説明することには慣れていないケースが多いです。これまでディレクターがフロントに立つ案件を多くやってきた方だと、「クライアントの言葉をどう解釈して説明するか」が最初のハードルになります。 これはデザインスキルというより、コミュニケーションに慣れるかどうかが鍵になるので、いくつかやってみるとできるようになるはずです。
次に大変なのが、自分自身のリテラシーの問題です。 あらゆるデザインを見ていないと、「なぜこれが良いのか」という提案ができないので、「これが良い」と思っても、それを言語化するのが難しいケースがあります。 その際に、競合の事例、業界のデファクトスタンダード、トレンド、他業種の一般的なアプローチなどを見た上で、「なぜこのデザインが適切なのか」を理論立てる必要があります。 そこに辿り着くまでが大変ですね。
そういったやり方に慣れるため、最初のデザインプロセスでは、いきなり0から1を生み出すのではなく、リサーチから入るようにしています。 リサーチにそこまで長い時間をかけるわけではないですが、まずは競合のサービスを調べてもらい、どういう体験設計をしているのか、どういうUIを採用しているのかを分析します。その上でクライアントの希望と照らし合わせ、ムードボードを作成して方向性を定めます。最終的には、既存のUIや体験をベースに、プロジェクト要件に合わせてアップデート・調整をしていく、という形で進めるのが基本的な流れですね。
④ Bynameの価値観
「あの人ならなんとかしてくれる」を叶える人材を目指す
━━ Bynameが大切にしている価値観はありますか?
スピード感は大切にしています。 ここでいうスピード感とは、単に短期間で成果物を出すことではなく、「反応を早くする」という意味合いです。社内外共に、こういった対応ができるからこそフルリモートでも円滑に業務を全うできていると感じています。
例えば、連絡が来たらなるべく早く返すこと。そして成果物も完全に仕上がる前に社内やクライアントへ早めに共有し、途中段階でフィードバックをもらうことを意識しています。
リモート環境では対面と違い、クイックなコミュニケーションが取りづらいため、進捗や報告を早めに行うことが重要です。 また、クライアントとも迅速な対応を意識することで信頼関係を築くようにしています。デザインのクオリティの高さ以上に、素早くコミュニケーションを取れる状態にあることでクライアントの満足度が格段に上がっていると思います。
もうひとつは、それぞれのメンバーが指名されるようになること。社名である「バイネーム」とは、「名指し」「指名」といった意味があり、それを体現するように社員一人ひとりの名前で仕事を取れるようになることを目指しています。
その理由として、会社に依存してしまうと会社の看板で仕事をすることになり、いざ独立しようと思ったときに、新しく仕事を獲得するのがとても大変になるからです。私自身も独立してからその難しさを痛感しました。そのため、社員には自分の名前で仕事を取れるようになり、仮に会社がなくなったとしても、自分自身の力で仕事を獲得できるような人材になってほしいと考えています。
━━ 他の会社とは違う部分はどこですか?
色々あると思うのですが、「なにを依頼してもなんとかしてくれる」という期待を持って発注いただくところは我々の組織だからこそかもしれません。私自身、開発経験があるためシステム開発会社と会話ができますし、デザイナー視点でデザインシステムやUIの理論について話すこともできます。また、スタイリングのトレンドやアクセシビリティの観点、業務プロセスの使いやすさ、UXの視点など、多角的な視点から意見を出せることや柔軟なデザインコンサルティングが強みです。
プランニングの段階から「この情報はユーザーにとって多すぎるのでは?」「これは企業側の自己満足になっていないか?」といった提案をすることで、クライアントに「この人ならお願いすればなんとかしてくれそうだ」と感じてもらえます。
━━ そういったスキルはBynameに入社すると身につくのでしょうか?
そうですね。メンバーはなにかしらデザイン業務経験がありますが、新たに挑戦することも多いです。
中にはUXリサーチだけを行う案件もあります。例えばユーザーに対してインタビューシートを作って、実際にインタビューを行い、そこから分析してレポートを作成することもありますし、ヒューリスティック分析を行い、競合と比較して使いづらい点や差異を見つけてレポートとしてまとめることもあります。また、マーケティングツールを活用して、ユーザーがどのように行動しているかを分析し、それを踏まえた上で改善の課題を考えることもあります。こうしたマーケティングやビジネスのコンサルティングに近い業務から入るケースもあって、入社時は未経験でも実際に取り組んで理解していきます。
また、グラフィックデザインやUIデザインだけでなく、上流のプロセスにも関わる機会が増えるのが、Bynameの特徴です。そこで私は最初にディレクションを教えるようにしています。
━━ なぜデザイナーにもディレクションが重要なのでしょうか?
リサーチの必要性をクライアントに提案する際、プロジェクトを包括的に見てディレクションができないと説得力が欠けてしまいます。いきなり「マーケティングリサーチをやりましょう」と提案しても、なかなか受け入れてもらえません。
そのため、まずデザイナーにはプロジェクトマネージャーやディレクターのような業務を経験してもらい、なぜそのデザインプロセスが必要なのかを提案できる土壌を作るようにしています。
クライアントの要件を整理し、何を作るべきかを考え、設計する力。これが業界で生き残り、活躍するためには不可欠なスキルであると考えているので、まずはそこを身につけてもらうようにしています。
「言われたことをただ作るだけ」の仕事は機械に置き換えられてしまう未来がそう遠くないと感じています。そのときに、人間のデザイナーが関わるべき領域はどこなのかを考えた結果、クライアントとのコミュニケーションを通じて相手の意図を汲み取り、その期待を超える形でアウトプットを生み出すことが求められると気づきました。
⑤代表について
クライアントワークもインハウスも経営も経験して、自分の組織を立ち上げた
━━ 井上代表はどんな経歴ですか?なぜ会社を立ち上げたのでしょうか。
デザイナーとして仕事をし始めて、2025年で17年目になります。学生の頃は情報制御系の専門学校に通っていました。基盤にはんだごてを使って手作業をしたり、回線のセキュリティを学んだり、ハードウェアのクロック数や演算処理速度を計算したりエンジニアリングやネットワーク関係のことをやりつつ、プログラミング言語はC言語を学び、データベース設計の勉強もしていました。
初のキャリアとしては、Web制作会社に就職しました。開発会社の子会社だったので、デザイナーがいない中でコーディングとデザインを両方担う形で未経験からスタートしました。当時はFlash全盛期でした。
その後、地元の印刷会社で3〜4年間グラフィックデザイナーとして働き、Webと紙媒体の両方を手がけました。その時期には店舗の内装デザインなども経験しました。
退職後は1年間フリーランスとして、開発、デザイン、ディレクションをすべて担当し、自分のプレイヤーとしての限界を試してみました。その後上京し、航空会社のJALグループに入社しました。JALではディレクターやプロジェクトマネージャー(PM)として3〜4年働いています。インフォメーションアーキテクチャ(IA)という概念を業界でもよく聞くようになった、ちょうどガラケーからスマホへの転換期でした。
当時、UXデザイナーという職種はほとんどなかったのですが、情報設計を通じてユーザー体験を設計することが求められました。その経験が、UXデザインの考え方と自分の思考が自然とマッチするきっかけになっています。
JALでの経験を経て、ネイティブアプリの開発会社に入社しました。当初はiOSエンジニアとして働くつもりでしたが、結局UX、PM、ディレクターとしての役割を担うことになり、マーケティングや体験設計を担当しながら、PDCAを回す仕事に従事しました。
そういった経緯があってWeb制作会社の取締役に就任し、UXデザインや事業設計を3年間担当したのですが、開発プロジェクトではデザインが軽視されがちで、結果として使いづらいプロダクトが生まれることが多いと実感しました。そこで、体験設計やサービスデザイン、事業デザインを重視する組織を作りたいと考え、バイネームを立ち上げるに至っています。
⑥ 働くメンバーやキャリアパス、働き方について
しっかりとしたキャリアパスが描ける、多彩な才能が集まる組織。
━━ どんなデザイナーが活躍していますか?
さまざまなバックグラウンドの方がいます。ディレクターからデザイナーになったメンバーもいれば、開発会社でフロントエンドエンジニアとして勤務していて、デザインをもっとやりたいからとBynameにジョインしてくれた人もいます。弊社はフルリモートなので、地方に住んでいるデザイナーもいますよ。
共通したバックグラウンドがあるわけではないのですが、デザインとシステムの連携を考えられる人が活躍している印象です。
▲ それぞれの拠点が違うので、会議はいつもオンラインで。
━━ Bynameに入社するとどのようにキャリアアップできるのでしょうか?
最終的には、それぞれがフリーランスでもやっていける人材になって欲しいと思っています。それに対しては、今できることを武器にして、自分のスキルを拡張していくことがスタートです。デザイナーにとってその最初のステップがディレクションだと思っています。また、スキルをかけ合わせて強みを形成していくこともやっています。例えば、グラフィック+UIデザイン、開発+UIデザインなども可能性としてはあります。
評価制度としては、アシスタントデザイナーからシニアリードデザイナーまでのランクが決まっており、能力に応じてキャリアアップしていくイメージです。アシスタントやアソシエイトクラスとして自走できるデザイナーになってからは、クライアントを巻き込んでデザインや設計を進められるリードデザイナー、その先には後進の育成ができるシニアリードデザイナーを想定しています。
▲ 独自の評価シートを作成し、運用
社員が独立することも前向きに捉えています。そもそもがフリーランスに近しい働き方ができることがBynameの性質でもあるので、自然だとは思うのですが、営業や事務処理なども会社が負担するので、そのあたりは会社に所属しているほうがお得な部分もあります。
━━ Bynameで働くメリットはどういったところですか?
少数精鋭の小さな会社ですが、会社規模の割には大きな案件の実績もできることはメリットのひとつです。こういった体制ではなかなかできない経験が積めると思います。
また、働き方が自由なこともメリットであると思います。フルリモート、フルフレックスなので、やるべきことをやっていてくれればOKです。自分に課された業務を完遂できるのであれば、どの国で働こうが、何時に働こうが自由です。実際に現在多くのメンバーが地方から働いています。
━━ 仕事の中でどういった部分が大変だと思いますか?
能動的に動いていける人じゃないと難しい部分はあるかと思います。もちろん私もフォローに入りますが、そういった場合も自ら声をかけてもらえたほうがスムーズです。リモートという体制上、いつでも社員それぞれの状況をリアルタイムで把握するのは限界があるので、質問や相談が自発的にできる方のほうが働き方とマッチしています。
また、業務ではクライアントのニーズに応えることが前提になるので、自分が作ったものを否定されることがあります。私がOKを出したとしても、クライアントにとってはNGのパターンもあるので、そういった部分での打たれ強さは必要です。何度でも挑戦し、達成する意志がある方であれば問題ないと思います。
⑦ Bynameの展望
ずっと少数精鋭でプロフェッショナルな組織で業界にインパクトを
━━ Bynameが目指していることを教えてください
デザインコンサルティングファームという位置付けで認知されていく企業を目指していきたいと考えています。具体的には、システム周りのUIを主軸とし、そこに関連するプロモーションのためのLPやサイトの構築までをセットで提供できる会社としてクライアントに認知されることを目標としています。そのためにも、会社の売上をしっかり伸ばす必要があります。
規模としては、年商3億円を目指しつつも社員数は10〜20名程度に抑え、それぞれがプロフェッショナルなメンバーを揃え、クライアントのニーズに応えられるような組織を目指しています。
また、システムUIとWebを一括で請け負う形をとるため、すべてを自社で対応する必要はないと考えています。社員の中でも、Web系に強いメンバーや業務システム系に強いメンバーがいるので、それぞれの特性を活かしながらクライアントの課題に向き合えるチームを作っていきたいです。
少数精鋭のプロフェッショナルな組織の中で、ビジネス面もデザイン面も成長したいと思っている方、Bynameにジョインしませんか? 業界全体をさらなるレベルに持ち上げられる組織になれると信じています。
▲ 井上はSpectrum Tokyo Festival 2023で司会を担当。デザイン業界に貢献できることはなんでもやっています。
Bynameで一緒に働きませんか?
Bynameでは現在新しいメンバーを募集中です。少しでも興味がありましたら、まずはカジュアル面談にて、代表や社員とお話しましょう!