「YouTuberになりたい」
と言われたら、親としてはドキッとしますよね。
未来が読めない世界だし、ネットの怖さも聞くし、なんとなく不安が先に立ってしまうもの。
でも、実際に私自身も息子の“勝手に始めたゲーム実況”をそばで見ていく中で、その不安が少しずつ別の形に変わっていきました。
今回は、子どもの「やってみたい」とどう向き合うのか、私の体験をもとにお話しします。
“YouTuberになりたい”と言われる時代に生きている
最近、小学生の「将来なりたい職業」ランキングにネット配信者が普通に入るようになりました。
50年前のランキングには存在しなかった職業ですし、当時は家電メーカーや自動車産業が花形だったことを考えると、時代は大きく変わりましたよね。
でも、ある意味では変わっていないこともあります。
「子どもが普段よく見ているもの」「好きで触れているもの」に憧れを抱く――それは昔も今も同じ。
野球やプロレスをテレビで見ていた時代の子にとってのヒーローが、今の子どもにとってはYouTuberなんだと思います。
親として感じる“漠然とした不安”
保護者の方からも「YouTuberになりたいって言っていて…」と相談されることが何度もありました。
そして正直、私自身も息子がひっそりとゲーム実況を始めていたと知ったときは、少し不安がよぎりました。
・叩かれないかな
・変な人にコメントされたりしない?
・これで食べていけるわけじゃないし…
こうした不安の奥には、「子どもを安全に、安心して育てたい」という根っこの気持ちがあります。
つまり、親の不安は「当然」なんですよね。
ただ、その不安が強いほど、つい表面的な知識だけで“ダメ”と止めてしまいがち。そうなると、子どもは「どうせ言っても分かってくれない」と、だんだん相談しなくなってしまいます。
息子のゲーム実況が教えてくれたこと
息子は小学4〜5年生のころ、フォートナイトやMinecraftの実況をしていました。
お小遣いをためてマイクやカメラを買い、配信環境を調べて、一人でセットアップ。
正直、私より詳しいところも多くて驚きました。
私は不安もありながら、ひとまず「面白がる」というスタンスに切り替えました。
「どうやって配信してるの?」
「どこから見られてるか分かるの?」
そんな風に興味を持って聞いていると、息子は嬉しそうに教えてくれました。
しかも、YouTubeの分析機能を見ると、海外からの視聴が少しだけあることに息子が大喜びしていて。
“自分の発信が世界に届く”という体験は、まさにネット時代ならではの学びでした。
不安だけを見ていると、本質が見えなくなる
親が「不安だ」と感じるとき、実はその中身がふわっとしていることが多いです。
・動画を出したら個人情報が心配
・ネットの世界が怖い
・将来の仕事にはならない
・変なコメントが来るかもしれない
こうした“モヤッとした不安”は、少しずつ言葉にしていくと落ち着いてきます。
そして一度、反対側――“良い面”にも目を向けてみると、ぐっと視野が広がります。
たとえば…
・動画編集は立派なスキル
・構成を考えるのは国語力
・「誰に、何を伝えたいか」を考えるのはプレゼン力
・顔を出さない、住所が分からない形の発信もできる
・公開せず、編集だけ練習する選択肢もある
つまり、
「やってみたい」をすべて危険と結びつける必要はない
ということです。
いつの間にか“未来のための練習”になっていた
数年後、息子は高校生になり、デジタルスキルを活かしてアルバイトをしています。
人前で話すコツや、相手の興味を引く工夫をゲーム実況で自然に身につけていたようで、子ども向けワークショップでもしっかりと発信できるようになっていました。
子どもが何かに挑戦するときって、
「その瞬間だけの遊び」ではなく、未来につながる布石になることがあります。
もちろん、全員がYouTuberになるわけでもない。ただ、経験は決して無駄にはなりません。
“やりたい”と口にした子どもは、すでに一歩踏み出している
子どもが何かに好奇心を向けた瞬間、そこには大きなエネルギーが流れています。
その芽を、親が不安でつぶしてしまうのはもったいない。
まずは小さく試してみる。
分からないことは一緒に調べる。
危ないポイントは「ダメ」と叩くのではなく「どうしたら安全になるか」を一緒に考える。
その積み重ねが、親子関係をぐっと良くするし、子育てそのものも楽しくなります。
まとめ|子どもの「やってみたい」を否定せず、一緒に見守る余白が、未来の芽を育てる。
子どもが「YouTuberになりたい」と言ったとき、親が不安になるのは自然なことです。
ただ、その不安をそのまま“禁止”の形でぶつけると、子どものチャレンジや信頼関係を奪ってしまうこともあります。
完璧に理解する必要はありません。
ただ、「まずは一緒に見てみようか」と言える余白があれば、それだけで十分です。
子どもの“やってみたい”は、未来をつくる種。
親の役目は、その種が安心して芽を出せるように、そっと土を耕すことなのかなと思います。
※この記事はPodcastで配信されたものを再編集したものです。
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