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HRデータ活用に対する3つの課題とは?ピープルアナリティクスSaaS「アッテル」が生まれた背景

アッテル代表の塚本です。今回は、「脱。感覚人事。」を実現するピープルアナリティクスサービス「アッテル」がどのように生まれたのか、その背景を紹介します。

アッテルが生まれたきっかけ

私はこれまでの経験から、「データを用いて経営の意思決定精度を高めたい」と考えており、経営の「ヒト・モノ・カネ」中でも、特にデータ利活用が遅れていると感じていた、ヒト(HR領域)に興味を持っていました。

※創業までの個人的な経緯はこちら

会社をつくって最初の1年は、100社以上の企業様のHRデータの分析に関わらせていただきました。
(常駐という形でデータを見させていただいた大企業様もあり、その節は大変お世話になりました。)

様々な会社のHRデータを分析させていただいたり、関係者の方と議論させていただくなかで、HR領域におけるデータの利活用には、3つの大きな課題があることに気がつきました。

HR×データ利活用における3つの課題

1.非常に遅れている

2.間違いが多すぎる

3.汎用性・再現性にかける

1.HRデータの利活用は「非常に遅れている」

最初にHR領域で驚いたことは「HR領域におけるKGI・KPIがほぼない」ことでした。「採用人数」と「退職率」は多くの会社で確認されているのですが、「質」に関する議論がされていることはほとんどありません。

営業でいうと、「契約社数」は確認しているが、「契約金額」を確認していないようなイメージです。

経営でいえば、「自社の利益はいくらか?」という質問に答えられない経営者の方はほとんどいないと思うのですが、「自社におけるハイパフォーマーの割合はどのくらいか?」という質問に答えられる人はほとんどいないのでは?と感じています。

近年では、「エンゲージメントサーベイ」(≒従業員満足度調査)や「コンピテンシー」のような概念が持ち込まれて、定量化の取り組みが進めようとされていますが、それらが本当に「パフォーマンス」や「退職」とどのくらい関係性があるのか、ほとんどの会社が自社で確認していないとも感じています。

※とある研究結果で「関係がある!」という結果がでると、その結果を鵜呑みにしてしまっている会社が多い印象です。営業でいえば、「この方法をつかえば売上があがる!」と聞いて「本当に自社で売上があがるか確認せず、その方法を使い続けている」状態と一緒です。


また別の例として、人材を定量化する手法として「適性検査(アセスメント)」がありますが、適性検査が日本で生まれたのは約50年前にもかかわらず、「対象者にアンケートをして、自己回答の結果を基に判断する」という手法はほとんど変わっていません。
(ある意味、偉大な発明ではあるのですが。)

一方、早期離職率の推移をみてみると、直近30年でほぼ横ばいを続けており、これだけITが進展して世の中が大きく変わっているにもかかわらず、HR領域の変化は乏しいとも考えています。

もちろん「ヒトに関することは定量化しにくい」「検証に時間がかかる」「A/Bテストがしにくい」「コミュニケーションスキルが求められる人事職では、データ分析スキルが高い人が少ない」などの課題はあるものの、他領域に比べると、データの利活用が非常に遅れていると言わざるを得ない状況だと感じています。



2.HRデータの利活用は「間違いが多すぎる」

HR領域は、間違いが非常に多い領域です。直観的に正しいと思っていることが、データで調べてみると、間違っているということが非常に多いのです。例えば、採用時に「ストレス耐性」をみられている会社様も多いと思うのですが、実際にデータで分析してみると、ほとんどの会社で【ストレス耐性スコアと入社後の活躍・定着は関係がない】ことがわかっています。

(参考記事:成果の出るHRデータ分析①【優劣なし】の適性検査を使う)

・ストレス耐性スコアが低い人は、面接で不合格になりやすいと感じる

・休職した何人かのストレス耐性スコアを確認したら、実際に低かった

という経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、数人では当てはまっても、実際に会社の全データを分析してみると、ほぼ【関係がない】という結論にいたります。(もちろん、特定の条件下では【関係がある】という結論がでることもあるのですが、関係があることのほうが例外的だと捉えています。)

※一部のデータだけをみて結論づけてしまうと、「確証バイアス」に陥りやすい状態で、ミスジャッジしやすいこともわかっています。


他にも、以下のような間違った認識があげられます。

・自分は面接で正しく見極めができている 
→実は、一般的な面接ではほぼ見極めができないことが、各種研究で明らかになっています。
(にもかかわらず、ほとんどの会社が、採用選考で面接を使いつづけています)

・学力が高いほうが活躍しやすい 
→「ストレス耐性スコア」同様、実データで調べてみると、関係がないことがほとんどです。

・エンゲージメントスコアが高いと退職しにくい 
→1社の中だけで分析して、この結論がでた企業はほぼ見たことがありません。


さらに、データの分析方法自体を間違えているケースも多く散見されます。

【「退職者」と「在職者」のエンゲージメントスコアの平均を比較すると、「退職者」のほうが、統計的有意にスコアが低かった】

という場合、

【エンゲージメントスコアが低ければ、退職しやすい!】

という結論は、実運用で考えると正しいとは言えません。(実はこの場合、エンゲージメントスコア低くても、ほとんどの人は退職しません)

・「ストレス耐性」スコアで、入社後の定着が予測できる!

・統計的有意差があるから、この方法を用いれば成果があがる!

など、データ分析の観点からすると、「本当?」と疑念がある内容が、社会全体に広まってしまっている状況です。(そして本当に現実で成果が出るのか確認できていない事実を推進しているサービス提供企業も多いという悲しい現実もあります)

「データ分析」と「データの実社会における利活用」に本当に詳しいチームが、正しい知見を提供していかないと、社会がよくならないと感じています。


3.HRデータの利活用は「汎用性・再現性にかける」

日本ではIT大手企業の自社内で、HRデータ分析(ピープルアナリティクス)チームが組成されることが増えてきています。

この取り組みは非常によいと感じているのですが、課題として、自社内でチームを持つと「他社比較が行いにくい」という点があります。

HRデータ分析をしていて感じることは「1社のみに当てはまる特殊な結果」と「社会全体で共通してみられる結果」が混在していることです、

もちろん、自社の利益という観点では、自社で当てはまる結果だけがわかれば問題はないのですが、社会全体を改善していこうと考えると、第三者的なアプローチをとらないと、社会全体の本質的な課題にたどり着くことが難しいとも感じています。

※直近では、複数社によるNDAベースの勉強会が開催されるなど、上記課題を解決する動きもあり、非常に良い取り組みだと感じています。


また自社で分析に詳しい人が1人しかいないと、【その人が間違えていた場合にチェックできる人がいない】という問題も発生します。

※実際に、私がダブルチェックをさせていただいた企業様の分析結果で、間違いが見つかることがたびたびあります。逆に私が分析した結果でも、ダブルチェックをしていただくと、間違いが見つかることもあるので、非常に複雑な分析を、完全にミスなくやる難易度がそもそも高いという認識です。


これらの課題を解決するためには【第三者のポジション】から【ダブルチェック可能な方法】を用いていく必要があると感じています。



HRデータ利活用の課題を解決するための「アッテル」

上記で説明した、HRデータ利活用における大きな課題を解決するためには、以下のポイントが重要であると考え、これらを実現するサービスとして「アッテル」が生まれました。

HRデータの利活用が合理的な形で進むようにする 
(目的はデータを分析/活用することではなく、成果を出すこと)

知識が少なくても、正しいHRデータ分析が行える「型」をつくる 
(データ・事業に精通している人が、適切なソリューションを作る)

属人化しない形で進める
(コンサルティングではなく、プロダクトとしてサービスを提供する)

1社だけで成果を出すのであれば、「コンサルティング」形式のほうが価値を発揮しやすいのですが、価格を抑えて、より多くの企業様の成果につなげていただけるように「プロダクト」の形を選びました。

※ただし「コンサルティング」の仕事も、アッテルとしてはR&D(研究開発)の位置づけで、一部受託をしています。


もちろん、まだまだ至らぬところが多いのですが、中長期的な目線で、本当に社会全体をよくして行ける取り組みを行っていきたいと考えており、「売上のために、成果がでないサービスを提供することはしない」「中長期の投資にならないことは、短期的な利益があっても優先度を下げる」「工数削減だけでなく、成果を生み出せるサービスにフォーカスする」という点を意識して、事業を運営しています。
(とはいえ、事業を成長させることは、社会を大きく変えるためには必須という認識でもあります。)

私の経験として、「データの利活用に関する知識」(大学・大学院での機械学習・人工知能関連の研究)と「企業のマネジメントで実際に意思決定してきた経験」(スタートアップにおける事業責任者・マネジメント)があるので、この2つを活かして、【データの専門家】かつ【実際に多くのマネジメントを経験した人】が「適切なソリューションを作りこむ」ことができるサービス(になりえる)と考えています。

※最近ですと名ばかりの「AIタートアップも多いと感じますが、しっかりとした技術に立脚しており、かつ「分析というお遊び」にならない、現場でしっかりと活用でき、成果をだせるサービスを作りに励んでいます。


私自身、実はこれまで、「HR領域はPDCAを回すのに時間がかかり、成果を出しにくい領域なので、なるべくやりたくない」と思っていました。

一方で、自分がマネジメントを行う立場になると「定量的に正しい知見がほとんどなく」「何を信じてマネジメントをすればよいのか全くわからない」状態でした。
アッテルでは何よりも「現場で手探りで頑張っている人事・マネージャー・経営者の方が、正しい意思決定を行い、成果につなげられるようにしたい」です。

もちろんデータがすべての課題を解決できるわけではないですが、少なくとも人の勘・経験だけで意思決定するよりも、精度を高められる領域があることがわかっています。

HR領域はデータの利活用が遅れていると書きましたが、20年前の営業組織もほとんどが気合と根性で成り立っていたと感じています。

HR領域は次の20年で大きな変革を迎えると感じており、アッテルもこの変革をリードしていく立場でいたいと考えています。何十年も変わっていない領域を、データ・テクノロジーの力を使って変化を促していくこの大きな挑戦に、もし興味を持っていただければ、ぜひ一緒に取り組ませていただけると嬉しいです!

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