こんにちは!株式会社ADX採用担当です。
本日は、ADXの設計チームの皆さんにインタビューをしてまいりました。
- 設計チームが物づくりをする上で大切にしていること
- ADXで働く中で身につくスキルや職場の雰囲気
- 働く環境の魅力
についてお話しして参りますので、建築物の設計から施工まで一貫して携わりたい方、既存の枠組みにとらわれない物づくりをしたい方はぜひ最後までご覧ください。
汎用性の高い「環境配慮型建築」を目指して
ーADXでは独自性の高い宿泊施設や商業施設の設計・施工を多く手がけています。その背景について教えてください。
ADXの前身となる会社では一般住宅の設計も行っていました。しかし近年、少子高齢化や人口減少により空き家が増加するなど、住宅事情は大きく変化しています。そのような状況の中で「木造住宅の建築が最適な選択なのか」という疑問が生まれました。
この課題に対する解決策の一つとして、当社の代表は環境と調和した木造宿泊施設の設計に着目しました。大量生産・大量消費ではなく、「自然と共生しながら長く使えること」を追求するADXのものづくりは、建材価格の高騰や人材不足など、建築業界全体でリソース不足が懸念される中、持続可能な建築のあり方として価値を発揮できると考えています。
木の価値を高めたい。ADX代表が語る「自然と共生する建築物と持続可能な仕組みづくり」とは?
ープロダクトをつくる上で大切にしていることはありますか?
ADXでは、「森と生きる」をフィロソフィーとし、自然との共生を目指す「環境配慮型建築」に取り組んでいます。たとえば、森にキャビンを建てる際は「あくまでも自然の中にお邪魔している」という姿勢で、自然環境に配慮した建物の設計や材料の選定、建築を心がけています。
最近では、SDGsへの関心の高まりから、環境に配慮した物づくりを行うデザイン事務所や建築会社も増えています。しかし、ADXのように企業理念として掲げ、実際の設計や建築工程に一貫して反映させる企業はそう多くないと感じています。
ー環境配慮型建築を手掛ける上で、設計士として具体的に工夫している点を教えてください。
設計士として特に心がけているのは、「汎用性の高いプロダクト」をつくることです。建築物は1つ創るだけでも膨大な工数を必要とします。さらに複数の建築物をつくるには、それぞれの図面と建築方法にあった資材が必要となります。
ですから、私たち設計士は工数が限りなく少なく、どんな場所でもつくれるプロダクトの設計を考えることで、人材や建材など限られたリソースを有効活用できるよう心がけています。
たとえば、当社が設計を手掛けた「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」の1つ「SANU CABIN MOSS」の建設工程では、汎用性の高い木製パーツを脱着可能な金属で組み立てる建築技術を採用しました。これにより、現場の作業が削減される「プレファブ工法」が可能になり、工期の短縮と職人の安全を担保した施工が実現。工期の短縮は、自然環境への負担軽減にもつながります。
今後は、MOSSで使用した建築技術やパーツを新しいプロダクトの建築にも応用するなどして、その汎用性をさらに高めていくつもりです。
異業種との協業により、新たな建築方法を実現
ー「環境への配慮と汎用性」、両方を追求することは簡単ではないと思います。難しさを感じる場面はありますか?
技術面や資金面で壁にぶつかることは多いですね。優れたアイデアがあっても、それを実現する技術がなかったり、多額の費用がかかったりするため、簡単には形にできないことが少なくありません。
たとえば、先ほどのMOSSの例では、各パーツを組み合わせる金物が建築工程の重要な要素でしたが、日本では前例が少なく利便性と耐久性を兼ね備えたものが見つからないという課題がありました。
そこで、金物メーカーに協力を依頼し、改良を重ねた結果、オリジナルの建築用金物を開発。こうして課題を乗り越え、MOSSの完成に至りました。
ー部材の開発から取り組まれたのですね。
最適な建築物をつくるには、社内だけで解決できない課題もあります。そのため、代表の安齋は技術開発を行うベンチャー企業やメーカーと積極的に情報交換をし、協業の可能性を探ることで、常に新しい建築方法を模索し続けています。
もちろん、私たちも設計の視点から最適な手段を追求し、より良い建築を実現できるよう日々試行錯誤を重ねています。
施工視点も取り入れて「環境と人」に配慮した物づくりを
ーADXの設計士として働くことで身につくスキルがあれば教えてください。
設計から施工までを社内で一貫して行っているからこそ、デザイン以外のスキルを身につけられると感じています。特にADXは、自然環境や現場の職人の方への負担が少ない建築を重視しているので、材料や組み立て方法、施工の順番をとことん追求します。
その過程では「デザインの知識やスキル」だけでなく、いかにつくるかといった「手段に対する知見」も必要となります。ですから、一緒に仕事をする施工部からは積極的にアドバイスをもらうようにしていますし、そのおかげで施工側の視点も体得できています。
時には、デザインをおこした後、実際に工事現場に赴いて職人さんや施工部と相談しながらデザインを検討し直すことも。「設計士はデザインして終わり」という事務所も多い中、工事用の図面作成まで任せてもらえる環境は珍しいのではと思います。
ー現場に足を運ぶこともあるのですね?
どのプロジェクトに携わるかによって頻度は変わりますが、担当するプロダクトの現場には出張ベースで足を運ぶケースが多いですね。ADXのプロダクトは、軽井沢や八ヶ岳など、山間部にあることがほとんど。
「自然を感じられる場所で仕事をしたい」「現場の方と関係値を築きながら物づくりをしたい」という方は、当社の仕事との親和性も高いかもしれません。
ー社内の雰囲気はいかがでしょうか?
皆、仲が良いと思います。ほどよい距離感を保ちつつ、1つのプロジェクトに対しては積極的に意見を交換する風土があります。
代表の安齋は自然からインスピレーションを受けることが多いので、建築物の構造や建築方法を検討する際に、皆で植物の画像を見ながらブレストしあうこともありますね。
建築の常識を覆し、世の中にない物を生み出す
ーADXの設計士として働く上で、魅力を感じる点を教えてください。
ADXの最大の特徴は、「ゼロベース」で物づくりをしていることです。一般的なデザイン事務所では、過去の実績や類似事例を基に建築物を設計することが多いですが、ADXでも物づくりは、代表の「こういうものをつくりたい」というビジョナリーな発想からスタートします。
代表のアイデアは独創的で、建築物としても前例のないものが多いため、設計士として「生みの苦しみ」を感じることもあります。しかし、新しい発想に常に触れ、チームと共にまだ世の中に存在しないものをつくる経験は、ADXならではの醍醐味です。
また、「前例のないもの」だからこそ、世間の反応も想像以上に大きく、一つのデザインに留まらない評価を実感できる点も、大きなやりがいにつながっています。
ーゼロから物づくりに携われることが、ADXの設計士として働く魅力の1つなのですね。
はい。ただし、私たちの考える「ゼロ」は、一般的なデザイン事務所のそれとは異なります。つまり、通常は「設計」が起点となるところが、ADXでは代表の頭の中にある構想を可視化し、それをどのように建築物として実現するかを考えるところから始まるんですよね。
だからこそ、MOSSでの金型開発のように「デザイン以外」の部分にも深く関わっていく必要があります。
建築の常識を一旦置き、代表ですら形にする方法が分からないものを、チーム一丸となって作り上げていく。その過程であらゆる制約を乗り越え、本当の意味で「建築設計の最初から最後まで」に関われる会社は、他にあまりないと思います。