ベンチャーは「個の力」が重要——
そう言われることが多い中で、Tabiji Partnersは真逆のアプローチを取っています。
重視しているのは、“組織で勝つ”こと。
その中心にあるのが、4つの社訓です。
「感動・陽転・決断・素直」
今回は代表の濱口優太郎氏に、
この社訓がどのように生まれ、現場でどう機能しているのかを聞きました。
「民泊をやって気づいた。M&A市場が空いている」
—— これまでの経歴を教えてください。
濱口:大学時代に海外を回る中で、日本の観光産業に可能性を感じて起業しました。最初は伊豆で民泊をやったり、別の事業もいくつか試しました。
ただ、実際にやっていく中で民泊市場の解像度が上がってきて。
その中で「東京の民泊M&A市場がほぼ存在していない」と気づいたんです。
—— そこから現在の事業へ?
濱口:はい。自分たちの若さと市場のニーズがマッチすると考えて、民泊M&A仲介に振り切りました。
「今やっているのは“仕組み作り”。組織で勝つために」
—— 現在の主な業務は?
濱口:広報と事業統括です。XやYouTubeでの発信もやっていますが、今一番時間を使っているのは「仕組み作り」です。
—— 仕組み作りとは?
濱口:社員が増えてきたので、自分がいなくても回る状態を作る必要がある。
マニュアルや研修を整備して、誰でも成果を出せる組織にしていくフェーズです。
実際、人数が増えたことで案件の流動性が上がり、成約率も上がってきています。
「社訓は高校野球が原点。“共通言語”が組織を強くする」
—— 社訓について教えてください。
濱口:「感動・陽転・決断・素直」の4つです。もともとは高校野球部の部訓がベースになっています。
当時、この言葉の中に“すべてが詰まっている”と感じていて、そこに「素直」を加えて会社の社訓にしました。
—— なぜそこまで重視しているんですか?
濱口:組織で戦うには“共通言語”が必要だからです。
これがないと、個人の集合体で終わってしまう。
社訓があることで、全員が同じ基準で判断できるようになります。
「感動・陽転・決断・素直」それぞれに込めた意味
—— それぞれの意味を教えてください。
濱口:
感動は「感じて動く」。
相手の背景や想いを汲み取って、人としてどう動くかを大事にしています。
陽転は「逆境を前向きに変える」。
うまくいかない状況でも、どうすれば好転させられるかを考え続けること。
決断は「決めて断つ」。
M&Aはスピードが命なので、どこかで腹を括って前に進める力が必要です。
素直は「素に立ち返る」。
まずは言われたことをやる、間違いを受け入れてすぐ改善する。これが一番成長に繋がります。
「“感動”でディールがまとまることもある」
—— 社訓が活きた具体的な場面は?
濱口:売主と買主で利益相反が起きた案件ですね。
普通なら条件面で折り合いがつかずに破談になるケースでした。
そこで「感動」を意識して、双方の想いをしっかり汲み取ったんです。
—— 結果は?
濱口:最終的には金額ではなく、アフターサポートなど別の条件で合意しました。
条件だけで見ていたら成立していなかったと思います。
「“陽転”でチームの空気を変える」
—— 陽転が活きるのはどんな場面ですか?
濱口:案件がうまくいかないときですね。
普通は雰囲気が悪くなったり、止まってしまう。
でも陽転の考え方があると、「ここからどうひっくり返すか」に意識が向く。
結果的に、次の一手が早くなります。
「“決断”がディールの質を決める」
—— 決断の具体例はありますか?
濱口:ある案件で、複数の買い手候補がいたことがありました。
それぞれ提示条件や特徴も違っていて、単純に金額だけで判断できる状況ではなかったんです。
—— どう判断したんですか?
濱口:最終的には、「どこが売主様の希望を一番実現できるか」という視点で比較しました。
—— 金額以外も含めて判断したと。
濱口:そうですね。M&Aは成立させることがゴールではなく、その後も含めて価値提供だと思っているので。
結果的に、その判断が最適だったと感じています。
「“素直”な人が一番伸びる」
—— 素直さはどんな影響がありますか?
濱口:成長スピードに直結します。
指摘をそのまま受け入れて、すぐ行動に移せる人は圧倒的に伸びる。
逆に、変に考えすぎる人は成長が遅くなる傾向があります。
「社訓があると、組織になる」
—— 社訓はどのように浸透していますか?
濱口:オフィスに掲示して、日常会話でも使っています。
「それ素直じゃないよね」「今は決断だよね」といった感じで。
社訓を作る前は“個人の集まり”という感覚でしたが、
今は明確に“組織”として動けている実感があります。
「若いうちに圧倒的に成長したい人には合う」
—— どんな人が向いていますか?
濱口:体育会系、特にチームで勝つ経験をしてきた人ですね。
あとは、若いうちに圧倒的に成長したい人。
—— 合わない人は?
濱口:安定志向の人や、働き方を重視したい人には合わないと思います。
「組織でしか行けない領域がある」
—— 最後にメッセージをお願いします。
濱口:まだまだ発展途上ですが、その分、組織で大きなことを成し遂げるフェーズにいます。
個人では行けない領域に、チームで行く。
それを楽しめる人には、かなり面白い環境だと思います。