社会人になると、「自分らしく生きたい」という思いと、「周りとうまくやっていかなきゃ」という現実のあいだで揺れることがあるように思います。働く環境では、立場や役割に応じて求められる行動が増え、学生時代よりも“ありのままの自分”でいることが難しく感じる瞬間もあるかもしれません。
そして、自分らしく生きるためには、ある程度の努力が必要なのではないかと感じることがあります。
自分の考えを丁寧に言葉にする力や、弱さを受け止める勇気、思い込みに気づく柔らかさ。そういった積み重ねが、少しずつ「自分らしさ」を形づくっていくのだと思います。
また、自分と同じように、周りの人たちも“自分らしくいたい”と感じているはずだ、ということも意識しておきたいところです。
仕事の場には、さまざまな価値観や働き方を大切にしている人たちが集まっています。そんな中で思いがすれ違うと、対立とまではいかなくても、少し気まずさが生まれたり、距離を感じてしまうことがあるように思います。
たとえば、自分ではやさしく伝えたつもりが、相手には強く受け取られてしまったり。逆に、相手の意見を尊重しようとした結果、自分の気持ちを後回しにしてしまったり。
“自分らしさ”を大切にしようとすればするほど、かえってうまくいかない場面が出てくることも珍しくないように感じます。
そこで大事になってくるのが、
「相手を理解しようとする姿勢」や
「思いやりのあるコミュニケーション」
「お互いのペースを尊重する心」
といった、社会人としての“やわらかな協調性”なのだと思います。
協調といっても、ただ相手に合わせ続けることではないはずです。
「自分と相手は違って当たり前」という前提で、その違いに少し耳を傾けてみる。相手の状況や背景を想像してみる。そうした小さな姿勢が、結果的に自分の居心地のよさにもつながっていくように思います。
自己実現というのは、ひとりで完結するものではなく、周りの人たちとの関わりの中で育っていくものなのではないでしょうか。
職場の仲間やお客様、家族や友人など、いろいろな人とのやりとりの中で、自分の考え方が深まり、選択肢が増え、心の余裕が少しずつ広がっていくように感じます。
「自分らしく生きる」ということは、周りに遠慮せず突き進むことではなく、
自分も大切にしながら、相手も大切にできるバランスを探し続ける旅なのかもしれません。
その過程で見つかる自分らしさは、きっとより豊かで、あたたかくて、人とともにあるものになっていくように思います。