「生成AI開発で日本を元気に」松尾研発スタートアップの若手起業家が語る創業ストーリー | 株式会社エムニ
▼プロフィール下野 祐太/Yuta Shimono株式会社エムニ 代表取締役CEO大阪府出身。京都大学工学部を卒業後、同大学大学院エネルギー科学研究科応用科学専攻へ進学。(株)松尾研究所にて製造...
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皆さんこんにちは!株式会社エムニ広報部の藤田です。
インタビュー企画第6弾は、エムニのプロジェクトマネージャーとして一人目の正社員である金澤さんにお話を伺ってきました。
AI応用研究における専門家でありながら製造業界で開発に従事してこられた同氏が、なぜエムニを選んだのか?移転したばかりの東京オフィスでの撮影風景と共に、副業から正社員転職してくださった方のリアルな声を聞かせていただいたので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
▼プロフィール
金澤 元泰/Kanazawa Motoyasu
株式会社エムニ プロジェクトマネージャー Ph.D.
東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋技術環境学専攻修了(研究科長賞)。造船所にてデータ・ドリブンな生産効率化に取り組み、製造業の現場経験を積む。ノルウェー科学技術大学にて船舶自動運転に向けたAI活用を研究し、Distinctionで博士号を取得。外資自動車部品メーカーでは物体検知ディープラーニングモデルの開発に従事。現在はエムニでAIエンジニア兼PMとしてプロジェクトを牽引する。
金澤 元泰氏
——まずは簡単に自己紹介をお願いします。
私はもともと研究畑の人間で、学部時代は分子動力学というシミュレーションの研究をしていました。その後修士では東京大学で海洋技術×AIという研究をしていました。その後船を作る会社に入ったのですが、やはり研究をやりたくなりノルウェーへ渡って、海洋技術×AIの研究分野で3年くらいかけて博士号を取りました。
研究はすごく好きだったんですが、その後実際自分がやっているAIがどういう形で産業に活かされていくのかをビジネスレベルで理解したいと感じて、日本に戻り外資系企業に入社しました。そこでは自動運転のAIシステムの開発に携わっていました。国際的な環境で大きな仕事ができるという楽しさの一方、やはり大企業の中でひとりのメンバーとしてやっていると、できることの幅がかなり限られることを感じていました。例えば自分で提案して新しいAIモデルを開発するということはとても難しく、実際は今あるプロダクションのAIモデルのメンテナンスや、新しいデータの追加がメインでした。
自分が産業界でやりたかったこととは少し違うと感じ、何か副業で違ったところに携わろうと思ったことが、エムニとの最初のタッチポイントですね。
——もともと副業を目的として探されていたんですね。
元々転職しようとは思っておらず、副業という形で別のことをやりたいなと思い探していました。そこでエムニに入って3ヶ月ほどPMとして副業で携わっていたんですが、やっていく中で明らかにエムニの方がおもしろいなと感じて、転職を決めたという流れになります。
——なるほど、そういう経緯があったんですね。金澤さんにとって、エムニがおもしろいと感じて比重がどんどん増えていったことが大きな転機になったと思うのですが、具体的にはどういったところにおもしろさを感じたんですか?
大企業の中にいると、ひとつのプロジェクト規模がものすごく大きくて、ヘタしたら5年とか10年とかの期間で開発に携わることが多いんですね。その中でいちエンジニアとして動くことが求められて、やることも細部に渡るので、自己効力感がないというか、これは自分がやったと感じられる部分が薄いので、長期的にキャリアを形成していくことを考えた時に難しさを感じました。
一方でエムニの場合、お客様の課題に対して小さいチームで長くとも1年程度のスパンで取り組んでいくので、スピード感も違うし、自分がここまでやったという確信をもって取り組めるというのは働き方として180度違いましたね。
——その中で副業として続けるのではなく、エムニに転職しようと決めたのはなぜですか?
うまく二足の草鞋を履き続けられる人もいると思うのですが、私の場合一本化して集中した方が、成果が出せるのではないかと思ったからですね。
——実際に副業から正社員として入社してみて、何かギャップを感じましたか?
副業の時は時間的な制約があり、1つのプロジェクトにしか関われなかったのですが、フルタイムになったことで、複数のプロジェクトを俯瞰してみたり、会社の仕組み化であったりコアな部分に関われるようになり、よりメタな視点をもって関われるようになったと思っています。例えばこの案件でこういうところがうまくいったからこう活かしていこうだとか、この人はこういうところが得意だからここにアサインしたらどうかとか、より俯瞰して見てマネージメントサイドでうまく回していけるようになったと感じています。その意味ではいい意味でのギャップかなと思いますね。
大企業の場合ある程度想定されているキャリアパスが存在するので、その中に予め下積みが用意されていることもあると思います。あとは配属ガチャがあるので、その中で引きが悪いと、希望したものとは違った下積みをするということもあると思うんですね。
そういう意味でいうと、エムニの場合案件も多く、チーム構成の規模もコンパクトなので、自分のやりたいことに専念できるという意味ではとても良いと思います。
——大企業に勤めてこられた金澤さんならではの視点ですね。
私も大学職員などとして勤めてきましたが、エムニの場合一つの船にみんなで乗っているという感覚はこれまで以上にありますね。それぞれが船を立派にしていこうと思って動くし、一人がオールを漕ぐのをサボると傾きかねないし、ある意味そういう一体感はあります。
そうですね。本来会社の規模に関わらずその感覚をもっていることが必要なんだと思いますが、会社がスケールしていくほどに全員が意識するのが難しくなっていきますよね。
——エムニの場合まさに少数精鋭というか、今の会社規模ならではかもしれないですが、そういった感覚はあります。
かといって会社の空気感としてとげとげしてなくてやわらかいので、経営陣がマネジメントしているところだと思うのですが、うまく設計されているなと思います。
——経営陣がエンジニア出身ということもあって、エンジニア気質でエンジニアが働きやすい会社というのは、入社した方によく言っていただける点でもあります。人によっては夜に突然スイッチが入ったり、朝が弱かったり、その人にとって最もパフォーマンスを発揮できる環境で働いてもらうことをとても大切にされているので、エンジニアに限らず、私自身とても心地よく働かせていただいていますね。
そうですね。
私自身リモートと出社を併用しながら働いていますが、働きやすさはとても感じますね。
オンライン懇親会の様子
——そういった風土はエムニ自体のカルチャーにも繋がる部分かもしれません。
結局会社の価値観にも共通するのですが、かっちり明文化する以上に、下野さん後藤さんが体現している、醸し出す雰囲気だったりに、みんながその空気が好きで集まってくるというところはあるのかなと思いますね。
なので学生起業したスタートアップとしての勢いはありつつも、芯の強さみたいなものを持っているところは魅力ですね
——経営陣も馴れ合いをしないというか、仲良しでやっているという雰囲気はないですよね。
そうですね。その点は私が昔いた海外の研究室の雰囲気に近いですね。みんな割と上品で馴れ合いはしないしどちらかというとドライなんですが、芯は強いという。ベンチャー研究室のような雰囲気ですね。
——それはある意味エムニの特色というか、中に入ってみて感じるところかもしれないですね。
あとは経営陣もいろんな顔があるなと私は思っていて、下野さんの場合、マーケの話をしているとマーケの人になって、セールスの話になるとセールスの顔になり、エンジニアの話をしているとエンジニアに届くように話をされるので、いろんな人に目線を合わせて相手に届けるところはすごいなと感じます。
後藤さんはある意味エンジニアに振り切って、副業で入っている凄腕のエンジニアと下野さんだったりをスムーズに繋いでいると思うんですよね。なので経営陣のカバー領域が広いので、ギクシャクすることなく、経営の仕組みとしてうまくまわり、今のこのカルチャーを作っているのかなと感じます。
——確かにお二人が全く違うタイプだからこそ、調和がうまくとれている印象はあります。
▼下野代表の創業ストーリーはこちら
——従業員の6割程度を学生が占めている会社ですが、学生の方と協働しながら開発にあたることに関して、実際マネージメントサイドとしてはいかがですか?
入る前は学生と一緒に働いていくことってどうなんだろうと思っていたところもあるんですが、エムニのインターン生は、良い意味で学生と意識する必要がない人が多いですね。
——全く同感です。
優秀であることはもちろん、スピード感もありつつ責任感をもって取り組んでくれるので、一緒に働いていてそういった違和感はもちろんないですし、彼らが会社を強く支えて大きくしてきたことは間違いないので、そういった意味でも、学生だからどうというような意識はないです。
——とてもわかります。皆さんそれぞれの専門性やユニークな才能があって、すごく輝いていますよね。
また、金澤さんに入社いただいたことで、インターン生のマネージメントを含め、エムニが大きく動き出したのを感じています。たまに学生の方と1on1をする際に、金澤さんや他のマネージメントメンバーへの感謝を本当によく耳にするんですよね。金澤さんの、雑務を率先して巻き取ってメンバーにどんどん成長機会を与えようとされる姿を、心から尊敬しています。
ありがとうございます。
彼らのポテンシャルや多才な能力があるからこそ、最初の足掛かりをしっかりサポートしてあげることで、長期的にすごく伸びると感じる方も多くいます。そういった経験をエムニで体感してもらえることは、私自身とても嬉しく思いますね。
——これまではフルタイムでPMをするのが経営陣のみだったところから、会社として二期目に入り、フルタイムでマネージメントサイドに立つメンバーが増えたことで、事業の仕組み化や体系化が進んでいくのを実感しています。
フルタイムのPMがでてきたことでこれまで経営陣がカバーしていた分、ある程度仕組み化の必要性がでてきたので、自然発生的に始まったところはあるかもしれませんね。
そういった会社の根本の仕組みをDIYしていくところに関わっていけるのはおもしろいなと思います。あとは業務委託のメンバーも活躍しているという会社の性質上、すごいスキルをもった副業メンバーとのタッチポイントが多いので、そういった方々から学べることもエムニの魅力に感じますね。フレキシブルなワークスタイルを採用しているので、人材の豊富さや幅の広さは、自分自身とても学びになるし面白いなと感じる部分です。
あとはエムニは提供しているソリューションが幅広く、目の付け所が面白いなと感じます。本当に価値のあるものを届けることを重視しているので、そういうところはやりがいだったりおもしろさかなとは思います。
——AIの市場が急速に拡大して、新たなビジネスチャンスやアイデアの創出は無限にあると思うのですが、私自身、採用面接などで候補者の方に事例紹介をしていても、すごく食い付いていただけるなというのはよく感じます。
製造業界にいて現場のことを知っているからこそ、最初にアイデアを聞いた時に、率直におもしろそうだし、これは役に立ちそうだと感じましたね。
——社長の下野さんも松尾研時代から製造業界に3年間社会実装に携わり、今も現場に足を運ぶことや現場の方々とのコミュニケーションを何より大事にしている方なので、そこのバックグラウンドはありますね。何より、最先端のAI研究に携わってこられた専門家でありながら、実際に製造業界の中に入って、AIエンジニアとして社会実装に従事してこられた金澤さんの言葉というのは、とても重く価値があるなと感じます。
ありがとうございます。
——逆に現場を知っているからこそ、もっとこうだったらいいのに、というようなアイデアがでてくることはありますか?
現場を知っているからこそ出てくるアイデアというのはあると思います。
例えば、現場でAIのプロダクトを落とした後に、最終的にどれだけ現場に浸透させられるかというところがきいてくると思うので、そこまで見据えてソリューションの提案ができているかというのは目線として重要だと感じます。
具体的には直感的に使えるかとか、実際にお客様が普段されている業務に即しているかという観点が重要です。例えば、自分が普段やっている業務を効率化する全く新しいシステムが職場にやってきましたとなったら、普通は現場は戸惑い、業務移行することの工数や手間に抵抗感を感じる可能性があると思うんですよね。やはり現場の方が使ってくれなかったらだめだと思うので、そこをいかにスムーズに移行するかという、現場の目線に合わせられているかは常に意識しています。
やっぱり下野さんが製造業界向けのPMをやってこられたということもありますし、私以外にもメンバーに製造業界のバックグラウンドをもつ方が多いというのは強みでもありますよね。純粋なAIベンダーではなく、現場の目線が社内にあるAIベンダーというのは強いと思います。
中にいる人間が真のニーズを解像度高く理解して課題に切り込み、開発に携わっているというのは一番大切なのではないかと思います。
——素晴らしいですね。金澤さん自身が、仕事において大切にしている価値観は何ですか?
私が大切にしているのは、役に立つものを作るということですね。
すごくシンプルなことなんですが、なんか新しくてすごそうなものを作るのって、研究室の中でやればいいことなので、お客様が必要としているのは役に立つものなんですよね。
お客様の中で課題はあるんだけど、どういう解き方があるのかとか、そもそも何を解くのが正しいのかというところまでちゃんとコミットして、最終的に役に立つものを届けるというのは、エムニの中でもみんな大切にして持っていることだと思うんですよね。
ただ目新しいからやってみようではなく、実際に役に立っているのかというところまでみんなコミットしているので、エムニのそこの共通した価値観はとても好きですね。ソリューションには即時的に目に見えて効果があるものと、時間をかけて取り組む課題に向けてやってみようというものと2通りあると思うんですが、どちらであれ実際に課題解決に寄与できているかというところは、これから先も大切にすべきところだと思っています。
——これは深く共感するところですね。私自身元々医療職や研究員として、目の前の命を救うことや医学の発展に寄与するといった、社会貢献が実感しやすい現場で働いてきたからこそ、非エンジニアであっても自分たちの事業が本当に価値あるものを届けられているのかというのは意識しています。そういう意味でも、エムニの堅実な事業モデルと経営陣やメンバーの共通した考えは、とても魅力的に感じます。
医療業界と比較した時に、AI業界って時代の流れからも、盛り上がってみんなが飛びつきやすいからこそ安易に成立してしまうビジネスも多くあると思うんですが、そういうのはエムニはやらないという考えをみんながシェアしているのは魅力ですね。
課題解決に向けたストーリーをお客様と組み立てていく姿勢は問われていくと思いますし、ここまで泥臭く最後まで向き合ってコミットしている会社はなかなかないんじゃないですかね。だからこそ、これだけ多くの企業にご信頼をいただき、脅威的な継続率があるのだと感じます。
——外からはここまで急成長するスタートアップの経営陣に、ワンマンな想像をされることも少なくないと思うのですが、エムニは全くそういう風土がないので、それぞれが意見を発しやすい環境があるのではないかと感じます。
下野さんと後藤さんは非合理なことを望まないので、会社として目的達成のために最善の選択をとるという共通認識があると思うんですよね。そこに対していろんな意見があることを尊重しつつ、経営陣が決めるところは決めるという、バランス感がとても良いと感じます。ある意味ワンマンとは対極にいる方々ですよね。
——本当にそう思います。その中で、製造業界の現場を知り、AIの専門家である金澤さんに入社いただいたことが起点となって、エムニが会社組織としてさらに醸成していくのを感じています。
今のフェーズだと中心にいる人たちはそれぞれのストーリーを知っていたり、それぞれのバックグラウンドがあるのを知っているので、お互いを尊重しあっている雰囲気は好きですね。
——私自身フルタイムメンバーが増えたことで、経営陣以外にいつでも相談しやすいメンバーがいることの安心感や、目的を同じくし、毎日一緒に働くメンバーがいることが、今とても心強いです。
オフライン懇親会の様子
——今後エムニでチャレンジしてみたいことはありますか?
いろいろあるんですが、プロダクト開発がおもしろいなと思っていて、どういうことを共通項として課題を抱えているのかを抽象化したり、そこをテストマーケから開発に活かしたりと形作っていくのはおもしろいですね。
あとは生成AIはどんどん進化していくので、今後何かにチャレンジしていきたいというより、そういう波に乗りながら顧客に対して常に最適なソリューションを提供していける組織にしていきたいですね。
——いいですね。これからの更なるジャンプアップに期待しかないです。
——最後に未来の応募者へメッセージをお願いします。
エムニは地に足ついたAIソリューションで、実課題の解決にコミットしていける会社なので、そういったやりがいと社会に価値を届けることに共感できる人にとっては、最適の環境なんじゃないでしょうか。
今のフェーズで急成長の変化を一緒に楽しんでいける方は、ぜひ気軽にお話しできると良いのではないかと思います。
——素敵なお話をお聞かせいただきありがとうございました。
▼共同創業者・取締役後藤の創業ストーリーはこちら
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■会社概要
会社名:株式会社エムニ
代表取締役CEO:下野祐太
本社オフィス:〒101-0031 東京都千代田区東神田1丁目11-5 石田ビル東神田3F
京都オフィス:〒606-8307京都市左京区吉田上阿達町17番地 地域経済牽引拠点1階
事業内容:オーダーメイドAI開発、セキュアチャット開発、生成AIワークショップ
企業理念:「AIで働く環境を幸せに、世界にワクワクを」