【共同代表インタビュー前編】地域の価値を引き出す伴走の秘訣とは? | 株式会社ヒダカラ
「地域のタカラモノを見つける」と言うのは簡単ですが、タカラモノを見極める目と育てる実行力がなければ、見つけて輝かせることはできません。そして、地域の人たちを動かす本気の熱量も地域創生には必須です...
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ヒダカラ共同代表インタビュー後編です。
今回は、マーケティング力やスピードの秘訣、そしてこれからのヒダカラの挑戦について、インタビューしていただきました。
前編はこちら
ーー前半では、お2人がヒダカラを立ち上げた経緯から、地域の事業者さんと近い距離で熱意をもって行動されていることまでよく分かりました。ヒダカラが大切にされている伴走力以外に、成果を出す秘訣はありますか?
こうすけ:
マーケティング力だと思います。いくら熱意や行動力だけがあっても、成果につなげるスキルがなければ難しいので。
僕らは2人とも、楽天で約10年ほどネット通販のコンサルティングをしてきて、その「分析の経験」が蓄積されています。楽天では、約4兆円の大きな取引きの裏側を「どういう商品が、どれくらい売れるのか」「何で売れているのか」「どのようなフェーズで、どのような伝え方が重要なのか」といった目線で分析をしてきました。この経験が、今も僕たちが商品が売れるかどうか判断するときに大きな根拠になっています。
ネット通販のコンサルティング会社はたくさんありますが、多くの場合、「こうすれば売れるのではないだろうか」という予測を提案するに過ぎないケースが多いです。でも僕たちはネット通販の現場でリアルを見てきて、「売れる」「売れない」を実際の商品で目の当たりにしてきました。その経験が今のヒダカラのマーケティング力に繋がっているのかもしれません。
ーーかなこさんはいかがですか。
かなこ:
私も同じく楽天で培った経験かもしれませんが、「この商品はいけそう」という“勘”がはたらくんです。「あの商品を欲しいお客さんは、この商品も買ってくれそうだ」などの目線で商品を見ることが多く、これまでも何が売れるのか、どのような伝え方が心に響くのかを見て、考えてもきたんですね。そういう経験の蓄積が勘を含めてマーケティング力とつながっているのかもしれません。
たとえばケーキを見るときも「母の日にこのケーキが売れているということは、こういうニーズがあって、それを飛騨の商品に置き換えると、角度を変えてこのように売れば売れるかも?」と考えたり。
ーー商品をマーケティングする際、具体的にどのように取り組んでいるのか教えてください。
かなこ:
地域のイイものを見つけるときは、地元の道の駅やスーパーなどに、お客さん感覚で実際に足を運んで見つけることが多いです。そして、実際に商品化を進めるときには、さまざまな商品を見るだけではなく試して、強みを考えていきます。
たとえば、私たちの運営する豆富店のおからを使い、地元の製菓店と一緒におからのバスクチーズケーキを開発したのですが、このときは、まずとにかくいろいろなお店のケーキを食べ歩きました。人気の商品と比較することで、初めて自分たちが手がけている商品の特徴が見つかります。そういったことをしながら、事業者さんに改善点や良いところを伝えて、一緒にブラッシュアップしていきます。
そうして一緒に走っていくうちに、「うちの商品、実はけっこうすごいかも。売れるかもしれない」と事業者さん自身が気付くと、どんどん一緒に進めてくださるようになって、新しいアイディアが生まれることも、沢山あります。
それはまさに私達の熱量が伝播した瞬間です。事業者さんに伴走して強みをより引き出していくからこそ、もともと持っているタカラモノの価値を輝かせることができるんです。そして一緒にプロジェクトを成功させて喜んでいただけることはこの上ない喜びです。
こうすけ:
自分たちのなかにある膨大な経験が、自信を持って「一緒に売りましょう!」と言える理由になります。僕たち自身が売れることを信じることで僕たちの思いや熱量が伝わり、事業者さんが一緒に前に進んでくださっていると思っています。
ーー ヒダカラの特徴として、“スピード感”がありますよね。前編でもクラウドファンディングを4日で企画しリリースしたというお話がありました。そのスピードで物事を動かせるのは、なぜでしょうか。
こうすけ:
確かにスピード感あるかもしれません。業務を単純化や抽象化することが得意なのかもしれませんね。たとえば、クラウドファンディングを立ち上げる場合でも、「大枠のストーリー、タイトルと文章とリターンの値段設定、写真があればできるね。文章関連は1日あったらできるから、あとは写真があれば公開できる」など、なるべく単純に考えて実行しています。サクサクっと進めていくので、スピードが早くなるのかもしれません。
かなこ:
マインドの部分では「このタイミングを逃さない執念」みたいなのはものすごくありますね。タイミングは1日違うと結果がまったく違うので好機は逃したくないんです。
たとえば「#おうちで飛騨牛」というプロジェクトがあります。コロナ禍で観光客が激減し、飛騨牛の消費が大幅に下がり、生産者さんも精肉店さんも困っている状況でした。その状況を打開すべく、立ち上がった「#おうちで飛騨牛」に関わらせていただいたのですが、飛騨地域3市1村の生産者さん、精肉店さん、金融機関、行政を巻き込んで、大きなムーブメントを作ることができました。
関わる組織や人が多い分、関係各所への調整も大変だったのですが、絶対にタイミングを逃したくなかったので必死に調整し、2週間でクラウドファンディングをリリースしました。そして、2020年4月29日〜5月10日の間に1万人を超える人たちにご参加いただき、1億1千万円を超えるご支援をいただきました。
「コロナ禍で本当に地域が困っている今、やらないといけない」という強い意志のもと短い準備期間でスタートしました。この「今やらなければ!」というタイミングを逃したら、1億円超えという結果は残せなかったと思っています。好機を逃さずにスタートできたことは、振り返ると本当に良かったと思います。
私たちがタイミングを非常に大切にして本気で事業を進めているからこそ、事業者のみなさん、地域のみなさんも協力してくれるのだと実感しています。
こうすけ:
僕たちだけでなく、ヒダカラのメンバーはみんな「地域を元気にしたい」という強い想いを持っていて、本気で向き合っています。その想いとこれまで積み重ねてきた分析力や経験の結果、「何が必要なのか、本質なのか」の理解が早く、形にするスピードも速いのかもしれませんね。
ーーこれまで熱意あふれるプロジェクトをたくさん伺いましたが、どれもとっても濃密ですね。ヒダカラの一員として働くと、どのような経験ができるのでしょうか。
こうすけ:
地方で働くというと、“キャリアのお休み期間”のようなイメージを持つ方もいるかもしれません。ですが、ヒダカラでは地域の課題を肌で感じながら、速いスピードでプロジェクトの企画から実行までを経験できるため、むしろキャリアアップに繋がるような経験ができると実感しています。
自然の近くで暮らしながら、伴走力やコンサル力、マーケティング力などのスキルを身に付けたい。地域の困りごと事業者さんの想いをリアルに感じながら、地域を元気にする挑戦したい。そんな想いを叶えられます。
たとえば、地域を元気にするというミッションのもと、1~2年で0からブランドを立ち上げる挑戦も可能ですし、事業開発力や課題解決力を身につけながら、大企業にいたら簡単には経験できないような、地域と密着した仕事ができると思います。一番の魅力は自分の仕事によって、目に見える形で地域の変化が分かることです。小さな地域だからこそ、都会では感じにくい仕事のやりがいみたいなものが感んじやすいです。2~3年でも良いので、飛騨でチャレンジをしにきていただきたいきたいですね。
ーーこれからのヒダカラの挑戦を教えてください。
かなこ:
事業の枠組みを広げ、新規事業にもチャレンジしていく。だけど熱量は今と変わらず「濃く、深く、速く」動いていきたい。それが私たちの変わらない想いです。
飛騨で活動してきた私たちですが、ありがたいことにいろいろな地域からオファーをいただくようになり、お客様や協働していく企業も増えてきました。
もちろん飛騨が私たちの拠点であり原点であることは変わりませんが、活動の範囲は今後拡がって行きます。でも活動範囲が広くなっても内容は薄くしたくない。加えて、産直ECやクラウドファンディング型ふるさと納税などの新規事業も進めていきたいです。
こうすけ:
地域を元気にしたいと思い起業しましたが、事業者さんとお話をすればするほど、「もっとこれをやってほしい。もっと手伝ってほしい」とご依頼をいただきます。それだけ期待をしていただき、まだまだ地域を元気にするチャンスがあるにもかかわらず、僕たちのリソースや能力が追いつかず、応えられていない。とても悔しくてもどかしいのが正直なところです。
これを実現するために、この想いに賛同してくださり、一緒に事業者さんに伴走し、企画から営業、マーケティングまで幅広い業務にも携わってくれる仲間と一緒に駆け抜けていきたいと思っています。
ーー最後に、ヒダカラで働く魅力を教えてください。
こうすけ:
地域に求められる仕事があり、自分たちの仕事で地域の変化を感じることができること。そして地域と近い距離で、課題や想いに向き合い、チャレンジできる環境があることですね。
少しでも興味がありましたら、ぜひお話しをさせてください!ご連絡お待ちしてます!