バイオロギングとは、元々は水中で目視できない海洋生物に加速度ロガーなど小型のセンサーを装着し、生態行動を調査する研究手法。Catlogは、この技術をベースに開発されています。
そんなバイオロギングを使って、猫の行動計測をどうやってやっているのかのお話です。
現在Catlogは開発中ですので、3軸加速度センサーを搭載した研究時代にも使っていたリトルレオナルド社のD3GTというデータロガーをCCOのブリ丸の首輪に装着しています。空中重量で9g程です。バイオロギングにおいては動物の体重の3-5%くらいに機器の重量をおさえることが推奨されています。
海洋動物のバイオロギングだと基本的には目視できないので、データロガーで取得したデータ(動物種によりますが、加速度/深度/温度など)だけで行動解析をするのですが、猫は幸いにも陸かつ家にいるので動画が撮影できます!
猫ロギングの手順
①専用のインターフェイスを使って、データロガーとPCを接続し、加速度サンプリングレート(今回は20Hz)など設定値をロガーにセットする
②電池(D3GTの場合、ボタン電池)を挿入して、電源ON!Lチカを確認。
③データを取得し始めるまで一分くらいあるためそっとしておく。一分程経ったら、手で持って思いっきり振る。←D3GTはタイムスタンプ(何時何分何秒のデータなのか)を持っていないので、あとで時刻と合わせるための特徴的な周波数データを作っています
④首輪に養生テープ(ガムテープよりもベタベタしない)で加速度の3軸の向きに気をつけながら&ズレないように接着し、猫に首輪を装着!
↓説明用の絵(殴り書きの様に見えますが、これが活用されています)
ここまでが準備です。さぁ、猫の行動を動画で記録しつつ行動データ取るぞ!!なんですが、ここからが大変。
大変ポイント1:思ったように動いてくれにゃい
「歩く」という行動を取得したいときは、歩いてもらう必要があります。しかし、当たり前ですが「ブリちん歩いて〜」と言ってもそうは問屋がおろしません。手を変え品を変え、歩いていただきます。
①ごはんで釣られてくれない
②動いてくれないからお尻を押される…(けど思うようには動かない)
「歩く」はまだ良いのですが、「走る」が更に大変です。何もなくても走ることが家猫はほぼ無いので、好物のトリムネを持った私が走ったり、好きなおもちゃを投げてみたり。しまいにトリムネ(フリーズドライ)を投げてみたら、部屋中にトリムネが飛び散り粉だらけになりました・・・・。
そのような私の一連の奇行にドン引きしたブリちんは結果走らず、部屋に飛び散ったトリムネを呆然と見つめる。。。
写真の撮影もそうですが、思うようには動かない猫様を中心に、ヒトがてんやわんやしています。ま、それがまた面白くていつもゲラゲラ笑いながら愉しくやってますが。
大変ポイント2:CCOブリ丸が疲れてネル
猫は基本日中寝て過ごしています。そのなか、猫様の時間をお借りしてデータ取りをしているので、休憩しつつやっているものの、やっぱり疲れるのかちょいちょい寝てしまいます。起きるまで待ちます・・・作業中断。
大変ポイント3:可愛すぎてただの「ネコ動画」として見てしまう
記録用の動画には、当たり前ですがずっとブリ丸が映っています。猫好きなミニャさんはご存知のとおり、猫は動画映えます。私は毎日ブリ丸と一緒にいるのでそこまででもないですが、動画から行動ラベルに起こす作業をしている社員のピロちゃんが、気づくと「ブリちゃんかわいいねぇ〜〜〜♡」ってなって、ただの「ネコ動画を見るヒト」になっています。作業遅延。
大変ポイント4:秒単位の行動ラベルをふる地味作業の山
猫の行動は約17種類に分類されると言われています。記録したビデオを見ながら、秒単位で何の行動をしていたかのラベルをつけていきます。
これを時に数時間分やったりします・・・!バイオロギングは先端技術でもありますが、とても地道な研究です。野生動物の場合、フィールドワークなので無人島とかですが今は快適な室内だったり、ロガーを回収するために夜な夜な山を歩き回ったりしているのでそれに比べればかなり楽ですが。
こうして取得したデータと、動画から得た行動ラベルを突き合わせ、機械学習を用いたモデルを生成して、、の繰り返しをしています。
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