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旅行会社勤務から講師へ 学生が成長する瞬間に立ち会う喜び

観光業界で働く魅力を伝えると同時に学生の可能性を広げたい。旅行会社勤務を経て日本外国語学校の国際観光科の講師として教鞭を執る村岡先生に、入校の経緯と日々何を考えて指導をしているかを聞かせていただきました。

中学時代に生まれた教師への憧れ

-講師になる前は何をされていたんですか

大手旅行会社でツアープランナーとして働いていました。時には自分が企画したツアーの添乗業務を担当することもありましたね。

-日本外国語専門学校の講師になろうと思ったきっかけを教えてください

実は元々将来の夢は学校の先生になることでした。大学では教職をとったんですが、就職の際に一度社会を見たほうがいいんじゃないかと思い、運よく好きだった旅行の世界に入りました。

入社の時点で「節目で必ず教育の世界に戻ること」を決めていて。それで30歳になった時に会社を辞めたんですが、教育の世界とはいっても今から小中学校の社会科の先生になるのはちょっと違うぞと。教育関係の職を幅広く探していた時にたまたま求人サイトで見つけたのが、日本外国語専門学校の国際観光科の講師職の募集でした。

-教育に対する強い思いはなぜ生まれたのでしょう

中学校時代にとてもいい先生と出会いました。身近で尊敬できる大人が先生だったというのが大きいです。

教育に携わることで最も嬉しいのは、学生が成長する瞬間を見れること。自分が関わったことで学生が成長すれば、彼らの可能性が広がります。学生の成長に一番影響を与える立場が先生だと思うので、責任もやりがいも感じますね。

自身の経験から伝える業界の楽しさと厳しさ

-国際観光科ではどのような授業を行うのでしょう

国際観光科には観光マネジメント専攻、ツアーコンダクター&ツアーガイド専攻、鉄道&空港サービス専攻の3つの専攻があります。共通しているのは1年生の夏頃までに「旅程管理者主任者」の資格を取ることです。これは全員必須になります。この資格の取得に向けてツアープランナーや添乗員の実務を学び、同時にビジネスマナーや社会人としての基本常識を身につけます。

資格取得後はより専門的な業界知識や実務を学ぶのに加え、マリンクルーズや海外ツアーを舞台に実際に学生がツアープランナーやツアーコンダクターとして模擬ツアーを行う実習があります。今年はことなの影響があるので実施は未定ですが、通常は学生に現場の体験を通して考えてもらうことを重視して指導しています。

-学生に対して伝えたい「旅行業界で働く魅力」を教えてください

私は旅行は究極の非日常体験だと考えています。旅行の計画を立てれば、その非日常に向けて日常を頑張ることができる。非日常であるがゆえに、旅行が人生の転機にもなれば節目にもなる可能性を秘めています。私自身、旅行会社時代に添乗したツアーで転機となる経験をしました。

お客様の非日常をプロデュースして、楽しい思い出であるとか人生が変わる経験を提供できるのは、大きなやりがいではないでしょうか。

-学生に対して伝えたい「旅行業界で働く厳しさ」もお願いします

海外やリゾートなど一見華やかに見える旅行業界ですが、普段の業務は非常に地味なものです。ルーティン的な仕事だったり上司から振られたタスクを確実にこなしてくことでしか、大きな仕事を手がけるチャンスは巡ってきません。そこに関しては、旅行業界云々というよりも「社会人として身につけておくべき立ち居振る舞いや話し方が重要だよ」という話をします。

とはいえ、社会人経験のない学生たちだとピンとこないはずなので、私は自分の旅行会社勤務時代の失敗談を話すようにしています。思ってもいなかったことで上司に怒られた話とか、そんなつもりはなかったのに仕事を舐めていると思われた話とか。

学生の人生の可能性を広げる指導を

-国際観光科に入学するのはどのような学生ですか

基本的には旅行が好きな学生たちです。他の学科だと「CAになりたい」とか「ディズニーで働きたい」といった明確に目標とする職業がある学生が多いですが、国際観光科に関してはもう少し受け入れ幅が広い。入学した時点では特に目標とする職業がなくて「旅行は好きだけどどの専門学校、学科に入ればいいのか迷っている」という学生が大多数です。

私たちとしては「まずは好きな旅行を入り口にして、そこからどんな将来があるか興味を広げていけばいい」と話をします。ですので、国際観光科という名前ではありますが、必ずしも観光業界に就職することを前提にしていません。国際的な感覚を育み、どの業界でも活躍できる社会人としてのスキルを身に付けることを重視して指導しています。

-つまり、クラス30人の学生に対して観光業界にとどまらない相当幅広い業界に向けた進路指導をするわけですね。完全に一人一人フォローするのは大変なのでは

難しさはありますが、辛いと感じたことはないですね。進路はあくまで学生本人が主体的に決めるものなので、私たちは学生の思いをうまく聞き出してヒントを与える役割を担います。先生が押し付けても学生が納得しなければ失敗ですし、本音を聞き出すのに時間がかかる場合もあります。普段から担任として学生一人一人をしっかり観察していることで、それぞれに対してどのような切り口で進路指導をするか見極めることができるんです。非常にやりがいのある仕事だと感じています。

自分も学校も成長を続け学生に貢献したい

-村岡先生の今後の目標を教えてください

国際観光科を「観光を通してホスピタリティを学ぶ学科」にしていきたいです。日本が観光立国を謳う中、観光業界にこれまで要求されてきたホスピタリティは、今後社会人として当たり前のスキルになっていくと考えています。学生が観光という入り口から、あらゆる業界で通じるホスピタリティを身につけられるようなカリキュラムや環境を作っていきたいです。業界内で通じる単なる知識やスキルを超え、学生の総合力を高めていければと。

さらに「日本外国語学校におけるキャリアガイダンス」を確立したい思いがあり、キャリアコンサルタントの資格を今春取得予定です。資格取得の勉強で身につけた知識を現場での進路指導に落とし込み、より学生の夢の実現を篤くサポートしていきたいと考えています。現在全学科共通で週一回行われているキャリアガイダンスは進路指導に関する授業なのですが、このカリキュラムや指導方法がクラスによって異なっている。自分が多くの実践を進路指導で重ねることで、将来的にはある程度統一した指導法を作りたいという目標があります。

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