1
/
5

売上構成比1%の商品に情熱を全振りする理由

「ヘルシーファストフード」の本格スムージー専門店 「FICO & POMUM JUICE (フィコ・アンド・ポムム ジュース)」を運営する、F&Pジャパン代表の西野です。

FICO & POMUM では、毎年2回、4月と10月にグランドメニューのアップデートをしています。この10月のアップデートの準備を振り返って2回に分けて記事にしていますが、今日はその後編です。

(前半はこちら)

3つの温度帯に対応するスムージー | F&Pジャパン株式会社
「ヘルシーファストフード」の本格スムージー専門店 「FICO & POMUM JUICE (フィコ・アンド・ポムム ジュース)」を運営する、F&Pジャパン代表の西野です。 FICO & POMUM ...
https://www.wantedly.com/companies/company_6068809/post_articles/357278


10/1 スタートしたグランドメニューの目玉のもう1つ、
「ブースターが23種類になってリニューアル」

新しくなったブースターメニュー表を店頭で改めて見て思いました。
「クレイジーな店だな!」 (いや、作ったのは僕ですが)

ブースターとは・・・
ナッツ・シード・スパイスなど、からだにうれしい効果のある栄養価の高い自然食材を、その日の気分や体調に合わせてスムージーに追加ブレンドできるオプションです。

「ファストフード」を銘打っているような店で、よくわからないナッツとかスパイスを20種類以上もカウンター上に並べてる店なんて、日本にあるでしょうか!?
(革新的な挑戦は、しばしば狂気と疑われます)


まともにABC分析 (商品の出数と貢献度を評価すること) をやったら、正直 Cランクばかりで、そんなもん23種類にも増やしてどーすんだ?
というのがフツーの飲食店の考え方です。

これまでに何人ものコンサルさんたちとお付き合いさせていただきましたが、このオプションラインナップを見るや皆さん、口を揃えて言います。

「これは早く辞めるべきですね」

周囲からも、色々言われてきました。

「こんなの、一部の健康オタク用でしょ?」
「なんで粉なんて売ってるの?」
「正直、なんだかよくわからない」

スーパーフードをはじめ、「スムージーにオプションを追加できる」という提案は2013年の創業時からやっています。
創業当時、スーパーフードオプションの被オーダー率 (搭載率) は、ほんの5%前後でした。
「スムージー」ですら国内では満足に言葉が通じない当時、僕らがやっていることは全く理解されませんでした。


2017年に UberEats がスタートすると、搭載率は顕著に上がりました。
オンラインの注文画面遷移では必ずオプション選択が目に止まってじっくり選ぶことができるからです。
そして地道にコツコツと足元の提案をし続け、今では店頭で平均20%、オンラインでは平均40%まで上がっています。これは本当に誇らしいことに思います。
ですが、まだまだ市場がついてきているというところまでは行っていません。
この「ブースター」、本当にどこまで行ってもF&Pとしてはチャレンジ領域なんです。

創業当時から、外国人のお客様からの支持は圧倒的に高かったです。
外国人のお客様は、スムージーをオーダーした後にアーモンドやらターメリックやらほいほいと選んで苦ともせず自分流にカスタマイズしていきます。

この「選ぶ」というところ、日本人には非常にハードルが高い。
日本の方は、「これがおすすめですよ」と言ってあげると「じゃあそれで」となりますが、何十種類もの食材を並べてどうぞ、と言うとどれをどう選んだらいいのかがわからないのです。

食べものを選ぶ力を私たちは「食選力」と言っていますが、日本で人々の「食選力」を高めていくことこそはF&Pジャパンのミッションそのものです。
ですからこれは、日本市場への飽くなき挑戦でもあります。
5年後の日本の食の未来を僕たちが創っていく、という気概でやっています笑。

食の楽しさを伝えることが、どんな食育においても最低限のマナー。
これら自然のままの栄養豊富で健康的な食材には、もちろん様々なからだにうれしい効果があります。
しかし真に訴求すべきは「選ぶことの楽しさ」。自分で食を選ぶことが苦手な日本の方たちに、カスタマイズすることで生まれる楽しさをまず伝えたい。
そこから新しい習慣、食育が始まります。

普通はマーケットのニーズを捉えてマーケットインで商品を作るのが教科書に載っているセオリーです。
しかしこの「ブースター」にまつわる部分、僕らがやってきたのはこうすべきだ、こうあるべきだ、というものを思い込みで一方的に提案することをずっとやり続けている。
顕在化していないニーズを商品化してプロダクトアウトで売る、ともすればものすごいエゴな行為です。


「文化を創る」と決めた以上、マーケットに媚びない。
ときには人々を正しいと思う方向に導いていく気概がなければ、文化は創れないと思うのです。(バランスが大事ですね)

さて、これまで散々、売れないだ辞めちまえだ言われてきたこのブースターですが、F&Pとしては世の中に先駆けてここまで育ててこれたことを誇りに思います。
ここから先、もっともっと伸びていくように施策しなければいけませんが、ちょっと目立ってきたらそのうちまたすぐみんな真似をしてくるでしょう。

それまでは批難されながらも苦労して実現して苦労して育ててきたものを、少し目立つと今度はいともたやすくコピーされてしまう・・・。
世の中そんなもんで、これまでに何度もそんな経験はしましたが、きっとこれは「文化を創る」上では宿命で、それでもなお F&Pは挑戦を止めません。

F&Pジャパン株式会社's job postings

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from F&Pジャパン株式会社
If this story triggered your interest, have a chat with the team?