MODEは、現場のリアルタイムデータや既存システムのデータを一元的に統合し、業務効率化や安全性向上を実現する「BizStack」を開発・提供する、シリコンバレー発のスタートアップ企業です。日々新しい挑戦に満ちたフィールドで、私たちは「次世代の社会を支える力」になりたいと願っています。
最先端の生成AIを駆使し、現場特化型AIアプリケーション『BizStack Assistant』を生み出すエンジニア、廣部 圭一さん。今回は彼に、日々の開発現場で感じるリアルと、この仕事ならではの魅力を語っていただきました。
目次
生成AIと機械学習を横断するリアルプロダクト開発の舞台裏
—簡単な自己紹介と、これまでのキャリアについて教えてください
—MODEに入社した理由は何でしたか?
—今関わっているプロダクト(BizStack Assistant)について教えてください
技術の最前線で、英語で、試行錯誤しながらつくるAIプロダクト開発
— 生成AIを使った開発の中で、どんな面白さ・難しさがありますか?
— 技術的に印象深いプロジェクトはありますか?また、どのように取り組みましたか?
— 英語での開発について感じていることは何ですか?
“本当に助かった”の声がやりがい──現場に寄り添う技術者の想い
— チームの雰囲気、自律性、仕事の進め方などについて教えてください
—「こんな人と働きたい」という理想像はありますか?
—Keiichiさんにとって、働く楽しさとは何ですか?
— この記事を読んでいる未来の仲間へメッセージをお願いします。
— ありがとうございました!
生成AIと機械学習を横断するリアルプロダクト開発の舞台裏
—簡単な自己紹介と、これまでのキャリアについて教えてください
廣部:BizStack Assistantチームでエンジニアをしています、廣部(ひろべ)と申します。エンジニアとしてのキャリアはちょうど10年ほどになります。新卒で入社した受託開発会社では、約5年間フルスタックエンジニアとして幅広く手を動かしてきました。その後はFinTech(フィンテック)業界に転身し、バックエンドエンジニアから始めて、最終的にはチームを超えたリードエンジニアとして開発の指揮を執るまでに至りました。
—MODEに入社した理由は何でしたか?
廣部:エンジニアとして10年ほど経験を積んできましたが、「普通のWeb開発だけでは物足りない」と感じていました。IoTは従来のWebシステムとは異なる技術領域で、自分にとって未知のチャレンジだったため、大きな魅力を感じたのが入社の大きな決め手です。
もうひとつは英語環境です。英語スキルを向上させたいと思っていたので、グローバルなコミュニケーションが日常的に求められる環境で働きたいと考えました。IoT領域かつ英語環境という両方の条件を満たす企業として、MODEに強く惹かれました。
—今関わっているプロダクト(BizStack Assistant)について教えてください
廣部:MODEに入社したのが自分2023年の8月ですが、ちょうどその頃から会社として生成AIを使ったプロダクトに着手し始め、自分もそのプロジェクトに関わることになり、本当に何もない状態から関わっています。
BizStack Assistantは、Slackや Teams、directなどのチャットプラットフォームで、自然言語をもとに社内データを取得したり、持っているナレッジを理解してユーザーに答えてあげる機能です。リリースまで半年ほどで作り上げたシステムですね。
その後もアラート通知やフィードバック機能などを追加しつつ、現在はユーザーが明示的に質問するのを先回りして、エージェント側で提案できるようにする“先回り型”機能の実装を目指しています。最近は、より一層現場の課題を解決できるような機能開発に注力しています。
技術の最前線で、英語で、試行錯誤しながらつくるAIプロダクト開発
— 生成AIを使った開発の中で、どんな面白さ・難しさがありますか?
廣部:まず前提として、生成AIを使った開発というと、多くの方は「バイブコーディング」でエディタ上にコードを自動生成したり、社内用チャットツールにLLMを組み込んだりするイメージを持たれると思います。しかしMODEでは、LLMを活用したクラウドプロダクトを外部に提供するという点で、一般的なイメージとは少し異なります。要するに、“生成AIを使ったプロダクト開発”そのものを行っているわけです。
面白さは、その未成熟な技術トレンドの最前線に立てることです。日々新しいツールやライブラリが登場し、常にキャッチアップが求められるダイナミズムがあります。一方で難しさも同じところにあります。どの技術を選定すべきか、運用のベストプラクティスがまだ確立していない業界であるため、プロジェクトごとに最適解を探し続けなければなりません。半年前に最先端だったものが、あっという間に陳腐化してしまうこともあるので、そのスピード感についていくのは大変ですが、そこがまさに醍醐味でもあります。
— 技術的に印象深いプロジェクトはありますか?また、どのように取り組みましたか?
廣部:最近取り組んだ中で特に印象深かったのは、駐車場や出入り口に設置したカメラ映像をリアルタイムで解析し、通過した車の車種や台数を判別して通知する機能の開発です。
この機能は純粋にLLMの画像分析だけでは実現できません。というのも、LLMでは1フレームあたり早くても数秒はかかってしまい、リアルタイム処理に全く向いていないからです。必要なのは30ミリ秒~40ミリ秒での即時判定です。
そこで既存の機械学習モデルを活用し、リアルタイム性を確保しました。私は機械学習エンジニアではありませんが、最小限のキャッチアップにとどめつつ、プロトタイプを素早く動かせることを優先し、必要な知見を効率的に学びながら進めました。
一方で、LLMの強みは「事前学習が不要」な点です。従来の機械学習では、用途に合わせたデータ収集やモデル学習に時間がかかりますが、LLMなら車種をあらかじめ定義しなくても、その都度柔軟に判定できるのが魅力です。
このように、生成AIと従来技術を組み合わせることで、両者の強みを最大限に生かしたプロダクトを実現できたのが、非常に面白く、かつチャレンジングな経験でした。MODEとしても、機械学習を活用した初の大規模プロダクトといえる試みだったと思います。
— 英語での開発について感じていることは何ですか?
廣部:入社直後はチームメンバーが日本人だけだったため、英語を使う機会はほとんどありませんでした。しかし最近は、日本人以外のメンバーが加わり、英語でのコミュニケーションが日常になっています。
楽しさとしては、国籍や文化の異なるメンバーと意思疎通できる点ですね。英語でアイデアを交換しながら共同開発する経験は、日本人同士だけでは得られない刺激がありますし、自分自身の語学スキル向上にも大いに役立っています。
一方、難しさはやはり“伝えるまでの時間”です。ミーティングの進行速度は母語同士の半分程度に感じられることもあり、特に技術的なディスカッションはハードルが高いです。日本語でも専門的な内容のやり取りは難しいですが、それが英語になるとさらに正確な語彙選びや言い回しが求められ、慎重さが増します。
幸いMODEの非日本人メンバーは、日本人の拙い英語にも寛容で、わかろうとしてくれる文化があります。ただ、自分がサンフランシスコオフィスに出張した際、現地の方との会話では伝わらず心が折れかけたことも(笑)。そんな経験も含めて、英語環境での開発は大きな成長の機会だと感じています。
“本当に助かった”の声がやりがい──現場に寄り添う技術者の想い
— チームの雰囲気、自律性、仕事の進め方などについて教えてください
廣部:今のBizStack Assistantチームは、プロダクトオーナーとエンジニア4,5名、および最近立ち上がったカスタマーサクセス部門からの現場からのフィードバックを受け優先度を決めつつ開発しています。。BizStackのプラットフォームに影響があるような変更などは、CTOのEthanとミーティングで共有しますが、LLMに関する仕様や技術的な判断は基本的にチーム内で自主的に決定しています。コードがまだコンパクトなのと、プロダクト自体が“スピード重視”のフェーズにあるため、自律性高く動ける環境です。
MODEでは2ヶ月ごとに全社的なゴールを設定し、そのタイミングで開発方針が発表されます。BizStack Assistantには常に多様な要望が寄せられるため、その都度チーム内でインプットを吸い上げ、優先順位をつけて対応しています。手探りの開発が多い分、柔軟性や意思決定のスピードが求められるのが特徴ですね。
モデルが増えたり、LLMのAPIが新機能をサポートするたびに、プロダクトで活用できる範囲が広がっています。その度にチームで検証を行い、より価値の高い機能開発につなげています。
—「こんな人と働きたい」という理想像はありますか?
廣部:まず、開発の優先順位が頻繁に変わる中でも柔軟に対応できる方が理想ですね。スピード感を持って動くことをポジティブに捉え、日々新しい技術を学び続けられる“勉強好き”な姿勢を重視しています。
また、意見を発信するだけでなく、それを形にするまで責任を持ってやりきれる方。アイデアの実現にコミットし、最後まで走り抜ける行動力のある人と一緒に働きたいですね。実現プロセスを楽しみながら、チームとともに成長できる方を歓迎します。
—Keiichiさんにとって、働く楽しさとは何ですか?
廣部:6月に、人生で初めて出張に行ったんですよね。お客さんのもとに行くことはあるんですけど、新幹線に乗って実際の現場を訪問する出張は初めてでした。そこで開発したものをお客様に見ていただいたとき、「めっちゃすごくない!?」みたいな反応をいただいて、本当に嬉しかったです。
これまではプロダクトマネージャー経由で「こんな評価があったよ」と聞くのがほとんどでしたが、今回は自分の耳で、目で、その反応を感じられたのが新鮮でした。
前職ではBtoCサービスを手がけ、自分自身もユーザーとして「これ欲しかった!」という喜びを味わっていましたが、MODEでは“困っている人”がはっきりいて、その人たちの業務効率などの課題に貢献できている。その方々に喜んでもらえているのは嬉しいですね。
— この記事を読んでいる未来の仲間へメッセージをお願いします。
廣部:最近は「とりあえずLLMを使おう!」というだけでプロダクトを作る会社も増えていますが、MODEでは解決すべき課題がすでに明確に存在しています。だからこそ、やるべきことは山ほどあって、「助けてほしい!」という場面が日常的にあります。
もしあなたが「新しい技術で実際に価値を届けたい」「課題解決にコミットしたい」と思うなら、ぜひ力を貸してください。一緒に、BizStack Assistantを、より現場に近い存在に進化させましょう。
また、LLM Opsや運用のベストプラクティスはまだまだ手探り状態です。こうした知見をお持ちの方、あるいは一緒に試行錯誤してくれる方が加わってくれると、本当に心強いです。未完成だからこそチャレンジし甲斐があるフィールドで、一緒に成長していきましょう!