こんにちは、MENOU採用担当です。
今回はカスタマーサクセスチームの佐藤さんにインタビューしました。
佐藤さんは、外観検査を自動化するAIシステム「検査AI MENOU」を実際の製造現場で活用してもらうため、導入支援の最前線に立ち、お客様と伴走しながら現場稼働を実現する役割を担っています。そのリアルな日常とやりがいをお届けします!
――MENOUに入社するまでのキャリアについて教えてください。
小さいときからモノづくりが好きだったので、その延長で高等専門学校への進学を選び、学生時代も手を動かしてモノづくりをしながら過ごしていました。
高専の授業や卒業研究では、「軸受」という精密部品に触れる機会が多く、あまり知られていない部品ながら、モノづくりにおいて重要な役割を担っていることに興味を持ちました。高専卒業後は、工作機械向けに軸受を製造するメーカーに入社しました。
前職には約9年間勤め、入社して最初の2年は製造部門に配属となり、実際に工作機械や生産ラインを動かして製品を作っていくオペレーションを担当しました。
その後、品質保証部門では、新規製造ラインの立ち上げや品質保証体制の構築、ライン立上げ後の不具合未然防止や原因調査など、主に品質改善の業務をしていました。
――前職でのやりがいは何でしたか?
新規製造ライン立ち上げという一大プロジェクトに向けて、品質保証部門内はもちろん、生産管理や物流など多くの他部署とも連携しながら、組織全体で一つのラインを作り上げ、最終的に思っていたとおりに稼働できたときは、とてもやりがいを感じた瞬間でしたね。
――その仕事から転職をしようと思ったきっかけは何だったのですか?
品質保証という仕事を7年間行っている中で、将来的にはその知識をベースとして、さまざまな業界に対し検査の仕組みを提案し、日本の製造現場の品質向上に貢献できるようなキャリアパスにチャレンジしたいと思うようになりました。
転職活動を進める中でMENOUの求人を見つけたときには、「これだ!」と直感的に感じるものがありました。 前職でもさまざまな検査機に触れていましたが、当時の現場の外観検査機には、多くの課題がある印象を持っていたからです。
例えば、「人から見えている欠陥」と「検査機を通して見える欠陥」とでは、見え方が全く違っています。実際に手に取って製品を見たとき、「こう見れば欠陥は見えるはずなのに…」と思っても、カメラで撮ったら、“映らない”“検出できない”ということが多々あり、ジレンマを感じていました。
現場でも課題認識はあったものの、新しい技術の導入には慎重な姿勢があり、改善提案をしても実現には至りませんでした。
当時から、「外観検査機にAIカメラを導入できれば、もっと精度の高い検査ができるはずなのに…」という思いが強く、その気持ちは自分の中でずっと残っていました。
そんな中で、面接前にCEO西本のピッチ動画を見て、自分がかつて感じていた課題に真正面から取り組んでいる姿勢に強く共感しました。
「MENOUでなら、本当に検査を変えられるかもしれない」と、まさに運命的な出会いだと感じた瞬間でした。
選考を通じ、役員やカスタマーサクセスチームのメンバーと話をする中で、実際に提供しているサービスやこれから目指す方向性も、まさに自分が前職で“やりたかったこと”と一致していると感じました。
『一人では実現できずにいた想いや情熱を、MENOUなら実現できる。』
そう確信し、自分の中でくすぶっていた意欲がかき立てられ、入社を決意しました。
―― 強い想いを持って入社されたのですね。反面、新しい環境に飛び込むことへの不安はありませんでしたか?
大きな不安はなかったです。ですが、自分はこれまで軸受という製品に特化した業界でしか経験がなく、そこでの知識や経験だけで、MENOUが関わる製造業だけではなく、食品や医療といった幅広い業界に通用するのかという不安はありました。
でも入社して、その不安はすぐに払拭されましたね。
―― では、MENOUに入社してからのお話を聞かせてください。
入社してまず3ヵ月は、「お試し検証」を担当しました。お試し検証は、お客様からお預かりした欠陥サンプルに対して、最適なカメラや照明の撮像条件を検討し、欠陥がきちんと撮像できるようにします。
その後、撮像した画像データを使ってAIによる検証を行い、お客様に結果をご報告します。
最初は上司と一緒に業務にあたり、報告も上司が担当する場に同席して学びました。その後は、サポートを受けながら自分が報告を担うようになり、徐々に一人で完結できるようステップを踏んでいきました。
お試し検証の件数が多いときもありましたが、さまざまな業界のお客様と接する機会を重ね、軸受以外の業界でも自分のノウハウが活かせるのだと自信を持つことができました。
―― 入社当初にぶつかった壁などあれば教えてください。
一番苦労したのは、お客様とのコミュニケーションです。
前職では社外の方と関わることがほとんどなかったのですが、MENOUではお客様とのやりとりが非常に多く、しかも業界や知識レベルもさまざま。その中で、「どのような伝え方をすれば伝わるか」を常に意識する必要があり、言葉選びにとても苦労しました。
特に印象的だったのは、お客様からの技術的な質問です。
「どうやってこの欠陥を撮像したのか?」
「なぜこういうふうに映っているのか?」などです。
入社当初は自信を持って答えられない場面もありましたが、知識や経験を積むために、意識的にお客様と対話する機会を増やしました。お客様と接する機会を重ねることで自らの引き出しが増え、徐々にお客様とのやりとりにも自信を持てるようになっていきました。
―― 今はどのような業務をされているのですか?
現在は、検査AI MENOUを導入いただいたお客様に対する導入支援を担当しています。お客様の現場設備を確認させていただいた上で、カメラや照明等の選定・設置、検査方法のご提案など、導入支援を一貫して行っています。
カスタマーサクセスの仕事の面白い点は、実際にお客様の現場工程に立ち会えるため、今まで見たことのない業界のモノづくりに触れられることです。
普段の生活では目にすることのない製品を扱っているお客様を担当し、その製造工程や、微小な欠陥を目視検査している様子を間近で見ることができるのは、モノづくり好きの自分にとって新鮮で楽しいです。
一方で、お客様によって環境や課題、求めていることがさまざまなので、ご要望に合わせた最適な解を提案することが難しくもあり、やりがいでもあります。
私の中でMENOUのカスタマーサクセスとは、「導入して終わり」ではなく、「お客様が本当に使い続けられる検査装置を実現するための第一歩をお手伝いすること」だと考えています。
―― 前職の経験はどのように活かせていますか?
製品の欠陥(凹みや傷)の形を見て、そこから「どのような工程で、どのように発生したのか」をすぐにイメージできるという点が、前職の経験が大きく活きているところですね。
特に、生産ラインに入って業務をしていた経験の影響が大きかったです。機械を動かしながらモノを作る現場の近くで働いていたため、注意点や作られる工程を自分の目で見て学ぶことができていたと思います。
例えば、お客様の製品の傷を見ると「どの工程でついた傷なのだろう…」と、生産ラインの工程の色々な場所が頭に浮かびます。 その際に私がまず着目する点としては、“傷の場所”“傷の形状”という欠陥の特徴をしっかり捉えることです。
「ここに傷がつくということは、前の生産工程で何か不具合が生じている可能性があります。もう少し前の工程に検査を入れて、早めに検出しませんか?」と、現場の感覚に近い意見でお客様に提案することができます。
―― お客様と信頼関係を築く上で、大切にしていることはありますか?
お客様に安心してもらうには、お客様に必要な情報と、何が不安要素であるのかを丁寧に探る必要があります。お客様の“本音”を引き出すことこそ、カスタマーサクセスのやりがいだと感じています。
私が担当しているお客様は、1人で外観検査を担当されている方が多く、現場や上司からの要望に1人で対応しなければならず、悩んでいる方もいらっしゃいます。
MENOUのカスタマーサクセスである私は、お客様から見ると外部の人間ではありますが、同じ目標に向かって並走し、寄り添うことを大切にしています。一緒にお客様の検査課題に向き合うことで、お客様の不安も軽くなり、気軽にメールや電話でご相談をいただく他にも、普段話せないようなことも話してもらえる関係性を築けています。
―― 実際にどのようなヒアリングから提案をされたのか一例をお聞きしてもいいですか?
あるお客様は、すでに検査カメラを導入して外観検査をしていましたが、一部の欠陥が検出できないという課題をお持ちでした。
すでに検査カメラはお持ちでしたので、AI解析の部分を当社のプロダクトに置き換え、解析のご支援をさせていただく形でスタートしたのですが、お客様とやり取りを重ねていく中で、製品の側面にあるシリアルナンバーと検査結果を紐付けて見たいという、欠陥検出以外の新たなご相談がありました。
詳しくお話を聞いていくと、すでにシリアルナンバーを読み取るシステムはお持ちだったので、そのシステムと検査AI MENOUを連携できれば実現できるのではと考え、社内のエンジニアチームに相談。
他の現場でも応用可能な機能ということもあり、シリアルナンバーを読み取って検査結果と紐づけられる機能を新たに共通機能として検査AI MENOUに追加し、お客様のご要望の解決策として提案しました。
結果として、お客様の課題を解決でき、大変喜んでもらえましたね。
その他にも、お客様とのコミュニケーションを重ねる中で、隠れた課題をお伺いすることがあるのですが、MENOUはお客様のかゆいところに手が届くようなサービス提案を行っています。
お客様の隠れた課題を話していただけたり、見つけたりしたときは、私自身も話していただけたことの嬉しさや、課題解決できたことの達成感を感じ、より一層やりがいを感じることが出来ています。
――システム連携を含めた提案もされているのですね。製造業ご出身として、IT関連の知識で悩んだことはありませんか?
カスタマーサクセスとしては、やみくもにIT関連の知識を身に着けるよりも、「お客様の課題を正しくヒアリングすること」が大切だと考えています。課題に対して、検査AI MENOUを用いて適切に提案する力が求められます。
検査AI MENOUは、月に2回という超高速スパンで新機能がリリースされるため、自分自身がそれをきちんとキャッチアップし、お客様にご提案できるようにする必要があります。
自分の領域ではなかったとしても、「これは自分では触っていないのでわかりません」なんてことはもちろん言いません。まずは自分が実際に触ってみて、わからない部分は開発担当に確認しながら、自分の言葉で説明できるようにしています。
新機能をお客様に「実は、それできます!」とご提案する際は、私自身も嬉しいですね。お客様の反応も、エンジニアチームに共有して、さらに良いシステム作りに役立ててもらっています。
―― カスタマーサクセスはコツコツとお客様の信頼を積み重ねていき、 お客様の反応からやりがいや達成感を得られるお仕事ですね!
さて、カスタマーサクセスメンバー間の日常のコミュニケーションについてもお聞きしてもいいですか?
お客様が抱えている課題に対してより幅広い選択肢から最適解を提案するため、カスタマーサクセスチーム内での情報共有も頻繁に行われています。
出社して直接会話をすることも多いですし、チャットツール(Slack)やバーチャルオフィス上でも日常的にコミュニケーションを取っています。
出社時には、各自が担当している案件の進捗状況や困りごとの共有、進め方の相談、撮像構成や検証に関する意見交換を行っています。
先ほどもメンバー同士で、「新しいカメラの仕様ってどう?」「こういう場面ではどの照明が一番適しているかな?」といった会話で盛り上がっていました(笑)。
また、お客様支援のアイデアについてチャットで相談したり、雑談のような雰囲気の中でアイデアを出し合ったりもしています。
―― お客様とのやり取りの中で営業チームと連携を取ることも多い印象ですが、どのようなコミュニケーションを取っているのですか?
カスタマーサクセスの役割範囲は、受注後からのイメージが強い方もいると思いますが、MENOUでは、受注前から営業と連携してお客様の課題解決に向けて取り組んでいます。
特に技術的な課題に対する対応はカスタマーサクセスが担うことが多く、頻繁に営業チームと情報共有をしています。
例えば、お見積を提出する場面では、お客様の外観検査環境を加味する必要があるので、カスタマーサクセスがお客様から基盤構成や機器選定状況をヒアリングし、配線図を書くなど、営業チームと連携しながら進めています。
―― まさにカスタマーサクセスは全社のハブとして、エンジニアや営業などと連携し、お客様との橋渡しをする重要な役割ですね!
そんなカスタマーサクセスのやりがいを、改めて教えてください。
お客様の実現したかった検査を、検査AI MENOUで実現することができたときが一番のやりがいですね。
その過程でもやりがいを感じる場面は多々あり、まずは検査AI MENOUを設備に組み込んでいただき、ラインを動かして検査できる状態に持っていけたときが最初の感動です。
次に、その状態が安定的に稼働するよう支援を継続し、徐々にMENOUが支援をしなくても、お客様だけで自然とプロダクトを使いこなし社内の別ラインや別工場に展開していただけるようになる。ここまでお客様と一緒に課題解決ができれば嬉しい限りですね。
―― 今取り組んでいることや課題などあれば教えてください。
個人だけでなく、チームとしても取り組んでいかなければいけない課題ですが、もっと新しい技術に触れて、それを早くキャッチアップし、お客様へ提案できるようになりたいですね!
MENOUは、外観検査を自動化・省人化するためのプロダクトにとどまらず、お客様の検査の課題に向き合うシステムを続々と開発しています。
欠陥が生じる前工程から改善するために歩留まりや不良発生箇所を可視化できる分析ツールや、検査AI MENOUとクラウドサーバーを繋ぎシステム状態確認やログ確認などをリモートで管理できる機能。
また現在は、検査に必要な人の「手」と「目」を再現するロボットなど、かなりのスピード感で新しいソリューションを検討しており、その度にカスタマーサクセスとしてどんどん新しい技術に触れることができるので、とても刺激的な日々です。
―― 最後に、どのような人と一緒に働きたいか聞かせてください!
チャレンジ精神や好奇心が旺盛な方ですね。 MENOUのカスタマーサクセスは、今までにない価値観や新たな付加価値を創造していく役割を担っていますし、そのためのさまざまなチャレンジが歓迎される環境です。そのため、貪欲にチャレンジできる人や、新しいことを楽しめる人と一緒に仕事をしたいですね。
また、世界トップクラスの日本のモノづくり品質をこれから先も守っていきたい、より高めていきたいと考える方だとより一層嬉しいですね。
お客様の心を動かす上で、モノづくりに対する熱い想いは大切だと思っています!