私たちG-genは、Google Cloud 専業インテグレーターであり、Google Cloud プレミアパートナーです。「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」をビジョンに、Google Cloud のプロフェッショナルとしてお客様に伴走し、お客様のビジネスの成功に寄与することを目指しています。
デジタル庁が整備する「ガバメントクラウド」は、国や地方自治体が共通して利用できるクラウド基盤で、迅速性や柔軟性を活かしつつ、高いセキュリティとコスト効率を両立させることが求められるプロジェクトです。G-genは2023年よりGoogle Cloud領域の開発・運用パートナーとして参画しています。
今回は、本プロジェクトで開発リーダーを務める武井さんに、エンタープライズ案件ならではのやりがいや、クラウドセキュリティ領域に携わる魅力について伺いました。
【プロフィール】
武井 祐介:2022年入社。クラウドソリューション部所属。Google Cloudのセキュリティ・ガバナンス領域を担当し、現在はデジタル庁のプロジェクトにて開発リーダーを務めている。
ガバメントクラウド全体のセキュリティ構築に挑戦
――まず、武井さんのこれまでのキャリアと、G-genに入社されたきっかけを教えてください。
前職では、AWSやオンプレミスのサーバー、ネットワーク機器を中心にインフラエンジニアとして経験を積んできました。ただ、当時はGoogle Cloudに触れたことはありませんでした。
G-gen(合併前)は2021年8月に設立されたばかりで、まさに立ち上げ期の真っ最中。単に技術を磨くだけでなく、「会社をつくっていく」側の一員になれる環境に惹かれ、入社を決めました。
――入社後、どのように役割が変化していったのでしょうか。
入社1年目は、セキュリティやクラウドの統制に関する案件を担当していました。2年目以降はデジタル庁様のプロジェクトにアサインされ、現在まで約3年ほど継続して関わっています。最初は開発メンバーとして参加していましたが、現在は開発リーダーとして開発全体をリードし、メンバーの進行管理や技術面でのサポートを担う立場へと役割がシフトしてきました。
――現在携わっているデジタル庁のプロジェクトについて教えてください。
デジタル庁が推進する「ガバメントクラウド」は、国や自治体の職員が利用するシステムを支える共通クラウド基盤です。Google Cloud、AWS、Microsoft Azure、Oracle、さくらインターネットの5つのCSP(クラウドサービスプロバイダー)で構成されており、利用者はニーズに応じて最適なクラウド環境を選択できます。
G-genはその中でGoogle Cloud専業のインテグレーターとして、Google Cloud領域の構築・運用を担当しています。利用者向けの機能開発だけでなく、ガバメントクラウド全体を統合的に管理する機能の開発もGoogle Cloud上で行われており、その設計・実装・運用に深く関わっています。
プロジェクトには、各CSPの専門ベンダーや、デジタル庁のエンジニアの方々が連携して取り組んでいます。G-genからは大きく2つのチームが参画しており、私が所属するガバナンス系チームは6名体制で、主にセキュリティやアクセス管理といった全体統制に関わる領域を担当しています。
スクラム開発体制で短期間で成果を最大化
――アーキテクチャ設計において、特に意識したポイントを教えてください。
最も重視しているのは、「マネージドでモダンな、セキュアかつ低コストなアーキテクチャ」を実現することです。クラウドベンダーが提供するマネージドサービスや、最新の技術トレンドを積極的に活用しながら、セキュリティとコストの最適化を両立できる構成を常に模索しています。
新しい機能やサービスを設計する際も、まずはこのアプローチを起点に考えます。ガバメントクラウド全体としても同様の方針が明確に定められており、その方向性に沿って、より良い形で技術を実装していくことを心がけています。
――プロジェクトはどのように進めてきましたか?
デジタル庁のエンジニアの方々と協働しながら、スクラム開発体制でプロジェクトを進めています。1〜2週間単位のスプリントを区切りに、「今やるべきこと」「次に目指す方向性」「リリースのタイミング」などを密に議論しながら進行していく形です。
私の役割は、その方針に基づいてチーム全体を統括し、プロジェクトが円滑に進むようにマネジメントすることです。状況に応じてプレイングマネジャーとして、自ら設計や構築に携わることもありますが、基本的には開発チームの推進役として、技術面と進行面の両方からリードしています。
――チームをまとめるうえで意識していることは?
まず技術面では、「セキュアで低コストなアーキテクチャでお客様の課題を解決する」という共通認識をチーム全体で持つことを大切にしています。
そして何より重視しているのは、“当たり前のことを当たり前に、お客様に対して誠実にやり切る”姿勢です。ガバメントクラウドは社会的意義の大きいプロジェクトで、利用者も非常に多く、お客様から求められる品質水準も高い。その分、開発スピードも速く、難易度の高い場面も少なくありません。だからこそ、誠実さと着実さを大切にしています。
技術的な制約や難題に直面することもありますが、そこで「できません」で終わらせることはありません。別のアーキテクチャで実現できないか、他の方法で解決できないかを、お客様とも丁寧に議論しながら積み上げていく。その地道な積み重ねこそが信頼につながり、3年目を迎えた今も継続して任せていただけている理由だと感じています。
G-genで挑むエンタープライズセキュリティ案件の魅力
――エンタープライズ案件ならではの難しさややりがいは何でしょうか?
要求水準が高く、開発スピードも速い点は、たしかに難しさとして挙げられます。ただ、同時に、エンタープライズ案件の醍醐味でもあると感じています。マネージドでモダン、セキュアかつ低コストなアーキテクチャ設計の要件を満たしつつ、短いサイクルで開発を進める点に、Google Cloud専業ベンダーとしての知恵と工夫の出しどころがあるんです。
チームで練り上げたアイデアをお客様に提案し、納得・満足いただけた瞬間には、大きなやりがいを感じますね。さらに、ガバメントクラウドは社会的意義の高いサービスであるため、自分たちの技術力が社会に貢献していることを実感できる点も、達成感につながっています。
――プロジェクトを通じて、どのような成長を感じていますか。
入社当初は、与えられたタスクをこなす開発メンバーでした。しかし今は開発リーダーとしてプロジェクト全体を見渡す立場になり、技術力だけでなく、お客様のニーズを正確に汲み取り、対話する力が大きく成長したと感じています。
エンジニアの仕事は、技術力があって手を動かせればよい、というものではありません。技術やサービスはあくまで手段であり、本当に重要なのはお客様が何を達成したいのか、その目的に対して最適な方法は何かを考えることです。本案件を通じて、その視点の大切さを改めて学ぶことができました。
――クラウドセキュリティ領域は、今後どのように進化していくと考えていますか?
現在、多くの企業が複数のクラウドやSaaSを利用しており、それらを一元管理しながらセキュリティ対策を行うことが重要になってきています。例えば、AIを活用してリスクや脆弱性、攻撃を検知し、自動で対応するソリューションが注目されています。
Google Cloudでは、GeminiなどのAI技術に加え、YouTubeやGmailなど大規模コンシューマー向けサービスの運用で培ったセキュリティノウハウも活用されています。複数の環境からセキュリティ情報を統合管理し、自動で対応する仕組みが、今後のクラウドセキュリティにおける重要なポイントになると考えています。
――G-genでエンタープライズのセキュリティ案件に関わる魅力は何でしょうか?
当社はGoogle Cloudのプレミアムパートナーであり、この最上位パートナーであること自体に大きな優位性があります。さらに、セキュリティ領域のスペシャライゼーション認定も取得しており、今後ますますこの分野での期待が高まると感じています。
エンタープライズのお客様のセキュリティ案件は、社会的意義や使命感の強い仕事です。G-genではこのような重要案件に携わる機会も多く、責任感や達成感を味わえる点も魅力だと思います。
オープンな対話とポジティブマインドが根付く職場
――G-genの社風やカルチャーについて教えてください。
G-genは、とてもフラットでオープンなコミュニケーションが特徴の会社です。年齢や役職にとらわれず、誰とでも自由に意見を交わせる雰囲気がありますね。
また、Googleのカルチャーにある「失敗を叱責しない」文化も根付いています。失敗を責めると次のチャレンジが萎縮してしまうため、業務での失敗も学びの機会として共有し、互いに学び合い次に活かすポジティブなマインドを大切にしています。
さらに、G-genはフルリモートの働き方を採用しており、北海道から沖縄まで多様な地域の社員が在籍しています。Slackを活用した円滑なコミュニケーションにより、場所に縛られず柔軟に働きながら専門性を高められる点も大きな特徴です。
――G-genではどのような人が活躍していますか?
まず、誠実さを持った人です。フルリモートの環境で、チームメンバーと協力・信頼しながら成果を上げるうえで、特に重要な要素だと考えています。そして、コミュニケーションを大切にできる人。社内メンバーはもちろん、お客様ともオンラインでしっかりやり取りができ、その過程を楽しめる方が向いています。
技術的に難しい課題も、一人で抱える必要はなく、チームで協力して最適な答えを導くことが重要です。互いに信頼し合い、誠実に向き合える方とぜひ一緒に働きたいですね。