社員からの一対一の聞き取りの中で「評価制度がないから頑張っても報われない。やってない人と同じ給料ならやっても無駄」というものが異口同音で沢山出ていました。目を見張る活躍を見せても評価してもらえなかったり問題行動が放置されたりする大きな原因が「評価制度がない」ことでした。
タイのKNTでは数年前、人事のプロフェッショナルにも入って頂き大きな人事制度改革を行った結果、問題行動が大幅に減り、社員の満足度も大幅に向上したため、タイでの制度をベースに日本でも評価制度を取り入れることになりました。令和会議の分科会として別組織を作り、少人数で数ヶ月にわたって検討を進めていきました。タイは400人弱という大きな組織、対する日本はすべての事業所・営業所のパート社員を含めて50人程度なので規模の違いはあるものの、根幹となる考え方はあまり変わらないため、ひとつひとつの内容を日本の内容にすり合わせる形で比較的スピーディーに作ることができました。
タイで重要視したのは「バリュー(行動指針)の遵守度合いを評価に含める」ことでした。タイでは①遊ぶ、②挑戦する、③誠実である、④向上心を持つ、⑤タイムリーであるという5つのバリューを定め、それをパフォーマンスやコミットメントといった項目と同じ割合で評価するシステムにした結果、例えば「成績は出すけど言うことを聞かないトップパフォーマー」の問題行動を会社のバリューに合わないものとして正しくフィードバックすることができるようになったりしましたし、そもそもこのバリューに合わない人は会社を去っていくことになったり、逆にバリューを体現している人のことを一年に一度表彰することでバリューの奨励を進めており、本社でもこれを踏襲しました。みんなで色々な意見を出し合って決めたノムラ化成のバリューは①笑おう、②前を向こう、③タイムリーであろう、④任せ、任されよう、⑤誠実であろう、の5個で、ふたつはタイと共通のものです。
ノムラ化成は9月決算なので早速10月からこれを運用開始することになりました。最初はタイでも問題だらけでしたが、経営陣が真剣に向き合って運用を進めることで浸透するという自信があります。会社がどのように変わっていくか楽しみです。