どうも。
昨年3月に「AIとテクノロジーでタイNo.1工場に俺はなる!」という大風呂敷を広げたという記事を書きました。あれから1年弱、どうなっているかというと、結構そのポジションが取れそうな気がしてきています。
カイゼン活動の中にAIとデジタルのカテゴリーを取り入れてみた結果
2025年に日本のノムラ化成でカイゼン活動を開始したのですが、タイのKNTでは10年以上も前からこの活動を行っており、現在では毎年4000件ものカイゼントピックが従業員の皆から出されるなど、会社文化として成り立つレベルにまで根付いています。会社としてAI活用に取り組むにあたり、この文化を土台として大いに活用することにしました。具体的には月に一度のカイゼン報告会でAIとデジタルのカテゴリーを加えたのですが、これによって日々の業務カイゼンにAIという強力な武器が備わったのです。12月にカイゼンアワードを行った際にその活用度合いを目の当たりにしたのですが、その中でも20代の女性工場オペレーターさんの発表には度肝を抜かれました。
「Geminiに業務の悩み事を相談するのが当たり前になってきた。その中で毎日2時間も掛けてまとめている生産実績報告作業の効率化を相談したら、コードを書いてウェブアプリを一から作ることを提案された。Geminiがコードも全部書いてくれて、そのアプリを実装したところ、2時間の作業が15分に短縮された」
彼女とGeminiが出会わなかったとしたら、おそらく紙の数字をエクセルに打ち込む作業をひたすら日々やっていたことでしょう。元々がそういう役割での採用なので、会社も彼女も疑問を感じることはなかったでしょう。それがAIという武器を渡したらここまで自由に物事を考え、実際の業務改善にまで落とし込むことができたわけです。この考えに至ったとき、「これは外部にきちんと知らしめるべきだ」と思い立ち、KNTが入っているLatkrabang工業団地でセミナーを開催することにしました。
無名の中小製造業のセミナーに65名の参加者
1月30日に開催したセミナーでは、タイ人と日本人合わせて65名が出席してくださいました。またその参加者の中身も想像を上回るもので、日本の金融機関、タイのデジタル振興庁、大学理事、ストリートスマートのパートナーであるTrue(現地最大手通信企業)からGoogleタイの人までが来てくれました。そしてその後の反響も大きく、実際にデジタル人材育成のコンサルティングの相談や会社見学の問い合わせが多く入っています。これまでオンラインセミナーは何度も開催しましたが、リアルのセミナーでここまで反響が大きいとは予想していませんでした。
AIという領域はまだまだ成功事例が少なく、それも製造業という限られた業界の中では一部大手企業が先進的な試みを行っている以外、中小規模ではなかなか同じような話が聞けないため、「まずはどういう話か聞いてみよう」ということでこれだけの参加者さんにお越し頂けたのではと思います。多分このまま突っ走っていけば「タイでデジタルが一番進んでいる中小製造業といえばKNT」と思ってもらえる世界が現実になる、そう改めて思いました。
次回はタイ最大の工業団地で
もちろん初めての自社主催セミナーということで反省点も多くありました。例えば会場の冷房が効きすぎて寒すぎるとか(タイあるある)、その他イベント進行でももっとうまくやれるはずと思う点は沢山でした。これらを踏まえ、次回はタイ最大の工業団地であるアマタシティ・チョンブリで再度アップデートした内容をお届けするセミナーを開催予定です。今後はこのように各地の工業団地を回っていくツアーをやっていきます。そして同時に我々も自分たちをアップデートし続けなければ、今身につけたスキルなどすぐに陳腐化してしまいます。これからも製造業 x デジタルで唯一無二の存在になれるよう精進していこうと思います。