会社が大きくなることは、仲間が増えることです。
同時に、それまで見えていなかった課題が、次々と姿を現すことでもあります。
NoLimitの成長過程で直江が特に苦しかったと振り返るのは、信頼していた人が突然いなくなったことや、会社の方向性とメンバーの価値観が合わず、別の道を選ぶ人が出たことでした。
一緒に働き続けられると思っていた人が離れる。
そのたび、プロジェクトにも組織にも影響が出ました。
「いろいろな人が働ける環境をつくりたいと思っていました。でも、会社として未熟で、受け止め切れないこともありました」
直江は、学生時代から個人事業主として働き始めたため、一般的な会社員経験がほとんどありません。
会社には、なぜルールがあるのか。
役割や責任を、なぜ明確にしなければならないのか。
判断を個人の感覚だけに委ねると、組織で何が起きるのか。
会社が大きくなって初めて、その意味を知りました。
問題が起きれば、誰かだけを責めるのではなく、「なぜ起きたのか」を考える。二度と同じことが起きないよう、ルールや体制を整える。
会社をつくるとは、最初から正解を知っていることではありません。
起きた出来事から逃げずに学び、組織を更新し続けることなのです。
一人で抱える会社から、役割で動く会社へ
創業当初、直江は電話営業から経理、契約、請求までを一人で担っていました。
現在は、役割ごとの分業が進んでいます。
マネージャーは、営業戦略を考える。
アポインターは、顧客との会話に集中する。
経理や管理部門は、会社の基盤を支える。
各部署が目標と数字を持ち、自分たちの役割を果たす。
組織の形は変わりました。
しかし、変えていないものがあります。
クライアントの成功を最優先にすることです。
「ニーズのないアポイントは絶対に駄目だと思っています。短期的に自分たちだけが得をするのではなく、必ず双方にとって意味のある仕事にしたい」
組織が大きくなるほど、会社の都合を優先する誘惑も増えます。
だからこそ、NoLimitは一つの判断軸に立ち返ります。
その仕事は、クライアントの成長につながっているか。
「営業のインフラカンパニー」へ
NoLimitが次に目指しているのは、単なる営業代行会社ではありません。
直江が掲げるのは、「営業のインフラカンパニー」です。
「営業に課題を抱える多くの企業に、蓄積した営業データを提供し、営業活動そのものを改善できる存在になりたいんです」
企業が成長するとき、営業は欠かせません。
しかし、売り方が分からない。
営業人材が足りない。
どの市場へ、どの言葉でアプローチすべきか判断できない。
その課題は、スタートアップや中小企業だけのものではありません。成長企業にも、上場企業にも存在します。
企業規模にかかわらず、営業に困ったときにNoLimitを頼れる。
水道や電気のように、当たり前に事業を支える存在になる。
目指しているのは、そんな未来です。
現在、NoLimitはインサイドセールス、フィールドセールス、営業戦略コンサルティング、展示会支援を展開しています。
会社資料に掲げている4期目の売上目標は、7億円。
ただし、直江が見ているのは、売上だけではありません。
営業支援によってクライアントの事業が伸びれば、そこで働く人の可能性も広がる。
NoLimitの事業が成長すれば、社内にも新しい役割や挑戦の機会が生まれる。
クライアントの可能性と、メンバーの可能性。
その両方を広げることが、NoLimitという社名に込めた約束でもあります。
急成長を、外から見るか。中でつくるか
直江が一緒に働きたいと考えているのは、ただ自分だけが成長したい人ではありません。
誰かの役に立ちたい。
企業や社会の成長に関わりたい。
その過程で、自分自身も急成長したい。
そんな思いを持つ人です。
NoLimitは、完成された会社ではありません。
110名の組織になった今も、仕組みを見直し、新しい役割をつくり、失敗から学び続けています。
だからこそ、これから加わる人にも、会社の未来をつくる余白があります。
「成長している会社を見ていたい」のではなく、「成長する会社を、自分の手でつくりたい」。
そう思う人にとって、ここには多くの挑戦があります。
電話をかけるボタンさえ押せなかった、一人の人見知りの学生。
その学生が営業を学び、会社をつくり、今は「営業のインフラ」を目指しています。
不可能に見えたことも、一つずつ取り組めば、いつか手が届く場所へ変わる。
「人間に不可能はない。会社にも不可能はない。可能性は、本当に無限大だと思っています」
NoLimitの創業物語は、ここで終わりません。
次の章を書くのは、これから出会う仲間かもしれません。