こんにちは、株式会社BUBの広報担当です。本日はリクルートを辞めて26歳で起業した代表取締役の一戸に創業への想いやきっかけを伺いました。
<プロフィール>
一戸 悠人 (Yuto Ichinohe)
青山学院大学を卒業後、株式会社リクルートキャリアに入社。営業としてリクナビの販路拡大を通じた顧客の採用コンサルティングに従事後、イベントプロデュース部にて学生と企業とのリアルマッチングを実現する「リクナビLIVE」の企画・運営を実施。学生時代にはバックパッカーとして世界25カ国を周り、その海外経験から2018年10月に株式会社BUBを創業。代表取締役として従事。
リクルートで働きながら起業
ーー早速ですが、起業を志したのはいつ頃からだったのですか。
中学生の頃から漠然と社長になりたいと考えていましたね。当初は、社長って「かっこいい!」という純粋な気持ちでしたが、自分の会社を持ち、人や社会に与える影響力を高め、自分の社会的存在意義を高めたいと思うようになりました。また、実は兄も起業をしているので、兄に負けたくないという想いもあったかもしれないですね。
人材輩出企業であるリクルートに入社したのもそのためです。元々会社やチームの”人”に関わる仕事がしたいと考えていて、学生の頃からリクルートの人材育成や組織論の秀逸さには感銘を受けていたので、自分が独立した際にも活かせると感じており、リクルートで勉強したいと思っていました。実際に入社して、ヴィジョンの浸透力や社員の自己実現への意識の高さ、Will-Can-Mustを通じた評価制度など、かなりたくさんのことを学ばせてもらいましたね。
ーーそうだったんですね。26歳というタイミングで独立したのは何かきっかけがあったのですか。
去年起業したのは、やりたいことがより明確になり、それを実行する衝動を抑えることができなくなったからですね(笑)。会社にその話をした際に、会社に在籍しながら複業で独立をするのはどうかという提案があったため、在籍しながら起業して半年の間、事業の構想や準備を進めていました。現在リモートワークしている社員や複業社員が複数名在籍しているのも自分のその実体験があったからこそ、その価値を認識しているからですね。もっと会社としても推進していきたいと考えています。
海外ボランティアを通じて感じた、真の人生の豊かさ
ーーBUBは手軽に非日常の体験ができることをテーマとした宿泊施設「BUB CAMP GROUND」を運営していますが、その事業を選んだ理由は何かあったのですか。
学生時代にフィリピンで参加した単発ボランティアの経験が大きいですね。ハンセン病にかかった人々が隔離されているクリオン島という島で家屋の修繕や改築工事などの手伝いをしていたのですが、日本で生活している自分にとっては、そこの暮らしはお世辞にもそんなに良い環境ではなく、病にかかった人々が一箇所に集められていることにも違和感を感じていました。生活も貧しくて周りから差別されている、そんな大変な境遇にいるのに、みな明るく元気で、すごく毎日が楽しそうに生きていることにとても驚きました。その時に、真の人生の豊かさとは何だろうかと考えされましたね。お金や物理的な豊かさではなく、精神的な豊かさが人生の幸せに繋がるのだなと実感した瞬間でした。その豊かさがすごく素敵だと感じて、そういう経験の場をより気軽に提供したいと想い、BUBを創業しました。
一歩踏み出す勇気を後押しする経験を提供したい
ーー「BUB CAMP GROUND」は他の宿泊施設とは異なる概念と位置付けてますが、どういった点が異なるのでしょうか。
非日常の経験を通じて自分自身を顧みることができる、また、その経験が新たなチャレンジを促し、他人に縛られない自分らしい生き方を後押しする。それこそがその人の人生を豊かにできると確信しているので、そういう「気づきの場」、「人生が変わるきっかけを提供する宿泊施設」だと捉えています。そのため、従来の宿泊施設であるホテルやグランピング等とは異なる、豊富なアクティビティの提供や主客一体であるお客様と一緒に創り上げていく全く新しい宿泊施設であることを心がけています。
学生時代に25カ国の世界一周の旅をした際に、今まで生きてきた日本とは全く異なる環境に身を置くことは、普段日本で生活して自分と似たような境遇の人と一緒に過ごしていたのでは気づくことがなかった、自分の強みや新たな自分を理解することができると気づきました。また、その経験が成功体験として自己効力感を高め、新たな挑戦や経験を促すことができます。非日常の空間の中で過ごすことは自分自身に目が向きやすく、人生を精神的に豊かに生きるためには、必要不可欠だと思いました。海外の知らない土地に泊まることは体力的にも金銭的にも負担が大きいですが、屋外の施設で過ごすことはすぐできる非日常で、気軽さが良いと思いましたね。
世界一周旅行時のオーストラリア エアーズロックにて
5年で上場、3年で世界16拠点へ
ーー「BUB CAMP GROUND」はオープンして2ヶ月で黒字化し、有名エンジェル投資家からも資金調達をするなど、順調に事業が成長していますね。そんなBUBの今後の展望について教えてください。
まずは、社員やアルバイトスタッフも含め、チーム全員が幸せでいること、自分らしい人生を生きていけることを全ての基本に考えているため、常に社員の夢を応援する会社であり続けたいと思っています。
その上で、取り組むのはビジョンの実現に向けた規模の拡大です。3年以内に16拠点に増やす計画を立てており、2,3拠点目の視察も順調に進んでいます。御殿場、沖縄などの日本のリゾート地を中心に考えていますが、それ以降はアジア、特に東南アジアのセブ島やランカウイ島などの海外展開をしていく予定です。そして5年後に、IPOを目指しています。規模拡大だけでなく、チームの皆の社会的な安心感にも繋がると考えてます。
「BUB CAMP GROUND」の1拠点目は、千葉県唯一の村「長生村(ちょうせいむら)」の廃校を改築して構えました。地方創生の役割も担っていて、東京に住んでいた社員が長生村に移住したり、県外からの宿泊顧客が多いため村の経済活動にも貢献していて、「BUB CAMP GROUND」への宿泊が村のふるさと納税のお礼の品にもなっています。この施設のテーマは、「文化と自然と人との交流」で長生村ならではのアクティビティや施設づくりを行なっています。当社は、拠点ごとにテーマが異なり、またその土地ならではの特色や魅力を施設づくりに反映することを意識していくため、その土地でしか経験できない非日常を提供できる今後が楽しみです。
1拠点目である長生村の「BUB CAMP GROUND」