【社員インタビュー #3】インハウスでありながら、多種多様な案件に挑戦できる。裁量を求めて辿り着いた、自由でオープンなカルチャーの正体
「デザイナーとしてやっていく中で、実務における“幅”をもたせたいという想いがありました。」
株式会社prismaのデザインチームリーダーを務める稲永晴子さんは、そう語ります。
前職では大手フードデリバリーサービスのインハウスデザイナーとして活躍していた稲永さん。確立されたブランドガイドラインの中で制作を行う日々から一転、なぜprismaという新天地を選んだのか。
そこには、「インハウスの良さを活かしつつ、新しい領域へチャレンジしたい」というクリエイターとしての向上心がありました。
今回は、prismaのデザインチームを牽引する稲永さんに、入社の経緯から現在の仕事のこだわり、リーダーとしての葛藤、そしてprisma独自のユニークなカルチャーについて、たっぷりと語っていただきました。デザイナーとしてのキャリアに迷っている方、デザイナーとしての幅を広げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
「言われたものを作る」だけでは物足りない。自分の裁量と“個”を信じてくれる場所へ。
ーー本日はよろしくお願いします。稲永さんは前職でもインハウスのデザイナーとしてご活躍されていたと伺いました。そこから転職を考えられたきっかけや、当時のキャリアにおける課題感などはありましたか?
前職ではフードデリバリーサービスのブランディングチームに所属していました。
サービスとして既に確立しているブランドだったので、ガイドラインが非常にしっかりしていました。フォントの使い方から世界観まで、使用するものが厳格に決まっていたんです。それはブランドを守る上でとても大切なことなのですが、デザイナー個人の想いとしては、「実務をしていく中で、もっとデザイナーとしての幅を広げていきたい」という気持ちが強くなっていきました。どうしても「ガイドラインに沿ったものを世に出す」ことが目的になりがちで、自分の個性や新しい発想を活かす場面が少なく、「言われたデザインをやる」という感覚に近かったかもしれません。
ーーなるほど。そこからprismaを選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
やはり、「インハウス+他会社の案件もできる」という点ですね。prisma(オモヤグループ)であれば、インハウスデザイナーとしての働き方を活かしつつ、グループ会社が多岐にわたる事業を展開しているので、新しい領域にもチャレンジできると思いました。
数ある企業の中でもprismaを選んだ一番の理由は、「自分の裁量でできる幅が大きい」と感じたからです。カルチャーとしても個人にフォーカスしていて、「社員の違いを信じて任せてもらえる」という雰囲気がすごく伝わってきました。ここなら、いい意味で自由に、自分の力を試させてもらえるんじゃないかなと思いました。
ーー実際に入社されてみて、その印象にギャップはありましたか?
大きなギャップはなかったですね。ただ、私が初めての中途採用デザイナーだったこともあり、チームとしてはまだこれからという状態でした。デザインチームができて間もなく、仕組みも整っていなかったので、入社早々から立ち上げや制度作りに関わらせてもらえたのは良い意味での驚きでしたね。
前職ではオフィスにいてもチームメンバーが東京にいて、一人で黙々と作業することが多かったんです。でも今は、横を見ればチームメイトがいて、「これどう思う?」とすぐに聞ける環境があるのは、すごく心強いですし、仕事の幅も広がると感じています。
「媒体によって“見せ方”を変える」デザイン×マーケティング視点の面白さ
ーー現在はどのような業務を担当されているのでしょうか?単にデザインを作るだけでなく、マーケティング視点も意識されていると伺いました。
最近はデザインの領域自体がすごく広がっています。私ともう一人の中途メンバーが入ってから、ブランディングの領域まで広げていこうと動いているんです。例えば、新規事業の立ち上げに伴うミッション・バリューのライティングから一緒に考えたり、ロゴを作成したりすることも私たちが担当しています。
その中で、「マーケティングっぽい視点を持つ」ことが非常に多いです。わかりやすい例で言うと、うちのグループで扱っている商品に「精力剤」があるんですが、これって実店舗で手に取る時と、ネットで買う時とで、お客様の心理が全然違うんですよね。店舗で売るパッケージの場合、「精力剤です!」というギラギラしたデザインだと、女性はもちろん男性でもレジに持って行くのがちょっと恥ずかしいじゃないですか(笑)。だから、パッケージ自体はすごくニュートラルで、買いやすいデザインにしています。
でも、WebのLP(ランディングページ)で売る時は違うんです。誰にも見られずに買えるので、もっと成分を押し出したり、「医薬品っぽさ」「権威性」を出したデザインに変えたりするんです。
「誰が、どの媒体を通して、どういう心理で見るのか」によって、デザインも変えていかないと正しく伝わらないので、そういった購買プロセスまで考えてデザインに落とし込むのは、今の仕事の難しさであり、一番の面白さでもありますね。
ーー自社ブランドとグループ会社の案件、両方に携われる環境かと思いますが、それぞれの違いはありますか?
自社ブランドは、かなり早い段階から相談をもらえるので、企画から携われる面白さがありますね。意思疎通のスピードも速いです。
一方でグループ会社の案件は、テキストベースでのやり取りが多くなる分、認識のズレが起きやすいので、「ラフの段階での認識合わせ」や「意図の汲み取り」をより慎重に行う必要があります。ただ、グループ全体でいろんな依頼が来るので、多様な仕事に携われる面白さがあります。
組織作りで100万円単位のコスト削減へ。「仕組み化」でチームを強くする
ーーこれまでの約2年の中で、「自分の強みを活かせた」と感じるエピソードはありますか?
地味かもしれませんが、「チームのインフラ整備」にはかなり力を入れました。私が入社した当時は、各社からいろんな依頼が来ていたんですが、中には「テキスト変更だけ」「画像差し替えだけ」といった、デザイナーでなくてもできるような軽微な依頼も混ざっていたんです。これだとデザイナーのリソースが圧迫されてしまうと思いました。
そこで、「棲み分けをしたい」と思い、各社にデザイン担当を配置して研修を行い、簡単な修正は各社で完結できるような体制を作りました。
ーーデザイナーでありながら、組織作りまで担ったんですね。
そうですね。あとは、デザイナーってどうしても職人気質なところがあって、データの格納場所がバラバラだったりするんです(笑)。それだと業務がスムーズにいかないので、Googleドライブの階層をきっちり整備したり、印刷会社への入稿マニュアルを作成したりしました。
最近だと、ブランドガイドラインのリブランディングを内製化できたのも大きかったですね。これまでは外部に100万円単位のコストをかけて依頼していたものを、社内で完結できるようになりました。コスト削減はもちろん、社内だからこそ「もっとこうしたい」というリクエストもしやすくなり、クオリティアップにも繋がっています。
リーダーとしてメンバーの“得意”を伸ばす関わり方
ーー現在はリーダーとしてチームを牽引されています。マネジメントにおいて意識されていることはありますか?
格式ばったミーティングよりも、「日々のカジュアルなコミュニケーション」を大事にしています。うちのチームメンバーはみんな話すのが大好きなんですよ(笑)。挨拶はもちろん、「この前のあれ良かったね」とか、好きな美術展の話とか。そういう雑談から仕事の話に繋げることも多いです。
育成の面で言うと、デザインチェックのフィードバックには気を遣っています。未経験のメンバーや研修生のデザインをチェックする時、どうしてもクオリティを担保するために「戻し(修正依頼)」が多くなってしまうことがあるんです。4回、5回と戻しが続くと、「またミスしちゃった…」と、どうしても落ち込んでしまいます。
ーーそれは心が折れそうになりますね…。
そうなんです。でも、デザイナーとして数をこなすことは絶対に必要で、このプロセスは避けて通れないんです。だからこそ、「これはあなたの人格を否定しているわけじゃなくて、良いものを作るために必要なプロセスなんだよ」ということはしっかり伝えるようにしています。テキストでのフィードバックだとどうしても冷たく見えてしまうので、矢印や赤字だらけの画像を送った後は、直接席まで行って、「数をこなせば必ずできるようになるから」とフォローするようにしています。
ーーこれまでにリーダーとしての壁を感じたことはありましたか?
デザイナーが2名ほど退職してしまった時期があって、その時はリソースが安定せず大変でした。タスクの振り分けが滞ったり、内製化する予定だったものを外注に戻さざるを得なかったり。売り上げ的にも損失を出してしまったなという反省があります。
ただ、そこで立ち止まらずに、各社にブランド担当を置いてスキルアップに注力したり、社外リソースをうまく活用したりと、体制を立て直してきました。今はリソースも安定してきて、「じゃあ次はまた新しい人を採用しようか」というフェーズまで戻すことができました。
「見たい美術展があれば会社負担でOK」“得意”を極めるための惜しみない投資
ーーprismaには『得意が見つかり、得意が極められ、得意が価値になる』という文化があるそうですが、実際に働いていて感じることはありますか?
「やりたいと言っていることに関しては、高確率で実現させてくれる会社」だと感じます。新入社員でも新規事業の立ち上げに関わったり、未経験の領域でも手を挙げれば任せてもらえたり。例えば、あるメンバーが「前職で社内報を作っていたので、ここでもやりたい」と提案したら、すぐに「じゃあやろう!」となってプロジェクトが動き出したりしたこともありました。「社内のエンゲージメント向上になる」「共通認識を持てる」といったメリットを上にしっかり伝えれば、年次に関係なくプロジェクトが採用される風土がありますね。
ーー社内の雰囲気はどうですか?
本当に「良い人たちばっかり」です(笑)。コミュニケーションで難しいなと思ったことは一度もないですね。 また、好奇心旺盛でオープンマインドな人が多いので、「それ面白そうだね!」「やってみたい!」と前向きな反応が返ってくることが多いです。誰かが何かを提案した時に、否定から入るようなことはまずないですね。
ーー働きやすさや制度面で「これは良い!」と思うものはありますか?
スキルアップや感性を磨くためのセミナー、美術展への参加などは、会社として推奨されています。
業務に活きるインプットであれば、参加費の補助はもちろん、必要に応じて遠方への交通費なども柔軟に相談に乗ってもらえます。実際に、大阪開催のトークイベントに参加するために、遠征したメンバーもいました(笑)。
キャリアアップしたい、インプットを増やしたいという人にとっては、めちゃくちゃ良い環境だと思います。未経験の人も多いからこそ、会社として学びへの投資を惜しまない姿勢は素晴らしいなと。
デザインの力で、もっと事業に貢献できる組織へ
ーー今後の会社・個人の目標を聞かせてください。
デザインチームとしては、メンバーそれぞれの得意分野を活かしながら、もっと領域を広げていきたいです。12月にも新しいメンバーが増える予定ですし、ゆくゆくはロゴ制作やガイドライン策定なども含め、「デザインに関わることは全て完全内製化」したいと考えています。
私個人としても、まだまだプレイヤーとしてスキルアップしていきたいですし、最近増えている動画広告や、AIツールの活用など、新しい領域にもどんどん挑戦していきたいです。
ーー最後に、読者へのメッセージをお願いします。
prismaには、未経験からでも挑戦できる案件がたくさんあります。実際に、ツールの基礎しかわからなかった未経験のメンバーが、半年間の研修を経て、今ではブランドのデザイン担当として独り立ちし、めきめきと上達しています。
「もっとこういうスキルを伸ばしたい」と思っている経験者の方にとっても、「自分の得意が何かわからないけどチャレンジしたい」という未経験の方にとっても、ここには成長できる機会と、それを全力で応援してくれる仲間がいます。
少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一度お話ししましょう!