JPデジタルでは毎週1回、全社員が参加する全社ミーティング、通称All Hands Meetingを実施しています。All Hands Meetingでは、CxOからのメッセージ・各部署からのトピックス共有・新規入社社員の自己紹介など、多様なコンテンツの発信が行われます。
約200名もの社員(2026年4月時点。グループからの出向者を含む)が一斉に業務の手を止めて参加することは、決して小さくない投資です。
そこでこの記事では、なぜ全社ミーティングを、毎週・リアルタイムで行っているのか。その背景にある考えを、代表取締役CEOの飯田に聞きました。
All Hands Meetingは「船の進路」を示すための場
――飯田さんにとって、All Hands Meeting(以下AHMと記載)はどんな場なのでしょうか。
飯田 AHMは、会社がどこに向かうのかという進路を示し、社員一人ひとりが同じ方向を向くための場だと考えています。
わたしはJPデジタルを、“変革のタグボート”と位置づけています。巨大な組織である日本郵政グループを、未来に向けた変革の航路へ先導するタグボートの役割です。
JPデジタルが変革のタグボートだとしたら、船長はわたしで、社員の皆さんはそれぞれの持ち場で働いているクルーです。タグボートを目指す方向に正しく進ませるためには、「どこに向かい何を目指すのか」「変革の状況はどうなっていて、今どこにいるのか」を一人ひとりが正しく理解していることが重要です。
JPデジタルの社員はそれぞれが異なるバックグラウンドのもと、異なる役割で業務を行っています。そのため、会社全体としての方向性や大事にしている考え方などは、どうしても日々の業務のなかで薄れてしまいがちです。
だからこそ、会社が何を目指しているのか、何を大事にしているのかを繰り返し伝え続けることが重要です。
なぜ「毎週・リアルタイム」で実施するのか
――それだけ、AHMは会社にとって重要な場なんですね。
飯田 はい、非常に重要な場だと考えています。200名近い社員が一斉に45分間集まるというのは決して小さくないコストですが、社員が同じ方向を向いて働くという価値のためには、必要なコストだと思っています。特に、JPデジタルに入社してくれた方の多くは、「ビジョンに共感」して集まってくれています。その期待に応えるためにも、ビジョンやカルチャーの浸透をしっかりと進めていきたいと考えています。
――コストという意味では、開催頻度を1か月や3か月ごとにするという選択肢もあると思いますが、なぜ毎週実施なのでしょうか?
飯田 JPデジタルは変化のスピードが速く、会社の状況や取り組みも日々アップデートされていくため、月に1度では足りません。会社の状況や方向性をタイムリーに伝えていくためには、1週間に1度という頻度が必要だと考えています。とはいえ全社員の貴重な業務時間を使うものなので長くなりすぎないように、1回45分までとしています。
こうしたメッセージは一度伝えれば浸透するものではなく、一定の間隔で繰り返し伝え続けることで少しずつ理解や共通認識が深まっていくものです。そういった意味でも、毎週というリズムがちょうどよいと感じています。
加えて、形式についても、社員がそれぞれのタイミングで内容を確認する非同期ではなく、同じ時間に集まって実施する同期の形式に意味があります。事務連絡的な情報だけであれば資料や動画でも伝えられますが、その場で共有される空気感や温度感といったものは、同じ時間に集まることでしか伝わりません。
特に、会社としての方針や良いニュースなどは、リアルタイムで共有することで、社員同士の一体感や納得感にもつながります。そうした点も含めて、毎週・同じ時間に集まる形で実施しています。
社員に楽しんで参加してもらいたい
――そういった思いは、AHMのコンテンツや構成にどのように反映されているのでしょうか?
飯田 全社員向けの伝達事項というと、どうしても事務的で退屈になってしまいます。そこで、参加すること自体に意味や楽しさを感じてもらえる場にしたいと思い、「今週のDJ」から始まる構成にしています。
今週のDJとは、当番制で選ばれた社員が、おすすめの楽曲をその理由とともに紹介するコーナーです。DJを週替わりにすることで、社員同士がお互いの人となりを知るきっかけにもなっています。普段の業務では関わりのないメンバーのことを知ることで、コミュニケーションのきっかけになればと考えています。
そういった背景もあって、新しく入社した社員の自己紹介を、「My Story」と名付けてコンテンツに取り入れています。入社した社員のあいさつは「よろしくお願いします」の一言で終わらせるだけでは味気ないですし、人となりも伝わりません。AHMの場でMy Storyを発表してもらうことで、その人の経験や価値観を知り、より深くお互いを理解できるようにしたいと考えています。
All Hands MeetingをJPデジタルの文化として、次のステージへ
――今後、AHMをどのような場にしていきたいですか。
飯田 社員にとって、「参加してよかった」「進んで参加したい」と思える場にしていきたいです。AHMに参加することで、「会社の状況や目指す方向を理解できる」「仲間とのつながりや一体感を得られる」と感じてもらえるような場に進化させていきたいです。
そのために、限られた時間で無駄なく情報を伝えながら、社員の皆さんが楽しんで参加できるようなコンテンツや構成、オペレーションの改善を進めていければと思います。
――お話を通じて、全社ミーティングは単に情報を共有する場ではなく、会社の進路を示し、社員が同じ方向を向くためのものだと改めて感じました。飯田さんの想いを聞いたことで、ミーティングに参加する意味も、これまでとは少し違って見えてきた気がします。本日はお話しありがとうございました。