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「はたらく場」➡︎「協働する場」−オフィスの再定義

2020年3月、小中学校の休校に応じて始まったWFH(Work from Home)。日本中、いや世界中の誰が、ここまで続くコロナ禍を想像しただろうか?

もともと自由な働き方だったが・・・・

外資系IT企業と聞けば、「自由な働き方」と「徹底した成果主義」をイメージする人も多いだろう。「自由な働き方」に関しては想像の通りで、社員を「大人」扱いし働き方は自己管理してもらうのが基本スタンスだった。とはいえ、営業部門まで原則フルリモートになり、かつそれがここまで一定の成果をあげるとは、予想を超えるものだった。

WFHスタート時から、いち早くガイドラインを制定し、「原則出社不可」を周知。また、同時にWFHに不可欠なイス、机、モニターなどを会社で用意し、貸与する仕組みもすぐに導入した。

ただ、これが長引くにつれ、社員はみんな学んでしまった。

あれ?会社来なくても仕事できるよね?ワークライフバランスむしろ良くなってない?

事実、10月に社員サーベイを実施したところ、実に回答者の84%がコロナ禍が収まってもWFHを継続したいという結果になった。

これは、ちょっと、根本的に考え方を変えないとダメだな。

オフィスを2倍に拡張

これまではスタートアップ中心にオフィス縮小や郊外移転が進みつつあったのが、2021年を迎え、大企業の移転・縮小のニュースも飛び込むようになってきた。そんな中で、自分たちがとるべき方法は何か。検討を進めた結果、結論は

オフィスを拡張・移転し、「協働する場」として再定義する

ことだった。

確かにWFHでもうまくいく。しかし、それは既存業務、かつ一人で完結する業務の場合。新規顧客、新規業務、知恵を出し合い共同で進める業務に関しては、極めて非効率。また、コロナ禍の1年で60名以上の新人が入社したものの、誰に何を聞いたらいいのか、そもそも同じ会社で働いている人は誰なのか、だんだん「会社」で働いているというよりも、「フリーランス」の集まりのようになってしまっていた。

これでは、企業の成長はおぼつかない。そこで、発想を180度切り替えた。

「狭いから来るのも躊躇するのでは?オフィスを拡張し、よりオープンなスペースでディスカッションができる場を作ればいいのではないか?そもそも業務内容によって、働き場所は変えた方が効率的なのではないか?

2021年4月、約5年間過ごした汐留を後にして、新オフィスに移転。オフィスは、①コラボ(会議室で使うような大テーブルをおいて、自由にディスカッションや協働できるスペース)②リラクゼーション(マッサージルーム、卓球台、キッチンなどのあるリフレッシュスペース)③ミーティング(会議室、電話ブースなどの打ち合わせスペース)④固定席(自席が必要なメンバー向けのスペース)の4つにゾーニングした。

合わせて、シェアオフィス とも契約し、自宅では集中できない、自宅以外の場所で気分転換したい、オフィスまでの通勤時間がもったいない、などのにニーズに対応し、WFA(Work from Anywhere)に完全に振り切った。実際に、海外に移住したり、地方で採用しそのまま自宅で勤務したりする社員も出てきている。と同時に、通勤定期代の支給も廃止し、オフィスに通勤した回数に応じた実費を通勤手当として支給、WFA手当も新設し、自宅での光熱費等の増加に充ててもらうようにした。

カフェテリアプランを導入

福利厚生も全面的に見直し、オフィスで提供していたスナック類、フルーツやスムージーの宅配など、出社を基準とした物は全て廃止。新たに2021年4月からカフェテリアプランを導入した。

カフェテリアプランでは、下記メニューから選択し(または組み合わせ)、年間一人10万円を上限に補助することにした。

  1. ヘルスケア関連 (医療系、健康食品系,フィットネスクラブ会員権など)
  2. 家族ケア関連 (託児や介護関連)
  3. WFA関連機器 (モニター、いす、机、ヘッドセットなど)
  4. ワークライフバランス関連 (ワーケーションコストなど)
  5. 自己啓発 (このプランのためにパッケージした研修プランの受講など研修関係)

今回の変化は一つの実験であり、まだ始まったばかり。今後の状況を見ながら柔軟に対応していく方向である。いずれにしても、

社員が働きやすい環境づくり

のため、常に変化を続けていく。

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