「AIがコンサルを代替する」——この言葉を聞いたとき、あなたはどう感じましたか?
不安?それとも「いや、そんなことない」と思いましたか。
どちらの反応も、実は正しいと感じます。
AIでコンサルは「儲からなく」なるのか?「より儲かる」のか?
意見は真っ二つに割れています。AIの進展によって、従来型のコンサルティング業務は確実に変わります。データ収集・整理・分析・レポート作成——かつて若手コンサルが徹夜でこなしていた作業は、AIが数分で終わらせる時代です。コスト構造が変われば、当然単価も変わります。「儲からなくなる」という人の言い分はシンプルです。
一方で、「より儲かる」という声もあります。AIを使いこなすことで一人あたりの生産性が激増するからです。少人数で大きなアウトプットが出せる時代に、優秀なコンサルタントの価値は上がる、という論理です。
どちらが正しいか——答えは「あなた次第」である。
30歳、特定分野に特化したあなたへ
もしあなたが30歳で、何らかの特定分野に特化したコンサルタントなら、今こそ立ち止まって考えるべきタイミングです。
その専門知識は、AIに代替されるものでしょうか?
その働き方は、テクノロジーで置き換えられるものでしょうか?
「医療×セキュリティ」「サプライチェーン×地政学リスク」「組織変革×人間心理」——こういった複雑な文脈の掛け合わせは、AIが苦手とする領域です。逆に「業界標準のリサーチ」「既存フレームワークへの当てはめ」は、もはやAIの方が速く、安くこなせます。
自分の強みが前者に近いなら、AIは最強の武器になります。後者に近いなら、今すぐアップデートが必要です。
「課題解決」へのニーズは、人類が存在する限りなくならない
戦略コンサルに対する本質的な見立てとして——「課題解決」に対するニーズは、人類が存在する以上、消えることはありません。
問いは「AIが課題解決を完全に代替できるか?」です。
現時点での答えはNOです。AIは「与えられた問題設定に対し、論理的に正しいこと」を出すことは得意ですが、「何が本当の問いか」を発見することは、まだ人間の領域にあります。それには当事者の感情も考慮する必要があります。あらゆる状況を踏まえた問題の定義こそが、コンサルタントの本質的な仕事なのです。
ロジックだけでは人は動かない——レトリックという人間の武器
人が納得するには、ロジックとレトリックの両面が必要です。
AIはロジックを組み立てることが得意になってきました。しかし、レトリック——言葉の力で人を動かすこと——は依然として人間の領域です。
「この施策を実行すべき理由」を論理的に説明するだけでは、経営者は動きません。その言葉に重みを持たせる「人」が必要なのです。誰かの一言によって決断が変わることは、ビジネスの現場では日常的に起きています。信頼、経験、文脈の読み方——これらはまだ、人間にしかできません。
ただし、やり方は常にアップデートしなければならない
古典的なコンサルティング手法——重厚なパワポ、週次の報告会、半年がかりのプロジェクト——は、もう通用しない時代が来ています。
アジャイルに動くこと。AIを使いこなすこと。クライアントと共に考える姿勢を持つこと。そして、自分自身が「学び続ける存在」であること。
30歳は、まだ全部変えられる年齢です。