「タイパ」「ゆるブラック」「親確(オヤカク)」など、就活でいま話題のワードをテーマに、新卒採用担当が本音で語る座談会。少し話は長くなるかもしれませんが、企業選びのポイントや働くことの意味、挑戦と安定の関係についてなど、NSGグループらしいリアルなエピソードを交えて本音を全部お届けします。きっと新しい気づきがあるはず。就活中の学生さんも、これからスタートする方も、ぜひどうぞ!
株式会社NSGホールディングス
人事本部 採用HRグループ マネージャー 細金 崇英
2017年新卒入社。大学で学生募集や入試運営などに従事したのち、入社4年目にグループ本部の人事部門へ異動し、新卒採用担当に。就活イベントや面談・面接で年間1,000人以上の学生と関わる。2023年にマネージャーへ昇格し、新卒採用全体を統括する。趣味は海外旅行とライブ観戦。国家資格キャリアコンサルタント保持。
株式会社NSGホールディングス
人事本部 採用HRグループ 吉田 沙瑛
2018年新卒入社。学生時代は理学部で竜巻の研究をするかたわら、NSGグループの学習塾で非常勤講師を経験。入社後、学習塾事業の集団指導および個別指導の2ブランドで教科指導や生徒募集など校舎運営の経験を積み、入社4年目から産育休を取得。復帰後は、新卒採用や子育てと仕事の両立を支援する施策の推進などに従事する。趣味は推し活。最近の休日は2歳の娘と公園でひたすら遊び、自身も仕事と子育ての両立に奮闘中。
株式会社NSGホールディングス
人事本部 採用HRグループ 山田 涼平
2018年新卒入社。出会った先輩社員がイキイキ語る姿が印象的で、「こんな人たちと働きたい」と思って入社を決めた。学校教育事業にて、事業推進(学生募集に向けた営業・企画・マーケティング 等)を経験し、2019年よりグループ本部の人事部門にて新卒採用や研修を担当。これまで多くの学生と関わり、就活やキャリアなどの悩みに触れる。趣味は釣り、コーヒー、カメラ。早朝に釣りをしてから出社することも。
目次
Theme1「タイパ(タイムパフォーマンス)」
Theme2「ゆるブラック」
Theme3「早期選考」
Theme4「親確(オヤカク)」
Theme5「本音(ホンネ)」
Theme6「安定」
Theme7「挑戦」
学生のみなさんへのメッセージ
Theme1「タイパ(タイムパフォーマンス)」
ー今日は「新卒採用担当の本音トーク」ということで、就活にまつわるいろんなトレンドワードについて、みなさんに語っていただこうと考えています。最初のテーマは「タイパ(タイムパフォーマンス)」です。皆さんはどう捉えていますか?
山田:コロナ禍以前は、会社説明会や面接は基本的にリアル開催が前提でした。今ではオンラインが当たり前になり、情報も簡単に手に入るので、以前より効率的に就活が進められると思います。
細金:確かに、説明会の動画を倍速で視聴したり、時間を最大限に活用する動きが増えていますよね。YouTubeでも1.5倍速視聴が当たり前になっていますし。
吉田:私も倍速で見ます(笑)。でも、タイパを重視しすぎるのもリスクがありますね。
山田:個人的には、情報収集の効率化は良いことだと思います。ただ、直接足を運ぶことでしか得られない情報もあるので、省略しすぎると企業理解が浅くなってしまうかもしれません。
吉田:「スカウトサービス」もタイパの一例ですよね。学生がプロフィールを登録し、企業がスカウトする仕組みは効率的ですが、それだけに頼らず、自分から企業を探す姿勢も大切だと思います。
ーNSGグループでのスカウト採用の割合はどれくらいですか?
山田:まだ全体の10%ほどですね。
ースカウトサービスの場合、面接では何か違いを感じますか?
山田:スカウトされるまでNSGグループを知らなかった学生も多く、まずはしっかり企業理解を深めてもらう必要があります。
細金:面接の場で「スカウトを送ってきたのはそっちですよね?」みたいな“お客さん感”を感じてしまう学生さんも時々います。それはお互いにとって良い場にならないと思うんですよね。もちろん、選考なので合否が出る場ではありますが、せっかくつくったこの時間を一緒に大切にしていきたいですね。
ーどんな接点からの出会いであっても、最終的にはその企業のことをしっかり理解して、納得してもらえないとミスマッチが起きてしまいますよね。
細金:そうですね。企業理解や納得感が欠けていると、結局うまくいかないことが多いですね。
吉田:私たちも学生さんのタイパ向上に協力するため、会社説明会の前にグループ紹介動画を提供するようにしました。基本的な情報を事前にインプットしてもらえれば、説明会がより充実したものになります。
山田:動画で伝えた「安心と挑戦」というテーマはちゃんと届いているんだなと感じました。今年は「安心」と「挑戦」といったワードがSTEPシート(エントリーシート)や面接で増えた印象がありますね。
細金:やっぱり変化が激しい時代だからこそ、「安心」をすごく望んでいて、だからこそ受け取ってもらっているんだなと感じますね。面接をしていても志望動機の部分にそのワードが入ってくることが多くあります。
ーそれでは「タイパ」について、皆さんの考えをまとめてもらえますか?
細金:今の学生は面接を受ける企業数が減少しているというデータがありますが、もっと多くの企業と接点を持つことで、より良い就活になると思います。
山田:就活は貴重な機会です。社会人になると、企業が丁寧に説明してくれる場は少なくなりますから、その機会を活かしてほしいですね。
吉田:合同説明会の参加者が減っていると聞きますが、直接企業の雰囲気を感じることは大切です。オンラインの便利さとリアルの良さをうまく活用してもらいたいですね。
ー確かにそうですね。実際の仕事では人と人との関わりが大切ですから。それでは次の話題にいきましょう。
Theme2「ゆるブラック」
ーでは、次のお題は「ゆるブラック」について。「ゆるブラック」って何ですか?
細金:「ゆるブラック」とは、残業がなくノルマも厳しくない一見働きやすい環境だけど、「ここで成長できるのか?」と不安を感じる企業のことを指すようですね。
山田:そうですね。厳しくないし、負担も少ないけど、「ここにいて自分は大丈夫なのか」漠然とした不安を抱く人もいるようです。
ー確かに自分のキャリアパスを考えたときに、成長できる環境かどうかはとても重要ですね。ところで、NSGグループは「ゆるブラック」ですか?
吉田:私はそう感じたことはないですね。適度な負荷があり、それが成長につながっている実感があります。
山田:理不尽に厳しいことはないですが、ゆるすぎることもないです(笑)。負荷ゼロの環境は逆に物足りないと感じます。
細金:昨年、社外のいろいろな人と交流する機会があったんですが、「NSGの人って仕事ができる人が多いですよね」と何度か言われたんです。社内だけでは気づけなかったですが、「成長できる会社」として外部から評価されるのはうれしいですね。
ーなるほど。成長環境があるから「ゆるブラック」ではないということですね。では、今度は逆に「ブラック企業」とは何だと思いますか?
細金:何をもって「ブラック企業」と捉えるかって、人によって違いますよね。ただ、たとえば「度を超えた過酷な労働環境」や「ノルマを達成しないと会社にいれない空気がある」、「セクハラ・パワハラが横行している」といったことを指すのであれば、少なくともNSGグループはそれには該当しないと思いますね。
山田:そうですね。人間関係の「合う・合わない」はどこにでもありますが、私個人としては、NSGグループのなかでその場の意見や考え方が合わない人はいても、嫌な人に会ったことはなくて、これまで人間関係で困ったことはないです。
吉田:ただ「しんどい」だけでは仕事のやりがいを感じにくく、精神的にも限界がきます。でも、自ら「乗り越えたい」「成長したい」という前向きな気持ちの負荷であれば、それはブラックではないと思います。
ー負荷がかかっているときに、自分がどう感じるかでブラックかどうかが決まるということですか?
細金:極端かもしれませんが、物事の捉え方次第ですね。何かにチャレンジしていれば自然と負荷はかかるものですし、人によってブラックかどうかの判断が分かれる環境が世の中には多くあると思います。
山田:NSGグループには挑戦を後押しするリソースや人が揃っていますし、自分なりの考えを持って聞けば、教えてくれる環境があります。ただ、チャレンジを強要されることはありません。自分のタイミングで挑戦できる環境ですね。
細金:「ゆるブラック」という言葉は、NSGグループを受けてくださる学生さんからはあまり聞かないですね。少なくともNSGグループを「ゆるブラック」と見ている方はほとんどいないのかなと思いますね。
ーなるほど。就活全般では話題になる言葉ですが、NSGグループにはあまり関係なさそうですね。では、次の話題に進みましょう。
Theme3「早期選考」
ー次は就活の早期化についてです。昨今は「早期選考・早期内定」の意識が学生の間で高まっていると聞きました。実際に早まっているのでしょうか?
山田:はい、年々早まっていますね。以前は大学3年生の3月に会社説明会などのイベントが解禁され、そこから面接が始まるのが一般的でした。でも今は就活のスタートが早まり、長期化していますね。
吉田:大学3年生の夏から動き出す学生が増えているのは素晴らしいことです。ただ、そんなに急いで決める必要はないのかなとも思います。12月には就活を終えてしまう人もいますが、じっくり考える時間も大切ですよね。
細金:私も早期化の流れには少し疑問を感じています。理由は2つあります。1つ目は、大学生活の中でゼミやサークル、部活など、就活以外のことから得られる学びや気づきも多いはずだからです。2つ目は、早く決めることで、あとから決断が「揺らぐ」可能性が高まるからです。就職先を決めてから働き始めるまで(選択・決断をしてから行動するまで)の期間が長すぎて、日々の生活のなかで必要以上に「隣の芝生が青く見える」、ということもある気がします。じっくりと経験を積んで、時間をかけて選んだ方が、自分の判断に確信が持てて、そうした揺らぎも少なくなるのではないかなと思います。
山田:早く動くことに損はないけど、早く決めることが必ずしもメリットとは限らないですよね。自分の可能性を急いで狭める必要はないと思います。
吉田:私もそう思います。早期に内定をもらって就活を終えたとしても、残りの大学生活の中で本当にやりたいことが見つかるかもしれません。早く始める分には良いですが、あまりにも早く結論を出す必要はないのかなと思います。
山田:その一方で、すべての企業を受けた後に「どうしよう」と迷ってしまう学生が多いのも事実です。結論を急ぐ必要はありませんが、いつでも決められる準備をしておくべきだとは思います。普段から自分を見つめる作業は、答えが出なくても続けてほしいですね。
細金:決断できない理由の多くは、自分の中に一本通った「軸」がないことに起因していると思います。就活のなかだけで軸をつくるのは難しく、学生生活の中で様々な経験を積んでいくことで、自分の中に明確な軸ができ、それが巡り巡って良い就活につながるのではないでしょうか。
吉田:就活は、自分を見つめ直す良い機会だと思います。これまでの経験を振り返り、自分の軸や大事にしているものを改めて見つける作業をぜひ大切にしてほしいです。就活は、ただ内定を取れたら良いというものはないので、自分を見つめ直すことを後回しにしないでほしいですね。
細金:正直、どの会社に入っても、少なからず何かしらのギャップはあるでしょうし、ないものねだりをするのが人間だとも思います。だからこそ、自分の価値観や企業の理念に共感できることが重要です。
山田:近年、よく言われていた現代版の蛙化現象のように、期待や理想とのギャップに失望することは就活でも起こり得ます。条件面だけでなく、自分の価値観と企業の方向性が一致しているかを大切にしてほしいですし、共感できる環境の方が長期的に見て満足度が高くなると思います。
細金:共感できる環境であれば自然とモチベーションが高まり、それが成果につながり、良い循環が生まれます。数年後の自分をイメージして、その未来に自信が持てる企業を選ぶことが、将来の大きな違いにつながるのではないでしょうか。
ーありがとうございます。では次の話題にいきましょう。
Theme4「親確(オヤカク)」
ー「親確(オヤカク)」というのが就活トレンドワードにも上がっていましたが、これはどういうものですか?
細金:企業が内定を出す際、親御さんが入社を承諾しているか確認することです。
吉田:以前は学生自身が進路を決め、親は相談に乗る程度でしたが、最近は「親が言うからこの企業にします」というケースも増えています。
細金:大学の就職課の担当と話したときも、「最近は親御さんの影響を強く感じる」とおっしゃっていました。背景には、不安定な時代の中で、親が子どもの進路に対して安定を求める心理があると感じます。
山田:一方で、学生自身が自分で決断することを避け、親御さんの意見だけでなく「自分以外の何か」を頼りにする傾向が強まっているようにも見えます。
細金:情報があふれる現代では、SNSやAIが手軽に答えを教えてくれますからね。そういった環境のなかで無意識的に自分の選択を他者に委ねている可能性もあります。
山田:私自身は親に一切相談をせずに、決めたことを報告したタイプですが、親御さんに相談すること自体は全く問題ないと思っています。ただ、最終的に決めるのは自分であるべきです。仕事は楽しいことばかりではないので、「自分で決めた」と思えるかどうかが、その後の仕事や人生の質が大きく変わります。
吉田:情報があふれる時代だからこそ、決断するのが怖くなる気持ちも分かりますが、就活は自分の道を選ぶ大切な機会。ぜひ最終的には、自分自身で判断してほしいです。
細金:結局は「働くのは自分だ」というシンプルな事実に行き着くと思います。学生時代は、自分以外の誰かが責任を取ってくれる場面も多かったかもしれませんが、社会に出るとそうでないことの方が多くなります。自分で自分の行動に責任を持つ必要があります。そうした意味でも、自分で決める習慣を今のうちからつけることが、自分の将来のためにとても大事だと感じます。
山田:たとえ内定を辞退するときも、親に相談して「なるほど」と自分が納得して判断したなら全然問題ありません。それが本人の意思であり、納得感を持って選んだ結果なら、もちろん残念な気持ちはありますが、気持ちよく送り出します!
吉田:「親が反対したから辞退します」とだけ言われると、「あなたはそれでいいの?」って思いますね。人生に絶対はないのだから、正解を探すのではなく、自分で選んだ道を正解にしていく姿勢のほうが圧倒的に大事だと思います。自分で納得して選んだ人だけが、本当に幸せなキャリアを築けるのではないでしょうか。
ーそうですね。就職はもしかしたら人生で初めての大きな決断かもしれません。最後はぜひ自分で決めてほしいと思います。
Theme5「本音(ホンネ)」
―「就活で本音を話すと内定をもらえないのではないか?」と心配する声をよく耳にします。正直な気持ちや本音をどこまで話していいのか、難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。このテーマについて、皆さんのご意見を伺いたいと思います。
細金:私はむしろ本音をしっかり伝えてほしいと思います。本音を言わずに就職活動を進めるのは、結局入社後にモヤモヤが再燃するリスクが残るだけですから。それはお互いにとっても良くないですよね。
山田:確かに、隠してもどこかで本音は出てきますよね。実際、私も面接の際に「NSGグループのこういう部分は学生目線で見ると、もっとこうしたほうが良いのでは?」と正直に伝えましたが、それでも内定をいただけました。NSGグループでは正直さがマイナスになることはないと感じています。
吉田:自分をつくり込んだ状態で内定を得ても、「本当の自分じゃないのに」と感じるモヤモヤが残ると思います。それが後々、「自分は本当にここで活躍できるのだろうか」という不安に繋がることもあるでしょう。NSGグループは本音をしっかり受け止める環境が整っているので、正直に話すことでより良いマッチングができると思います。
細金:ただし、希望がピンポイントすぎると難しい部分もあります。「この部門のこの仕事しか嫌です」と言われても、すぐに空きがあるとは限らないので、少し幅広く自分の可能性を考えてもらえるといいと思います。そうすると、企業側も適切なキャリアプランを提案しやすくなるし、自分自身の可能性を広げることにもつながると思います。最近の就活では、「ピンポイントな希望を叶えます」という流れもありますが、NSGグループには、もう少し幅広い興味や柔軟性を持っている人の方が合っていると感じます。数ヶ月前の内定者研修で、グループ内企業の社長が「目の前の物事を好きになれる能力が大事」と話していて、それが本質だと思いました。この「目の前の物事を好きになれる能力」があれば、NSGグループの豊富なリソースを活用して、自分のやりたいことを実現できると思います。
吉田:確かに、グループ内を見てもそういう社員も多いですよね。「最初は別のことがやりたかった」とか、「やりたいことが明確ではなかった」という方が与えられた機会をしっかり掴んで、仕事のおもしろさを発見し、結果的に活躍しているケースもたくさんあります。
―「これがやりたい」と本音を伝えれば、周りが一緒にそれを叶えようとしてくれる。一方で、「これしかやりたくない」と視野を狭めると、逆に遠回りすることもある。NSGグループはそんな場所なのかもしれませんね。
Theme6「安定」
ー就職先に「安定」を求める傾向が増えているそうですね。「安定」って一体なんでしょうか?次は「安定」ついて話してみたいと思います。
細金:私が「安定」と聞いて思い浮かべることは、まずは「属している組織がなくならないこと」かな。
吉田:私が真っ先に思い浮かぶのは「毎月安定してお給料がもらえること」ですね。
山田:私の場合は、精神的な安心感を大事にしたいなって思うんです。そこにいて楽しいと感じられるかとか、そういう感覚の方がしっくりくるんですよね。
ーなるほど。一言で「安定」と言っても、イメージするものはさまざまなんですね。一般的に「安定志向の学生は公務員を志望する」といった話もありますよね。その文脈で考えたときに「NSGグループは安定した企業」でしょうか?
山田:NSGグループは、多様な事業を展開しているので、どこかの事業が不調でも他の事業でカバーできる強みがあります。全体で見たときの安定感はありますね。
細金:ただ、公務員や金融機関などと比べると安定性がないと、いわれるケースもあるんですよ。世代によっては、NSGグループに「学習塾と専門学校だけ」の会社みたいなイメージを持っている方がいるのかもしれません。そうなると、現在の事業規模やスケール感とは違う認識をしている可能性がありますね。
山田:むしろ、いろいろな事業に挑戦している企業の方が、現代では安定しやすいと思います。投資の世界でもリスク分散が重要とされますし、企業経営でも同じことが言えますよね。
吉田:人も同じように何かに挑戦することでスキルが磨かれますよね。そうすることで自分の幅が広がって、結果的に安定した生活につながる。企業も同じで、いろんなことに挑戦することで事業の幅が広がって、それが安定につながるんじゃないかなって思います。
ーいま吉田さんから「挑戦」という言葉がでました。それでは最後のテーマに移りたいと思います。
Theme7「挑戦」
ー「挑戦」ができる前提条件って何でしょうか。
細金:失敗に対して過度なペナルティがない環境が大切です。失敗したら即クビみたいな環境では挑戦しにくいですよね。
山田:「やりたい」という気持ちや、「やれそう」という手応えがあることも、はじめの一歩を踏み出しやすくなる条件だと思います。まったく可能性が見えないことに挑戦できる人は少ないのだから、挑戦を促進するための環境づくりが大切だと思います。
吉田:「失敗しても大丈夫」という環境と周囲のサポートは、挑戦するうえで重要です。私も学習塾事業で大規模校への異動がありました。上司から「修行だぞ、でも頑張れば絶対に力がつくから」と送り出され、大変でしたが、励ましを受けながら頑張ったことで、成長につながったと感じます。学生の皆さんも、部活やアルバイトなどで「最初は不安だったけど、やってよかった」と思う経験があるのではないでしょうか。
細金:私も3年目に先輩の業務を引き継ぐことになり、キャパオーバー寸前でした。正直、「辞めたい」と思った瞬間もありましたが、周囲の協力を得ながら乗り越えた結果、大きく成長できました。当時の経験が、今の人事の仕事にも活きています。
山田:挑戦には必ずそういう苦しさが伴いますよね。成長する人ってみんなどこかのタイミングでそういう経験をしているのかもしれません。私はストレス耐性があるのか、辛いと思うことはあまりなく、寝てしまえば次の日には気持ちを切り替えられるタイプですが(笑)。
ーみなさんは「挑戦と安心・安定は表裏一体」というフレーズをよく使いますよね。どういう意味なのでしょうか?
山田:挑戦するには、まず「失敗しても大丈夫」という安心感が必要です。そうした環境がなければ、なかなか一歩を踏み出せません。
細金:心理的な安心感があると、「ちょっとやってみよう」って思えるんですよね。
吉田:NSGグループには「失敗は経験」っていうカルチャーがあって、失敗しても「次はどうする?」と共に考えてくれる環境があります。
山田:そのおかげで、挑戦が怖いものじゃなくなる。だから、「安心・安定」と「挑戦」って本当に表裏一体なんだなと思います。
細金:また、安定とは最初は会社とか組織が提供してくれるものだと思うんです。給与や福利厚生などの仕組みによって安心を得られますが、それに頼るだけでは成長できません。挑戦を通じて自分のスキルアップや経験を積み重ねることで、どんな環境に行っても「自分ならやれる」という自信につながり、自分自身で安定をつくり出せるようになります。
山田:安定感の主体が自分に変わったらすごく強いと思いますね。どの組織に行っても通用する力を身につけることで、会社や組織に依存しない、本当の意味での安定を手に入れられると思うんです。
吉田:会社や組織に「成長させてもらう」ことを期待するのは良いことですが、いつまでも頼りすぎるのはよくないと考えます。最初は頼っても、いずれ自分自身で成長の方法を見つけ、自分の力で前進する必要がある。そうしないと最終的に自分らしい未来を切り拓くことが難しくなってしまい、それは本当の意味での「安定」につながらないと思います。
山田:とはいえ、採用したからには育てるのは私たちのミッションだと思っています。ただ、企業側としても、成長のための「機会」は提供できますが、それを活かすかどうかは本人次第です。研修やチャレンジの場を用意しますが、最終的には「このチャンスを掴むんだ」とか「成長したい」という本人の意志や行動がないと、本当の成長にはつながりにくい。結局、成長の主体はどこまでいっても本人にあるんです。
ーなるほど、分かりました。すごく本質的なお話ですね。
学生のみなさんへのメッセージ
ーでは、最後に学生のみなさんにメッセージをお願いします。
山田:伝えたいのは、「社会人って意外と楽しいですよ」ってことです。学生のときって、今が楽しいから「仕事したくないな」「社会に出るのって嫌だな」って思ってしまうこと、あると思います。僕もそういうタイプでした。でも、いざ社会人になってみたら、社会人のほうが楽しいじゃんって思ったんです。良くも悪くもやれることが広がる。もちろん責任は増えるけど、その分やったことがちゃんと返ってくる感覚がある。自分でハンドルを握って、自分で方向を決められるし、誰かに相談すれば「こうすればあそこに行けるよ」って教えてくれることもある。自分の力でできることが増えていく、それが楽しいんですよね!
吉田:私は、「就活を通じて自分をじっくり振り返る時間を大事にしてほしい」って思います。自分が何を大事にしていて、どんな場面で頑張れるのか、何に挑戦したいのかを知ることが、社会に出る前の準備としてすごく大事だと思うんです。それを考えずに入社してしまうと、苦しい場面が来たときに乗り越えられないこともある。でも、自分の軸があれば、納得感を持って頑張れるんじゃないかなって。自分を知ることがスタート地点になる。就活はその準備をする機会だと思います。ぜひ、一緒に頑張りましょう!
細金:私は「自分らしさを大事にしてほしい」と伝えたいです。学生の立場から見ると、就活って企業に選ばれる側って思いがちですけど、実際はお互いのマッチングです。だから、飾らずに自分らしさを出してほしい。そのほうが、入社後に自分の力を最大限発揮できて、充実した社会人生活につながると思います。皆さんと会える日を楽しみにしています!
※所属表記・記事内容は、取材当時の内容に基づいています。