こんにちは。株式会社KiZUKAIの山中です。
今回は、DXについての代表インタビューをお届けします。
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にする機会が増えていますが、実際のところ、 「DXとは何か?」「なぜ必要なのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。情報を調べても専門用語が多く、成功事例を見ても具体的なイメージが湧きにくいこともあるかもしれません。
そこで今回は、これまで多くの企業のDX推進を支援してきた、 私たちKiZUKAIの代表・山田に、「なぜDXが必要なのか」「DXがもたらす変化とは?」というテーマで話を聞きました。
DXの本質について、具体的に解説してもらいましたので、ぜひご覧ください。
「DXよく分からない」なんて言ってられない!日本が直面する現実とは?
インタビュアー:本日はよろしくお願いします!
最近、DXという言葉を耳にする機会が多いのですが、結局よく分からないという人も多いのではないかと考えています。そこで今日は、DXについて詳しくお聞きしたいと思います。
まず、多くの日本企業がDXに取り組むべき理由について教えてください。
山田:DXが必要な理由は、端的に言えば、人口問題があるからです。
2007年を境に、日本では死亡数が出生数を上回る「人口減少社会」に突入しました。その差は年々拡大し、2007年には約1.8万人だった出生数と死亡数の差が、2022年には約79.8万人と、43倍にもなっています。(下図参照)
結婚や出産を強制することは不可能ですし、この人口減少は避けられない現実です。
「e-Stat」政府統計の統計窓口を参照
さらに、現在企業の中心で活躍している第2次ベビーブーム世代(50代前半)が、今後10年で定年を迎えます。仮に60歳で定年とすると、現在12歳前後の世代が新たに労働市場に参入することになりますが、その人数は圧倒的に足りません。単純計算で約660万人の労働力が不足すると予測されています。人口ピラミッドを見るとよくわかりますよね。(下図参照)
「e-Stat」政府統計の統計窓口を参照
現代社会は、モノやサービスが豊富にあり、私たちはそれを当然のように享受しています。しかし、この社会システムを維持し続けるには、絶えず生産活動を行う必要があります。その一方で、生産を担う労働人口は急激に減少している。このギャップをどう埋めるかが、日本が直面する大きな課題です。
もちろん、解決策はDXだけではありません。しかし、ある試算によると、不足する労働力の約45%はDXによって補填しなければならないとされています。(下図参照)
出展:パーソル総合研究所・中毛大学「労働指標の未来統計2030」
つまり、DXは単なる流行ではなく、現代社会を維持するために不可欠な取り組みなのです。だからこそ、企業はDXを「自社の成長戦略」としてだけでなく、「社会全体の課題解決策」としても捉える必要があると考えています。
デジタルスキル最下位…?日本が誇る顧客体験が衰退してしまう恐怖
インタビュアー:なるほど。社会構造の変化が、DXの必要性を生んでいるのですね。
では、KiZUKAIはなぜ数あるビジネス領域の中で、DXという分野に取り組んでいるのか、取り組むことになったきっかけがあれば教えてください。
山田:そうですね。 私がそもそも起業した理由にも関わるのですが、もともと、私は、CX(カスタマーエクスペリエンス)の分野に興味がありました。例えば居酒屋や、アミューズメントパークで、心のこもった接客を受けると嬉しいですよね。こうした体験こそが、CXの本質であり、日本の接客レベルは世界的にもトップクラスだと思います。
一方で、デジタル技術の活用には大きな遅れがあります。実際に、世界67か国のランキングで日本のデジタルスキルは以下のような状況です。
- 人材のデジタル知識:53位
- ビッグデータ活用スキル:64位
- デジタル・技術スキル:最下位 (下図参照)
出典:「IMD World Digital Ranking Results」
日本のCXは世界トップクラスですが、それを支えるデジタル技術の活用が遅れていることが課題です。
このままでは、どれほど高いCXレベルを持っていても、それを活かせないまま競争力を失う恐れがあります。人口減少や世界的な技術進歩を考えると、今後はデジタル技術を活用しなければ、顧客体験そのものを向上させることも難しくなるでしょう。そうなれば、日本はせっかく世界トップクラスのCXレベルを誇っていたとしても、その魅力が十分に伝わらないまま、低く評価されてしまうかもしれません。
私自身、最初はCXの向上を目指していましたが、CXに取り組めば取り組むほど、データの利活用にボトルネックがあると感じるようになって、いつの間にかDXに詳しくなっていたという感覚です。
日本の「気遣い」や「おもてなし文化」は、世界に誇れる強みです。しかし、それを活かし続けるためには、DXというボトルネックを解消する必要があります。DXは単なる効率化の手段ではなく、日本の素晴らしさを未来に繋げるための大切な取り組みだと考えています。
人材がいないからDXが進まないのではなく、人の代わりにデータを使うのがDX
インタビュアー:DX推進の課題として、よくDX人材の不足や組織的な問題などが挙げられますが、これらの課題をどのように捉えていますか?
山田:確かに、多くの企業がDX推進において「人材不足」や「組織の問題」に悩んでいます。実際、アンケート調査でも、これらがDXの障壁として上位に挙げられることが多いようです。
しかし、私は本当にそれが根本的な要因なのだろうかと疑問を抱いています。果たして、すべては「人」の問題に帰結するのか?と。
もちろん、DXの推進には、データ活用やシステム構築といった専門的な知識やスキルが求められます。そして、そうした人材が不足している現状は、無視できません。
でも、データがあるじゃん、と私は思うのです。
データを適切に活用すれば、人が直接関与しなくても自動化できる業務が多く存在します。これこそがDXの本質です。もちろん、人による判断や対応が必要な場面は今後もなくなりません。しかし、データを活用し、仕組みを構築することで、自動化できる業務を増やし、人は本来の役割に集中できるようになります。その積み重ねこそが、私の考えるDX推進の姿です。
KiZUKAIで取り組んでいるのは、ECサイトや、キャッシュレス決済の普及などのタッチポイントを変えるようなDXではありません。冒頭でお話したような、深刻化する労働人口減少への対策として、データ活用による業務効率化をめざすDXを自社のテーマと捉えています。これは、DXの一部にすぎませんが、人が本当に時間をかけるべき仕事、 創造性を発揮すべき仕事に集中できる環境をつくることが、私たちの目指すDXなのです。
インタビュアー:DX推進の課題として挙げられる人材不足や組織の問題も、データ活用によって解決できるということですね。「データがあれば人がいなくてもできる」とは、具体的にどういうことなのでしょうか?
山田:データ活用による業務効率化には、「データ運用」と「特徴量生成」というプロセスが必要です。これを社内でゼロから構築しようとすると、人材不足の問題に加え、数億円規模のコストもかかってきます。
しかし、KiZUKAIは、これらをすべてパッケージングしているので、データさえあれば、データ活用による業務効率化が可能ということです。(下図参照)
KiZUKAIソリューションマップより
インタビュアー:なるほど。専門的な知識やスキルがなくても、KiZUKAIのサービスを活用することで、誰でも簡単にデータ活用による業務効率化を実現できる、ということですね。
人の仕事をとることをポジティブに捉えて見据えるDXで変わる未来
インタビュアー:最後に、KiZUKAIのサービスを通して、 具体的にどのような未来を目指しているのか教えてください。
山田:まずは、日本が抱えるデジタル化への遅れを取り戻したい。 デジタル・技術スキルランキング、ビッグデータ活用スキル、人材知識、 これらのランキング向上に、愚直に取り組んでいきたいと考えています。
なぜなら、これらの課題を克服しない限り、 日本経済の未来は明るくないと危機感を持っているからです。
そのうえで、日本人が持つ「気遣い」の能力を最大限に活かせる仕組みをつくりたいと考えています。日本人は勤勉で、細やかな気配りができる素晴らしい国民性を持っています。しかし、多くの企業ではルーティンワークに追われ、本来の能力を発揮できていない人が多いのではないでしょうか?
AIやデータに任せられる仕事は、積極的に任せていく。 そうすることで、人は、より創造的な仕事、 人にしかできない仕事に集中できるようになるはずです。(下図参照)
この「人にしかできない仕事に集中できる環境をつくる」という意味で、私は「人の仕事を取ること」をポジティブに捉えています。AIやデータに任せられる仕事は、すべて任せるくらいの気持ちで進めていきたいです。
もちろん、「自分の仕事が奪われるのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。しかし、私はこの意識を本気で変えたいと思っています。もう「仕事を奪われる」と心配している場合ではありません。
データ活用によって、より人間らしく、より創造的な仕事に時間を割ける環境をつくること。それこそが、DXの本質であり、先ほどお話ししたCXの向上にもつながると考えています。
インタビュアー:DXによって、私たちの仕事や生活が、 より豊かで、より人間らしいものへと変化していく、 そんな明るい未来が想像できました。
インタビューありがとうございました。
最後に
インタビュー記事、最後まで読んでいただきありがとうございました。
代表の話を聞いて、改めて、日本が抱える危機と、DXがもたらす未来への希望を強く感じました。
「DXの本質や目的は理解できたけれど、何から始めればよいのか分からない」
もし、そう感じたら、ぜひKiZUKAIにご相談ください。私たちが、お客様の第一歩をサポートいたします。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。