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このサービスを展開するノーススターの開発組織は、2025年の1年間で10名から20名規模へと急成長を遂げました。
チームやマネージャーが増え、組織として頼もしくなる一方で、直面したのが「ノーススターにおける『プロフェッショナルな行動』って、具体的にどういうことだろう?」という問いでした。
少数精鋭の時には「なんとなく」共有できていた価値観も、組織が大きくなれば人によって捉え方にズレが生まれてしまうもの。
そこで今回、開発チーム全員で議論を重ね、自分たちが大切にしたい「7つのエンジニアバリュー」を言語化しました。
なぜ今、バリューの言語化が必要だったのか。どのようなプロセスを経て完成したのか。そして、そこにどんな想いを込めたのか。
VPoEの古谷に詳しく話を聞きました。
目次
1. なぜ今、エンジニアバリューを言語化したのか
ー 今回、エンジニア組織としてバリューをあえて言語化しようと思った背景には、どんな課題感があったのでしょうか?
一番大きかったのは、組織が急速に拡大したことで「ノーススターが目指すプロフェッショナルな行動って、具体的にどういうことなんだろう?」という目線を揃える必要が出てきたことです。
メンバーやチームが増えるにつれ、マネージャー陣から「このフィードバックをしていいのだろうか」「これは自分の『こうあるべき』を押し付けているだけではないか」と悩む声もよく聞くようになりました。
一方でメンバー側も、「チームから具体的にどんな動きを期待されているのか」が見えづらい部分があったと思うんです。
良いメンバーが集まっているからこそ、ただ「プロフェッショナルでいよう!」と抽象的な言葉で終わらせず、【ノーススターで大事にしたい当事者意識とは何か】【私たちが大切にしたい行動とは何か】を明確にしておきたかったんです。
そもそも「プロ」の定義って、会社によって全然違うと思うんですよね。
例えば、10日提出のタスクに対して「5日でやります!」と宣言して7日で終わったとします。ある会社では「スピード感を持ってチャレンジした!」と褒められるかもしれないけれど、別の会社では「自分で立てた見積もりが甘い」と捉えられるかもしれない。
この評価は、会社ごとの文化や価値観によって変わってきます。
だからこそ「では、ノーススターの開発チームとしてはどういう行動を良しとするのか?」という共通言語を、全員でちゃんと握っておきたかった。それが、このタイミングで言語化した一番の理由です。
2. エンジニア全員で、価値観を持ち寄った1日
ー 7つのバリューはどのようなプロセスで作られたのでしょうか?
上から提示するのではなく「全員の言葉でつくろう」と決め、エンジニア20人全員で対面で集まり、シェアルームを借り切って丸1日かけたワークショップを実施して形にしていきました。
当日は全員に当事者意識を持ってもらうため、一人ひとりが大切にしたい価値観を付箋に書き出し、壁に貼ってグルーピングしながら議論を重ねていきました。
現場での「マネジメントのしづらさ」やコミュニケーションの悩みを根本から解消したいという背景もありましたが、誰かが決めたルールを押し付けるのではなく、20人全員のリアルな価値観を持ち寄り、自分たちの手で言葉にしていくプロセスそのものに大きな意味があったと感じています。
ー 議論の中で印象的だったことはありますか?
当日は、1つひとつの意見に対して「それいいね!」「それだよね!」と共感する声もあれば、「そういう考え方もあるのか!」という発見もあって、終始リアクションが飛び交う時間でした。
その中でも特に印象深かったのは、一見対立しそうな概念について深掘りできたことです。
例えば「当事者意識を持つ」ということ。
これって一見すると「自分だけで抱え込む」「自分のみで解決する」ことだと思われがちですが、議論を重ねる中で「人に頼る」「困っていると発信する」こと自体も、当事者意識があるからこその行動だよねという話になったり・・・
言葉の解像度がぐっと上がった瞬間でした。
また「相互尊重は大切だけど、伝えるべき厳しいことも言わなきゃいけないよね」といった、一歩踏み込んだ議論も遠慮なくできたんです。
こうしたポジティブな共感だけでなく、懸念やデメリットまで本音で話し合えたことが印象的で、みんなで集まって議論したからこそ、深みのあるバリューに落とし込めたと思っています。
3. 私たちが大切にしたい「7つのエンジニアバリュー」
こうして生まれたのが、ノーススターの「7つのエンジニアバリュー」です。
最初から答えが決まっていたわけではありません。エンジニア一人ひとりが「自分は何を大切にしたいか」「チームとしてどんな価値観を共有したいか」を持ち寄り、対話を重ねながら形にしていきました。
▼ノーススターエンジニアバリューはこちら
- 本質を問う
- 当事者意識を持つ
- 皆が納得感を持てる仕事をする
- コトに向き合う
- 技術へ好奇心を持つ
- 相互尊重するチームである
- 家族や自分自身も大切にする
4. 7つのバリューに込めた想い
ー 7つのバリューの中で、「これは絶対に入れたい」と強く思ったものはありましたか?
特に大切にしたかったのは、「相互尊重するチームである」と「家族や自分自身も大切にする」の2つです。
「相互尊重」は、ビジネスを成長させるために必要な価値観だと考えています。
信頼関係があるからこそ、提案もしやすくなり、余計なやり取りに時間を使わずに済みます。結果として、開発のスピードも上がり、気持ちよく仕事ができる。だからこそ、この価値観は大切にしたいと思いました。
また、「家族や自分自身も大切にする」ことも、本気で入れたかった価値観です。
これはCSR的なお題目ではありません。自分や家族を大切にできる組織だからこそ、良い仲間が集まり、結果として強い組織になっていく。そうした考え方を、事業を成長させるための武器として本気で実現していきたいと考えています。
ー 逆に、入れるか迷ったバリューや、あえて入れなかったものはありますか?
「AIファースト」や「AIドリブン」といった言葉は、実際に議論になりました。
ただ、今回はあえて採用しませんでした。
ITエンジニアを取り巻く技術は変化が激しく、特定の技術やトレンドだけをバリューとして掲げてしまうと、かえって視野を狭めてしまう可能性があると考えたからです。
だからこそ、「AI」という言葉ではなく、「技術へ好奇心を持つ」という表現を選びました。
時流に合わせて新しい技術へアンテナを張り、自分の選択肢を増やし続けること。
そして、「今までこうしてきたから」と思考停止せず、その時々でより良い選択肢を考え続けること。
そうした姿勢を、このバリューに込めています。
5. バリューは「目標」ではなく、「大切にしたいこと」
ー このバリューを通じて、どんな組織を目指したいですか?
今回の7つのバリューは、「達成しなければならない目標」ではありません。
現時点での完成形というわけではなく、「今の私たちは、ここを大切にしていきたいよね」という認識を言葉にしたものです。組織や事業のフェーズが変われば、内容をブラッシュアップしていくこともあると思います。
大切なのは、全員が同じ方向を向き、「この7つを大切にしていこう」と言える組織であり続けることだと考えています。
7つのバリューを、開発現場の行動へ
今回は、7つのエンジニアバリューが生まれた背景や、そこに込めた想いをご紹介しました。
次の記事では、それぞれのバリューに込めた考えや、日々の開発現場でどのように向き合っているのかを、具体的なエピソードとともに掘り下げます。