エンタメ業界で20代に任せる理由
こんにちは。株式会社リアルアキバ・コミュニケーションズの倉光です。
今回は、「若手に仕事を任せること」について書いてみようと思います。
エンタメ業界で仕事をしていると、20代のメンバーにかなり大きな仕事を任せることがあります。
企画を考える。クライアントと打ち合わせをする。イベントをつくる。SNSや宣伝施策を考える。タレントやクリエイターと一緒にプロジェクトを動かす。
会社によっては「もう少し経験を積んでから」と言われるような仕事でも、本人にやる気があって、任せられると思えば、私はできるだけ早く経験してもらいたいと考えています。
それには理由があります。
エンタメに「10年後の正解」はない
エンタメ業界は、とにかく変化が速いです。
SNSの流行も変わりますし、コンテンツの楽しみ方も変わります。
数年前には存在していなかったサービスや文化が、あっという間に当たり前になることも珍しくありません。
だから、「10年間経験を積めば、10年後も正しい判断ができる」とは限りません。
もちろん、経験には大きな価値があります。
過去の成功や失敗を知っているからこそ、避けられる問題もたくさんあります。
一方で、若い世代だからこそ分かる感覚もあります。
今、何が面白いのか。
何がダサいのか。
SNSで何がシェアされるのか。
ファンは何に熱狂しているのか。
こうした感覚については、むしろ20代のメンバーから教えてもらうことも少なくありません。
だから私は、「若いから経験不足」とだけ考えるのではなく、若いこと自体が一つの強みになる業界だと思っています。
任せないと、できるようにはならない
もう一つ、とてもシンプルな理由があります。
仕事は、実際にやらないと身につかないからです。
企画書の書き方を100回説明するより、一度自分で企画書を書いて、誰かに提案してみたほうが学べることがあります。
イベント制作について何時間勉強するより、一度現場を担当してみたほうが、「ここまで準備しておかなければいけないのか」と実感できます。
クライアントとの打ち合わせも同じです。
先輩の横でずっと話を聞いているだけではなく、自分の言葉で説明して、質問されて、時にはうまく答えられなくて。
その経験をして初めて分かることがあります。
だから、成長してから仕事を任せるというより、
仕事を任せるから成長する。私はその順番だと思っています。
もちろん「丸投げ」と「任せる」は違う
ただ、ここは勘違いしてはいけません。
若手に任せることと、若手に丸投げすることはまったく違います。
「若いうちから裁量があります」という言葉は、聞こえはいいです。
でも、何も教えず、責任だけ背負わせてしまったら、それは育成ではありません。
最終的な責任を持つ人がいる。
困ったときに相談できる人がいる。
大きく間違えそうなときには止める。
その環境を用意したうえで、本人に考えてもらう。
そこまで含めて「任せる」だと思っています。
失敗させないことが、育成ではない
若手に仕事を任せれば、当然失敗することもあります。
確認が足りなかった。
スケジュールを読み違えた。
相手への伝え方が良くなかった。
もっと準備しておけばよかった。
私自身も、これまで仕事の中でたくさん失敗してきました。
だから、失敗そのものを必要以上に責めるつもりはありません。
大事なのは、その後です。
「なぜ失敗したのか」「次はどうすれば防げるのか」
そこまで考えられるのであれば、その失敗は次の仕事に活きます。
逆に、失敗を恐れて何も任せなければ、大きな失敗はしないかもしれません。
でも、大きな成長もしません。
会社として守らなければいけないラインは守りながら、若いうちにできるだけ多くの経験をしてもらう。
そのバランスが大切だと思っています。
年齢ではなく、「任せられる人」に任せる
もちろん、「20代だから仕事を任せる」という意味ではありません。
年齢に関係なく、任せられる人に任せます。
では、どんな人に任せたくなるのか。
私が一番見ているのは、分からないことを分からないと言えるかです。
分からないのに分かったふりをする人に、大きな仕事を任せるのは怖い。
逆に、「ここまでは分かっています。ただ、ここから先が分からないので教えてください」と言える人には、安心して仕事を任せられます。
もう一つは、最後まで自分事として考えられること。
言われた作業を終わらせて「自分の仕事は終わりました」ではなく、
「このプロジェクトを成功させるために、ほかに何が必要だろう」
と考えられる人です。
経験が少なくても、こういう人にはどんどんチャンスを渡したいと思っています。
20代だからこそ、たくさん失敗してほしい
エンタメの仕事には正解がありません。
企画、イベント、広告、SNS、タレントプロデュース。
昨日成功した方法が、明日も成功するとは限りません。
だからこそ、若いうちから正解のない仕事に向き合って、自分で考える経験を積んでほしいと思っています。
もちろん、任される側は大変です。
「こんな仕事、自分にできるのかな」と思うこともあるでしょう。
でも、少し背伸びしなければ届かない仕事を一つずつ経験していくことで、気がつけば以前ならできなかったことが普通にできるようになっています。
私たちの会社も、まだまだ成長途中です。
だから、「完成された環境で決められた仕事をしたい」という人よりも、
「自分で考えて、自分で仕事をつくっていきたい」
という人のほうが、きっと面白いと思います。
年齢に関係なく、面白いアイデアは面白い。良い提案は良い。
そして、やってみたいと言う人には、できる限りその機会をつくりたい。
若手に仕事を任せるのは、単なる人材育成のためだけではありません。
新しい感覚を持った人に本気で任せることが、エンタメ企業として新しいものを生み出し続けるために必要だからです。
これから入社する方にも、ぜひ遠慮せず「やってみたい」と言ってほしいと思っています。
その一言から、次の面白い仕事が始まるかもしれません。