ホテル客室清掃 DX を推進する株式会社 Edeyans、シリーズBで総額6.7億円の調達を決定
株式会社Edeyansのプレスリリース(2025年11月12日 10時00分)ホテル客室清掃 DX を推進する株式会社 Edeyans、シリーズBで総額6.7億円の調達を決定
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000040554.html
シリーズ B にて総額6.7億円の資金調達を決定した EDEYANS。
その背景には、ホテル業界の大きな転換期と「EDEYANS にしかできない挑戦」がありました。
EDEYANS は「現場から生まれたテクノロジー」で、ホテル運営の基盤を変えようとしています。
その中心にあるのが、客室清掃を起点にホテルのバックヤード全体をマネジメントする AI SaaS「Jtas(ジェイタス)」。
紙や電話で行われてきた煩雑なやり取りを一元化し、タスクや客室状態をリアルタイムで可視化する「ホテル運営のOS」を目指しています。
客室清掃オペレーションを起点に、ホテルの「目」となり、「脳」となって品質を支える──。
今回は代表の片山さんに、シリーズ B 資金調達の背景、客室清掃オペレーション事業と「Jtas」(AI SaaS)事業の進化、そして「世界中の宿泊を支え、感動を生む」というミッションに込めた想いを伺いました。
第1章|シリーズB 調達の背景──リアルとテクノロジーの両輪でホテル全体を支える存在へ
第2章|ホテル業界の転換期──“品質” が競争力になる時代へ
第3章|現場からしか生まれないプロダクト──EDEYANS の強み
第4章|ホテルの「目」と「脳」としての進化
第5章|未来への視座──EDEYANS がやらなければならない理由
結びに──この場所から、ホテルの未来を変えていく。
ーー シリーズ A から約1年半。このタイミングでのシリーズ B 調達には、どのような背景があったのでしょうか?
シリーズ A の頃、Jtas に手応えはありましたが、「確実に伸び続ける」と言える段階ではありませんでした。
そこから1年半。大手ホテルチェーン(部屋数2,000室以上を保有するホテルチェーン)を中心に一気に導入が広がり、1年で MRR(月次計上収益)は4倍、解約はゼロ。今では「ホテル運営に不可欠な存在」として定着しつつあります。長らく IT 化が難しいとされてきた領域で価値を発揮できるようになったことが転換点でした。
今回のシリーズ B 調達決定は、その成長を踏まえたうえでの挑戦であり、客室清掃から出発した EDEYANS が「ホテル運営全体に挑む」フェーズの足がかりです。
単なる清掃会社でも、SaaS 企業でもない。
この「リアルとテクノロジーの両輪」を持ち、磨き上げていく会社は、EDEYANS 以外にありません。
ーー ホテル運営全体へ挑む、とは?
Jtas によって客室清掃オペレーションの大幅な工数やミス削減といった成果が出ました。
しかし同時に、フロント中心のホテル管理システム(PMS)では拾いきれない、バックヤード全体の連動不全(タスク・コミュニケーション・メンテナンス、客室状態の継続管理など)が数多く残っていることに気づいたんです。
ーー どのような課題でしょうか?
客室清掃にとどまらず、ホテル全体の運営構造に改善の余地があります。今回のシリーズ B は、そこへ踏み込むためのものです。
私たちは客室清掃オペレーションから始まりましたが、ホテルという巨大な仕組みを、テクノロジーと現場オペレーションの双方で変えていく。開発投資と人への投資、その両方を欠かさず磨き上げていくことで、人手不足という構造的な課題にも Jtas と清掃オペレーションの両輪で応えていきます。
ーー 今、ホテル業界全体が転換期を迎えていると伺いました。その背景を教えてください。
大きな要因は人手不足です。これはコロナ以前からの構造的課題でした。
そこに、コロナ禍を経て3つの変化が起きました。
ーー 宿泊需要の回復が、逆に現場の疲弊を生んでいるんですね。
そうなんです。これまでホテルは、マーケティングやわかりやすく売上に直結しそうなものに投資してきました。しかし今は、「オペレーションの品質」こそが競争力になる時代。
品質が保たれなければ、ゲスト(宿泊客)の満足度も収益も続きません。この構造的課題に真正面から取り組めるのが、私たち EDEYANS だと確信しています。
ーー EDEYANS が現場を一番近くで見ている会社だからこそ、ですね。
はい。私たちは客室清掃オペレーションの現場で、「人手が足りないからこそ品質が落ちる」構造をずっと見てきました。だからこそ、机上の理論ではなく、実際の現場で積み上げてきた知見と、それを形にするテクノロジーの両面で解決する必要がある。この変化期を支えられるのは、EDEYANS しかいない。私たちがやらなければ、業界全体の成長が止まってしまうと感じています。
ーー Jtas は、直近1年でMRR(月次経常収益)が4倍、チャーン率 0% だそうですね。ここまで受け入れられた理由は何でしょうか?
IT ベンダーは仕組みを作れますが、現場の課題に深く触れる機会が限られています。一方、清掃会社は現場を理解していても、テクノロジーで構造を変えることは難しい。
私たちは、客室清掃オペレーションからこの領域にエントリーした会社です。現場を肌で知り、日々の課題を自分たちの手で解いてきた。だからこそ、IT ベンダーや清掃会社にはできないアプローチができたと思っています。
ーー 両輪の構造が、まさに EDEYANS の独自性ですね。
そうです。Jtas の開発メンバーは実際にホテル現場に入り、スタッフと同じ目線でオペレーションを理解します。結果的に、ホテルの方から「ここまでかゆいところに手が届くとは!」と感動してもらえることも多いんです。これは単なる機能の話ではなく、同じ現場の痛みや苦労を経験しているという実感が、ホテルとの距離を縮め、他社にはない、共に品質を磨き、宿泊体験を高めていく関係性を生んでいます。
ーー 客室清掃オペレーションについて、どのような特徴があるのですか?
EDEYANS の客室清掃オペレーションは、単なる作業ではなく、ホテルの競争力を共に創る仕事です。
日々の清掃の中で、エアコンの不調や壁紙の剥がれといった小さな異変を見つけ出し、クオリティを維持する。ホテルの方々が気づきにくい客室の変化を現場から捉え、報告し、改善につなげる。そうして「ホテルの目」として機能しています。
ーー 「ホテルの目」という言葉が印象的です。単なる客室清掃とは捉えていないんですね。
その通りです。EDEYANS の客室清掃オペレーションは、もはやアウトソーシングではありません。ホテルの一部として品質を守り抜く存在です。
私たちが現場で見つけた小さな異変を捉え、報告し、改善へとつなげられるのは、ホテル運営のタスクや客室の状態を一元的に記録できる自社システム「Jtas」と、徹底した人材育成に裏打ちされたスタッフの力があるからです。こうして得られた気づきが、ホテル運営全体の改善にそのまま生かされています。
ーー 現場を担う「ルームマイスター」の存在も重要ですよね。
もともと客室清掃スタッフはアルバイト中心でしたが、私たちはこの仕組みを抜本的に見直し、社員採用へと舵を切りました。そして、客室清掃という仕事に込めてきた誇りや専門性を、より明確に言葉として表したのが「ルームマイスター」という呼称です。長期的な育成投資を前提に、すでに100名のルームマイスターの採用を進めています。
※ルームマイスター:ホテル客室清掃のプロフェッショナル職。
ーー なぜ、ここまで社員採用にこだわったのでしょう。
ホテルの品質を本質的に支えるのは「人」です。
ルームマイスターは、単なる清掃スタッフではなく、ホテルの品質を守る職人。
だからこそ、この1年は国内の社員採用に加え、インドネシア現地でのルームマイスターの採用・育成にも力を注いできました。私自身も現地で全員と直接面接を行い、社員採用と研修を通じて、技術だけでなくホスピタリティの哲学まで学んでもらっています。
また今回の資金調達を経て、ルームマイスターの採用・育成をより一層強化するため、インドネシアに現地拠点を設立する予定です。
ーー 現場と向き合う姿勢がすごく伝わってきます。一方で、Jtas 側の進化も進んでいると聞きました。
Jtas は、現場から上がる膨大な情報を整理し、ホテル全体の運営を見える化する「脳」の役割を担えるようになってきました。
清掃品質、客室のメンテナンス、共有メッセージ──すべてが Jtas 上でつながり、現場の判断を支える。
これまで紙と電話でアナログにやり取りされていた非効率なコミュニケーションが一本の線でつながることで、ホテルも清掃会社も、同じ目線でホテル全体を捉えられるようになってきました。
ーー Jtas はどのような未来を目指しているのでしょうか?
まずは、ハウスキーピング領域の国内標準を確立すること。
日本の主要ホテルの多くが Jtas を採用し、「ハウスキーピングマネジメントは Jtas を使うのが当たり前、この領域は EDEYANS に任せれば間違いない」と言われる状態をつくりたいと思っています。
そこから先は、客室清掃にとどまらず、備品管理・メンテナンス・設備点検など、ホテル運営全体の AI 化を進めていきます。フロントやホテル管理システム(PMS)がカバーできなかったバックヤード業務を、Jtas がタスクとコミュニケーションの連動で支えること。そして最終的には、周辺領域へ拡張し「ホテル業界標準 OS」として進化すること。私たちが目指しているのは、ホテル運営における新しい基盤そのものです。EDEYANS は、現場とテクノロジーの両輪で、宿泊産業の未来をつくっていきます。
ーー 今後の展望を教えてください。
日本のホテル業界は、観光需要の回復に現場が追いついていません。
このままでは宿泊の品質が維持できず、観光立国としての競争力を失う。
だからこそ、私たちが伸びなければならない。
そしてその先には、日本にとどまらず世界の宿泊を支える未来も見据えています。
EDEYANS は「世界中の宿泊を支え、感動を生む」というミッションのもと、客室清掃 DX プラットフォーム「Jtas」(AI SaaS)と客室清掃オペレーションの両面から宿泊体験を再設計します。
ホテルが「このホテルはシモンズのベッドを使っています」と誇るように、「このホテルは EDEYANS が客室清掃を手がけています」と言われる未来をつくりたい。究極的には「EDEYANS が携わっているホテルだから泊まりたい」とゲストに選ばれるようになることが目標です。
清掃という言葉では表しきれない品質の象徴として、EDEYANS がゲストに感動を届ける存在となることを目標としています。
「世界中の宿泊を支え、感動を生む」。
この EDEYANS のミッションを、単なるスローガンではなく、心から実現したいと思っています。
いま日本の観光は大きな岐路にあり、人手不足客室清掃を含むサービスの品質が追いついておらず、このままでは、せっかくホテルに訪れるゲストに満足いただくことはできません。
そのような中、EDEYANS はホテルの現場を誰よりも見てきました。
だからこそ、課題の深さも、そこにある可能性も知っています。この場所から変えていけるのは、EDEYANS しかいない──そう信じています。
この想いや課題に、少しでも心が動いた方がいたなら、もしこの想いに共感いただける方がいたなら、ぜひ一度、カジュアル面談や面接でお話させてください。