今回ご紹介するのは、とよす株式会社 『とよす洛味堂』の季節限定商品「すいかあられ」のパッケージデザイン。毎年人気の季節商品ですが、この度デザインリニューアルのご依頼をいただきました。
このデザインを手がけたのは、入社2年目のデザイナー・生天目(なまため)さん。「とにかく美味しく見えるようなパッケージを意識しました!」と楽しそうに語る生天目さんに、デザインの裏側について伺いました。
■ プロジェクトについて
― 今回のプロジェクトの概要を教えてください。
『とよす洛味堂』の夏季(6月〜8月)限定商品「すいかあられ」のパッケージリニューアルと個包装デザインを行いました。そのブランドらしい世界観と、季節を感じさせる美味しそうなビジュアルで、商品の魅力が伝わるデザインを目指して制作しています。たくさんこだわりポイントがあるので、ぜひそのお話ができればと思います!
― 以前にこのクライアントの他プロジェクトにも参加されたそうですね。
はい!同じく季節限定で販売している「ひなあられ」のパッケージと個包装のデザインも担当させていただいています。あられのコロコロとした可愛らしさと、ひな祭りの華やかさを表現しました。
箱の形も相まって、写真映えするデザインになったかと思います。 私が手がけたパッケージの中でも特にお気に入りの一つです!
― 今回はどのような依頼内容・ご要望でしたか?
夏季限定商品の「すいかあられ」は、あられ自体がすいかの形をしているユニークで可愛らしい、サラダ味のあられです。TCDでは、そんな季節限定商品である「すいかあられ」のパッケージリニューアルと個包装デザインのご依頼をいただきました。
これは、小袋での販売から個包装への変更、そしてそれに伴う箱の形状変更によるものです。かなり自由度の高いご依頼であったため、TCDからは幅広いデザイン案をご提案させていただきました。
― チーム体制や、デザイン提案~納品までの進行について教えてください。
この案件は、ディレクターとデザイナー3名の計4名で提案に臨みました。当初はすいかの断面を表現したデザインのみを想定していましたが、柄やパターンなど様々な要素でバリエーションを増やし、お客様が新たなアイデアや考え方を見つけられるよう、4案の幅広いデザインを制作しました。
私のデザインがメインに選ばれてからは、それぞれのアイデアの長所を組み合わせて調整し、チームで密に連携を取りながら納品まで進めました。
■ デザインに込めた想いやコンセプト
―リニューアルをするうえで意識した点はありますか?
元々が目を引く美味しそうなすいかのパッケージだったので、そのイメージは維持したいと考えていました。引き続きすいかの断面をパッケージに取り入れると決まった際も、社内ではパッケージの赤色について議論し、夏らしさとすいかの美味しさが一目で伝わるように調整しました。とにかく「美味しそう!」と思ってもらいたかったんです。
その上で、『とよす洛味堂』らしい可愛らしさを表現するため、商品名のデザインを変えたり、全体の色味やイラストのタッチを工夫したりしてみました。
―パッケージデザインの中で特にこだわったポイントは?
イラストのタッチです。リアルすぎないラインを狙いながら、種でカラフルさを出し、単調にならないよう調整したり、すいかの実の部分と商品名が立つように皮の表現にテクスチャーの重ね合わせを取り入れたりしました。
パッと見た時に注目して欲しい商品名を一番気にしていましたが、それだけでなくワクワクするような 楽しいデザインになるように、実際に社内で印刷・組み立てを行いながら微調整を繰り返しました。
― デザインに遊び心が感じられますが、今回特に挑戦された表現はありますか?
パッケージにも色々な挑戦がありましたが、特に個包装の上下の柄の表現が挑戦でした。テクスチャーの感じと色数を考えて、白インクをひいてみたり少しデザインを変えてみたりと色んな案を出しました。
クライアントの方から印刷所に質問いただき、自然なテクスチャーが出る印刷方法を教えてくださったりと、私一人では完成できなかった表現で、とても勉強になりました。もっと印刷方法について学ばないといけないなと感じた一件でもあります。
実際お手元に実物がある方はぜひ見てみてください。特に光に透かすと柄が見えやすいですよ!
■ 制作のプロセスについて
―「すいかあられ」を含め季節商品には特徴的なパッケージが多いですが、制作の難しさや工夫した点はありますか?
季節商品の特徴的なパッケージは、複雑な展開図から作成されます。展開図とは立体を平面上に展開した図面のことですね。TCDでは、このいただいた図面にデザインを落とし込んでご提案、納品を行っています。
工夫した点としては、制作の際にこの図面を印刷し、実寸サイズの立体におこしながら作業することでしょうか。そうすると、平面の時には気付けないことがたくさんあるんです。
例えば柄の大きさは適正かどうか、この柄や配置で売り場に置いた時に見えるのかどうか等気づくことがたくさんあると思っています。もちろん展開図が複雑なので、どの面がパッケージの正面になるのかなど、あやふやな部分を確認する意味もあります。
少しイラストの配置を変更しただけでもすぐに立体にして確認していたので、入稿までの期間はデスクに たくさんのすいかが置いてありました!
■ プロジェクトを振り返って
― クライアントの担当者や、他のメンバーからのフィードバックで印象に残っているものはありますか?
クライアントの方から「可愛いデザインをありがとうございました」とおっしゃっていただいたときは、とても嬉しくて感動しました。
自分のデザインで人に喜んでもらえることはこんなに嬉しいことなのかと、仕事のやりがいを感じた瞬間でしたね。デザイナーになって良かった!と心から思いました。
― 実際店頭へ商品を見に行かれたそうですね。陳列されている様子はいかがでしたか?
すごく目立っていてびっくりしました!遠目からでも赤いものがあるなと思っていたのですが、近くで見たら真っ赤なすいかがずらっと並んでいて、夏らしさを感じました。
やっぱり、自分が関わったものが世に出ると感動します。棚一面のすいか、すごくインパクトのある光景 だったのでぜひ店頭で体験してみて欲しいです。
― 今後挑戦したいデザインや、やってみたいことがあれば教えてください!
引き続き、お菓子のパッケージデザインにチャレンジしたいです!そのお菓子のブランドらしさや世界観をパッケージ一つでうまく表現できるようになりたいですね。
そして何よりも、誰かに喜んでいただけることが一番なので、クライアントや実際に購入されるエンドユーザーに刺さるデザインが作れるよう、これからも精進したいと思います。
■ おまけ:担当者のちょっとした小話
― 手土産やちょっとしたプレゼントを買うとしたら、生天目さんはどういう商品を選んでいますか?
百貨店をぶらぶらしながら、贈る人のことを思い浮かべて、ついかわいいものを選んじゃいます。このすいかあられも家族へのプレゼントとして購入しました!夏らしくて可愛い、美味しいと大好評で嬉しかったです。
手土産選びって本当にワクワクしますよね。いつか、自分の手がけたものも、誰かの「これ、あの人にいいかも!」になれたら嬉しいです!