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売上ほぼ0の状態からスタートした入社後三年間をふりかえって

 ソフトウェアエンジニアの kenyu です。絶賛成長中のテックタッチですが、入社して三年間、いろんなことがありました。せっかくなので、この三年間を時系列で振り返ってみた後、私が感じる変わったこと、変わらなかったことについてもお伝えできればと思います。

 ちなみに三年前の記事はこちら

入社後三年間をふりかえって

 この三年間本当にたくさんのことがありましたが、特に読者の皆さんにお伝えしたい内容に絞ってご紹介します。

 2019年、メンバー数が5人くらいの時期に入社しました。入社直後はプロダクト正式ローンチ直後ということもあり、売上がほとんどない状況でした。テックタッチというプロダクトが世に受け入れられる確信はありましたが、売上が立っていないということはまだそれが一ミリも証明されていない状態です。そんな中、世に我らのプロダクトをアピールすべく満を持して展示会に初出展しました。

 なんせ、まだまだ人数が少なかったので、セールスもエンジニアもデザイナーも関係なくメンバー総出でした。最初はプロダクトの価値が伝わるか不安がありましたが、蓋を開けてみればそんな不安も吹き飛ぶ反響。お客様が次々に足を止めてプロダクトの説明を聞いてくれるうえに反応もよく、強く手応えを感じた展示会でした。また、エンジニアが直接お客様の反応を知ることができたのはよかったです。「百聞は一見に如かず」ですね。
 仕事ではありますが、どことなく文化祭のようなたのしさを満喫することができました。

 展示会はよかったのですが、その後は PMF(プロダクトマーケットフィット)の難しさを知ることになります。実際お客様が契約していただくために乗り越えなければならないハードルがいくつもあり、試行錯誤の連続でした。いま思えば、B2B SaaS における PMF をプロダクトだけで達成するのは困難で、セールス、カスタマーサクセスと合わせて三位一体で取り組むことによって徐々に PMF が進んでいったように思います(ちなみに今もまだ道半ばだと思っています)。
 そんな中でビッグディールを成功させます。これぞ三位一体で取り組んだ結果であり、有名な大企業との契約によってプロダクトの周知が進み、他のお客様との契約を後押ししてくれる大きな価値を生むことになりました。

 2020年、コロナによって社会が大きく変わります。我々もリモートワークが主となり、業務の進め方を大きく変えていく必要に迫られました。一方で事業的には DX を推進する世の中の流れに後押しされたこともあり、目立った問題は発生しませんでした。
 コロナ下で面接も原則オンラインとなる中で、着実に仲間は増えていきました。また、シリーズ A の資金調達を行い、5億円程度の資金を調達しました。

 2021年、機能開発と並行して進めていた Vue から React への全面リプレイスを行います。このタイミングでフロントエンドの設計も大きく見直したため、性能が改善され、かつ品質を維持しながら機能追加がしやすくなりました。アーキテクチャ刷新に伴うリプレイスは賛否両論ありますが、我々としては成功だったと感じています。事業の進捗に与える影響も軽微でした。それはリプレイスのタイミングが早期だったことも関係あるかもしれません。
 また、コロナの感染者数が落ち着いたタイミングを見計らってオフサイトミーティングをオフラインで行いました。そのころにはメンバー数が40人を超えており、事業だけでなく組織の規模も大きくなってきたことを感じさせられました。

 そして2022年、メンバー数は50人を超え、事業も組織も一皮むけなければいけない状況に直面しています。いままでは良くも悪くも同好の士の集まりといった雰囲気がありましたが、その良い側面は維持した上でより洗練された組織を目指していく必要があります。個人的にはそんな状況にワクワクしています。

変わったこと

 変わったこと、それは事業も組織も規模が大きくなったことです。前述のとおりビッグディールを成功させてから知名度と信頼度が高まり、お客様との契約が順調に増加していきました。それに伴い、セールスチーム、カスタマーサクセスチーム、プロダクトチームの戦力増が求められ、より多面的な展開に対応できるようになっていきました。

 採用においては非常に優秀なメンバーが続々仲間入りしていき、それに伴って事業も順調に成長していきました。改めて採用の重要性を痛感し、なんとしてでも優秀なメンバーを仲間にすることが成功の秘訣なのだと思いました。一方で、優秀であっても文化にフィットするか否かは妥協せずに採用活動を進めてきたことも重要なポイントだと思っています。いまのテックタッチがあるのは、採用に依るところも大きいように感じます。

 そうそう、あとひとつ変わったことがありまして、めっちゃどうでもいい話ですが長髪から短髪になりました

変わらなかったこと

 当初の計画をあまり変えることなく成長してこれたのは、手前味噌ながらすごいことだと思っています。往々にして事業計画は絵に描いた餅となりがちな側面もあると思いますが、そうならなかったのはやはり優秀なメンバーたちのおかげだと思います。我が仲間たちがとても誇らしいですね。

 また、規模が大きくなってきても「組織あっての人ではなく、人あっての組織である」文化であり続けています。会社が大きくなるにつれて「会社の犠牲になる個人」という構図が生まれがちだと思いますが、個人が集団を成して会社という組織を作る以上、「個人を尊重した延長線上に会社がある」と考えます。だからといって個人のワガママを無条件に許すというのも違うので結局は程度問題なのですが、基本は冒頭の考え方でやってこれていると感じるので、イチメンバーとしてはとてもいい環境だなと感じています。

ふりかえってみて

 ここまで三年間をふりかえってきましたが、変わったことも変わらなかったことも、いい意味でどちらもあるなぁーという感覚です。課題は尽きませんが、自然に変化と不変のメリハリをきかせてやってこれていることがテックタッチらしさにつながっているように感じます。

 これから米国の金融引き締めに端を発した「冬の時代」が訪れ、スタートアップやベンチャーにとって長く苦しい時期の到来が予想されます(「冬の時代」についてはこちらの記事でわかりやすく解説されています)。それでもこれまでどおり奇をてらわず地道に成長を続けられれば、やがて大きな結果につながっていくだろうと確信しています。

 これからもこのエキサイティングな環境を満喫しつつ、また後でこんな記事をかけたらいいなぁーと思っています!

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