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未来への願いとしてのエシカル消費
あなたが買ったあの服は、本当にあなたが欲しかったものですか。
それとも、誰かの視線を意識した選択だったのでしょうか?
2030年には、働く世代のほとんどをミレニアル世代以下が占めるようになります。
この世代の消費者、そして働き手は、企業を見る目が大きく変化しました。
「サステナブルであること」「誰も傷つけないこと」
そんな価値観を大事にする選択が、当たり前になりつつあります。
これは、素晴らしい潮流だと思います。
私たち一人ひとりが、日々の買い物や働き方を通して、少しでも世界を良くしたいと願っている。
その願いが結集し、未来を動かす力になっている。
しかし私は、エシカル消費がこれほどまでに浸透している背景には、こうした“素敵な願い”だけではない、別の力が働いているのではないかと感じています。
これまであまり語られてこなかった、そのもう一つの力について、今日は掘り下げてみたいと思います。
(ギリギリまで悩んだタイトル
”エシカル消費”を後押しする闇の力の話。
どうですか、この中二病感。読み直してやめてよかったーと思ってます。が、どうでしょうw)
「吊るされる」時代の到来
かつての企業経営は、一方的な力関係で成立する“簡単な時代”でした。
「安くて便利」の裏側は見せなければよかった。
「声を上げようとする誰か」は、潰してしまえばよかった。
一方的な力の時代です。
そこにSNSというレンズが登場しました。
企業は突然、四方八方から監視される立場に置かれます。
もはや一人の「正義」だけでは通用しません。
多様な「正義」がぶつかり合う複雑な社会へと変貌を遂げたのです。
自社やサプライチェーンの都合を優先する選択をするとき、その裏にもっと社会や、従業員にとって良い答えがあるはずだ、という問いを放棄している。
そうした企業姿勢は、瞬時に見抜かれ、暴かれ、批判され、そして「吊るされる」リスクを抱えるようになりました。
私たちは、見えない誰かの「視線」とその「印象」を選んでいる
この変化は、消費者も例外ではありません。サプライチェーンの裏側まで容易に知れる現代において、服を買うとき、その製造現場での児童労働や環境破壊を想像してしまうことがあります。
すると、ふと不安がよぎるのです。
「そんなものを平気で着る人なんだ、と思われたくない」
「無神経な消費者だと思われるのは怖い」
そんな、見えない誰かの視線を感じるようになった。
企業も同じです。
以前なら、批判の声は力で抑え込めたかもしれません。
しかし今では、名もなき個人のSNS投稿一つで、大企業の信用が一瞬にして失われかねません。
企業は、常に「見えない誰かの正義を踏みにじってはいないか」という恐怖に怯えながら、日々の選択を迫られているのです。
「配慮された服を着たいから」ではなく、「配慮ある取引をしたいから」でもない。
そうせざるを得ない「空気」が、私たち個人も企業も支配している。
そのように感じることはないでしょうか。
「願い」と「恐怖」が織りなす未来
こうして見ると、私たちがエシカルな選択をするのは、未来への願いだけではなく、「吊るされる恐怖」に背中を押されている側面も無視できないのではないでしょうか。
無意識のうちに、見えない誰かに刺されないように、怒られないように。その恐怖が、私たちを慎重にさせ、共感や誠実さを重視する社会を作っている。
企業も個人も、それぞれの立場で「これでいいのか?」と問い続けるようになった。
この「恐怖」という力は、誰もが言葉にしなかったけれど、確かにこの社会を動かす大きな原動力の一つなのです。
the kindestが目指す、「誇れる経済と循環の話」
誰かの目を気にしながら選んだ服も、願いと恐怖が入り混じった選択も、悪いことではないと思います。
そんなもんだと私は思います。
ただ、最終的に「選ぶ」のは、やっぱり私たち自身。
私たち現役の親世代は、子どもに何を残せるのか、いつも心のどこかで考えています。
でも現実は、時間も余裕もなくて、つい「安くて早くて便利」なものに手を伸ばしてしまう。
そして、企業がそこで生まれるニーズ、数字と向き合ってきた結果が、今の社会の形です。
これは、当時の時代背景を考えれば自然な流れでした。
私自身も同じ時代に経営していたら、同じ選択をしていたと思います。
しかし、今の食産業は本当に健全な状態でしょうか?
誰かに、あるいはいつかの未来に、しわ寄せを送っているだけではないか、そう感じることはないでしょうか。
「それは、子どもたちに誇れる選択か?」
だからこそ私たちthe kindestは、その問いに応えられる選択肢をつくり続けようともがいています。
- どこの誰が、どんな想いで作ったかを誇れ、誰にも見せられるクリアなサプライチェーン。
- 子どもたちが安心して口にできる、環境や未来に過度な負担をかけない原料。
- 生産者の誇りや文化が、次の世代へと続いていく取引や製造。
そんなこだわりを積み重ねたのが、the kindestです。
私たちが目指すのは、the kindestを単なる「子育て家族向けの人気ブランド」にすることではありません。
ここで生まれる一つひとつの選択が、もっと大きな経済圏となり、巡り巡って、作る人も、選ぶ人も、そして子どもたちも幸せになれる。
今までの時代には産まれ得なかった生活者の皆さんの声を力に、「循環する、誇れる経済」を代表するブランドを皆さんと一緒に育てていきたいと願っています。
未来への「投票」!その一票が、私たち自身、そして子どもたちに残せる世界を変えていくと、私たちは信じています。