【マネージャー昇進】その時社長にかけられた一言とは?
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マネージャーの辞令が出た日、自分は社長室に居ました。
これまで何度か足を踏み入れたことがある社長室でしたが、今日から役割が変わった自分にとってはいつも以上に緊張感の漂う空間でした。
着席を促され、出されたコーヒーにほとんど手を付けられないまま、マネージャー(エンジニアの約半数が所属する、ビーイング主力製品の開発を担当する部署の課長)としての役割や自分に期待することについてお話をいただいたような気がします。
というのも、緊張していたためか話の内容はほとんどは覚えていないのですが、「マネージャーとして、Oさんらしい部署にして欲しい」と言われたことは印象に残っていました。
自分らしい部署とはどういうことだろうか?
そもそも自分らしさとはなんだろうか?
この時は難しい課題を出されたなぁと思いながら、すぐには答えが出るようなものでもないので一旦頭の片隅に置いておき、業務に追われる日々を過ごしていました。
時は過ぎ、マネージャーになってから1年が経過した頃に、社長からとある外部研修を紹介され、参加することになりました。
組織のリーダーを対象にした研修は4回あり、毎回講師の方とテーマが変わる研修でした。
研修に参加されたことがある方はご存知だと思いますが、昨今の研修はインプットよりアウトプットを重視する傾向にあると思います。
講師の方がお話をするだけでなく、受講者がグループに分かれて感じたことや気付きを話し合うという場が設けられることがよくあります。
自分が受講した研修でもグループでディスカッションをする場が何度もありましたが、自分はそのような場で咄嗟に感じたことや気付きを話すことが苦手でした。
格好良く思われたいという気持ちから、どこかで聞いたことのあるようなテンプレート的な話をしたり薄っぺらい考えを話したりと、端から見たら全然格好良くないつまらない回答をしていたと思います。
そんな自分が嫌だと感じていたのですが、4回目の研修にて講師の方が「今日は自分らしく発言してくださいね」と話されていたのを聞いて、今回は最後だし吹っ切れてみようと思い研修に臨みました。
ディスカッションでは周りからどう思わるかは気にせず、自分の感じたこと、思ったことを素直に発言しようという意識でいたおかげで、周りの反応はともかく、自分としては清々しい気持ちで研修を締めくくることができたと思います。
講師の方から言われた一言によって気持ちを切り替えることができ、満足感に浸りながら研修内容の振り返りをしているところで、ふと社長から言われていた「自分らしい部署にして欲しい」という言葉を思い出しました。
改めて「自分らしさ」とは何か?という質問を考えてみると、「自分が大切にしていることやこだわりは何だろう?」という質問に変わりました。
自分は普段から「言葉を大切にしたい」というこだわりを持っていました。
ソフトウェア開発を進める上で言葉の意味や解釈を間違えると、要求とは異なる形で対応されたり、手戻りが発生したりします。
こういったことを防ぐために、仕様書や文章は曖昧さを排除して正確に伝えるようにメンバーにもお願いしていました。
「言葉を大切にする」ことは「自分なりのこだわり」でしたが、会社の部署として「言葉を大切にする」という考えがあっても良いのでは?
自分に対する考えを部署の考えに適用する。個人的には衝撃的な気付きでした。
「自分らしさ」は内面的なものと考えがちですが、適用範囲を自分以外にも考えてみることで世界が広がることもあるのだなと感じた瞬間でした。
「自分らしさ」は強みや弱みとは少し違うものだと思いますが、普段から気にしていることや、大切にしていること、それらの「自分らしさ」を自分以外の誰かに広めたり共感してもらう行動が、自分にとっての強みと言えるかも知れません。
あなたの自分らしさは何ですか?