今回は、2025年7月から本格的に運用を開始したハーツネクストのLINE公式アカウントの立ち上げ秘話について、システム設計担当の畑さん、デザインを担当した森さんにインタビューしました。採用活動の新たな窓口として、また社内コミュニケーションの効率化を推進するツールとして、2つのアカウントがどのようにして生まれたのか、その舞台裏に迫ります。
インタビュー参加者
- 畑 昌志(はた まさし):LINEシステム設計担当
- 森 久美子(もり くみこ):デザイン担当
- 立花 友香里(たちばな ゆかり):インタビュー
目次
インタビュー参加者
1. LINE公式アカウント立ち上げの背景と目的:若年層へのリーチ拡大と社内業務の効率化
2. 求職者向けLINEアカウント:応募しやすさを追求したデザインとコンテンツ戦略
3. スタッフ向けLINEアカウント:Google Apps Scriptを活用した業務効率化
4. 7年越しのプロジェクトが実現:未来への展望
1. LINE公式アカウント立ち上げの背景と目的:若年層へのリーチ拡大と社内業務の効率化
インタビュアー: まず、今回LINE公式アカウントを立ち上げることになった背景と目的について教えていただけますでしょうか。
畑: 大きく分けて2つの目的がありました。一つは、新規採用における求職者へのアプローチ強化です。従来の採用媒体、例えばIndeedやホームページ、ハローワークだけでは、「追いかけきれない求職者へのアプローチ不足」という課題を感じていました 。特に、一度面談に来てくださった方々が、その後何らかの理由で縁がなかった場合に、再アプローチができていない点が非常にマイナスだと感じていたんです。LINEは特に若い世代との親和性が高いので、そこを導入することで間口を広げたいという思いがありました 。
畑: 応募者をいかに増やせるかという点も大きな課題でしたね 。外にどんどん情報を出せるツールが必要だと考えていました 。
畑: もう一つは、既存スタッフ向け社内コミュニケーションの効率化です。これまでは、欠勤や遅刻、早退の連絡、有給申請、就労証明書の発行依頼、有給残日数の確認といったスタッフからの連絡が、主に営業担当者の携帯電話に集中していました 。紙媒体でのやり取りも多く、有給中にまで対応している営業担当者もいると聞いて、これは負担が大きいなと 。お金にならない、ただ記録するだけの仕事はどんどん減らして、システム化していきたいという思いがあり、この2軸で立ち上げを進めました 。
2. 求職者向けLINEアカウント:応募しやすさを追求したデザインとコンテンツ戦略
立花: 求職者向けのLINEアカウント設計において、特にこだわった点や工夫した点はありますか?
畑: 最も重視したのは「いかに最初から見てもらえるか」という点ですね 。LINEが届いても、興味がなければスルーされてしまうどころか、ブロックされてしまう可能性もありますから。応募しやすさや、求人に興味を持ってクリックしてもらえるかという部分には特に力を入れました 。
立花: デザイン面ではいかがでしょうか?森さん、こだわった点を教えてください。
森: はい。ラインアイコンは、ハーツネクストらしさを意識しながら、ブランドカラーであるブルーを基調としました 。そして、兵庫版と広島版の区別をつけるために、それぞれに遊び心を加えました。兵庫版は港をイメージしたブルー、広島版は瀬戸内レモンをイメージした黄色を使っています 。ユーザーが使いやすいよう、シンプルなメニュー構成も意識しました 。
畑: 社内キャラクターの「ハーツ君」と「ミーちゃん」の活用も考えていると伺いましたが。
森: そうなんです!まだそんなに浸透していないのですが、ホームページには登場しているんです 。これを機に、ハーツ君とミーちゃんをどんどん出していきたいと考えています 。LINEスタンプも作れたら面白いなと思っていますね 。
森: ちなみにミーちゃんは淡路島がモチーフになっているんですよ。よく見ると形が淡路島なんです 。
立花: (驚きながら)そうだったんですね!知らなかったです。
森: 兵庫県をモチーフにしたキャラクターではあるのですが、全国に広めていきたいという思いで誕生しました 。
立花: 求職者への情報発信については、どのようなコンテンツ戦略を考えていますか?
畑: 今の形からしばらくは大きく変えるつもりはないのですが 、他社のLINEも参考にしつつ、当社が最も気にされるであろう「仕事内容」「場所」「お金(給与)」「お休み」の3つか4つの項目を画像で分かりやすく伝えることに特化しています 。他社だと最初から仕事内容の詳細が送られてきたりするのですが、私たちは「質」を重視し、面談に来てくれた方や、これまで当社に興味を持ってくださった方が知りたい情報に絞ることで、他社との差別化を図っています 。
3. スタッフ向けLINEアカウント:Google Apps Scriptを活用した業務効率化
立花: LINE連携における技術的な挑戦や工夫した点について、畑さん、教えていただけますか?
畑: そうですね。正直なところ、求職者向けアカウントは比較的スムーズに進んだのですが、スタッフ向けアカウントのシステム構築にはかなり苦労しました 。特に、申請後のフローまで考えた際に、Google Apps Script(GAS)を使って自動でメールを送信するなどの連携が必要になったんです 。私自身、そのあたりの知識がほとんどなかったので、ゼロから組み直すのが非常に難しかったですね 。
立花: これまでアナログで紙ベースで行っていた有給管理なども、LINEとGoogleを繋ぐ形になったので、ハーツネクストとしてはかなり挑戦的な取り組みでしたね 。
立花: 今後の展望として、スタッフ向けLINEアカウントでどのような業務効率化を目指していますか?
森: 例えば、これまでストレスチェックに郵便代なども含めて10万円近くかかっていた経費が、畑さんが作ってくれたGoogleフォームとの連携で大幅に節約できるようになります 。
森: 今まで営業担当者だけが行っていたスタッフとのやり取りも、事務方も含めてLINEでコンタクトが取れるようになるので、会社全体でスタッフをフォローできる体制が作れますし、営業担当者の手間も減らせると感じています 。
畑: 今後は、給与明細や契約書などもLINEを通じて送付できるようにしたり、健康診断の予約など、あらゆる社内管理をデジタル化することで、大幅な業務効率化とDX推進を目指しています 。将来的にはタイムシートもシステム化できたらと考えています 。
立花: スタッフ側から見たメリットとしては、どのようなものがあるでしょうか?
畑: まず、郵送で返送する手間がなくなるのは大きいですね 。ポストが近くにあっても、出しに行くのが面倒だと感じる人もいるでしょうから。あとは、必要な連絡がちゃんとLINEで届くというのは、働いている上で安心感に繋がると思います 。ハーツネクストとの関係性が深まることで、安心して働ける環境になるのではないでしょうか 。
4. 7年越しのプロジェクトが実現:未来への展望
立花: 最後に、今後の展望についてお聞かせください。特にLINEアカウントを通じて、採用活動の具体的な目標値などは設定されていますか?
畑: 実は、まだ具体的な目標値は設定していないんです 。まずは3ヶ月くらい運用してみてから考えようかなと 。ただ、LINE経由かどうかに関わらず、ハーツネクストと繋がっている状態を作れることが理想です 。ふとした時に「ハーツネクスト」という名前が選択肢に上がる状態を目指したいですね 。
森: 7年越しのプロジェクトがやっと実現したという感覚です 。実は私、前職でも公式LINEのようなものを運用していました。その為ハーツネクストにおいても提案していたのですが、実現しないまま今に至っていて 。7年越しでようやくこのLINEの運用がスタートできたんです 。
畑: 社内の皆さんにもたくさん協力していただきました。特に社内向けアカウントの構築では、色々な方からアドバイスをいただけたおかげで成り立った部分も大きいので、本当に感謝しています 。
立花: 今後、LINEスタンプの作成も検討されているとのことですが、その他に何か展開していきたいことはありますか?
森: LINEスタンプは、会社を知ってもらうきっかけにもなるので、安い投資だと思っています 。スタッフにプレゼントするのもいいですね !
畑: LINEを通じてあらゆる管理ができるようになるので、まさに「社内のDX化」がどんどん進められそうな予感がしています 。紙媒体やアナログな部分でどうしても残さなければならないことは残しつつ、デジタル化できる部分はどんどんシステムに変えていくことで、最終的にはコスト削減にも繋がりますし、皆さんの負担も軽減されればと思っています 。
今回のLINE公式アカウントの立ち上げは、ハーツネクストの採用戦略と社内コミュニケーションのあり方を大きく変革する一歩です。畑さん、森さんのご尽力によって実現したこの革新的な取り組みが、今後ハーツネクストにどのような変化をもたらしていくのか、その動向に注目です。