あっという間にもう3月です。本当に早いもんですね。私は子どもが3名全員小学生になってからは、小学生という視界からはあっという間に時間が過ぎてしまいます。
人材派遣会社にとっては、春!といえば、人の出入りが激しい時期です。そして、派遣会社としてこの春に契約更新される方が多いため、営業は取引先企業に合わせて価格交渉を行います。最低賃金に抵触してしまうと労働基準監督署から指示、処分を受けます。その為、しっかり賃金に着目をしています。
目次
石破政権の政策「2020年代に最低賃金1,500円」は達成可能?
社長さんの生まれた時代
予想を超えた出生数減少
人にしかできない仕事とは?
解決策はシステム導入、人的資本投資へ
補足
最低労働賃金とは?
加重平均とは?
石破政権の政策「2020年代に最低賃金1,500円」は達成可能?
去年の2024年10月に石破総理が就任し、最低賃金(以下、最賃)を全国加重平均で1,500円に引き上げるという政府目標の達成時期を「2020年代」と発表しました。最も遅い2029年度に達成する場合でも、要求される2025~29年度の引き上げ率は年平均7.3%と過去最高を上回ります。
あくまで目標ですので、本当に実現するかは不明ですが、、、
加重平均を現時点で計算するのは、難しいので、兵庫県の最低賃金が1,500円の全国平均を達成するとした場合、現在の1,052円から約42.6%の増加、すなわち約448円の引き上げが必要となります。
2025年は1,052+112=1,164円となります。少々乱暴な単純計算となっています(笑)
現実的に1,164円とするのは、大変厳しいですね!
中小企業の社長さんとお話していても、大変苦しそうです。
また安い賃金で多くを採用する方がいいと思っている人が多い気がします。その推察は、社長さん達が生きた時代にあると思います。
社長さんの生まれた時代
帝国データバンクが2023年12月時点で実施した調査によると、全国の社長の平均年齢は60.5歳。社長の年代別構成比では、50歳以上が81.0%を占め、40歳未満の若手経営者は3.1%にとどまっています。
この年齢の層は、団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)現在50前半 +バブル世代(1965~1969年生まれ):現在50代中盤から後半
この年の出生数を見てみると、
年別の出生数(厚生労働省の統計より)
- 1971年:約209万人(戦後最多)
- 1972年:約203万人
- 1973年:約210万人(戦後最多を更新)
- 1974年:約201万人
この時代に生まれた人たちが、社会人になったのが1991年以降。Windows95の販売からIT革命へとつながってきます。この時代は本当に人余りで、ITなんて導入されていませんでした。その為、人を使って作業をこなすのが、一般的。
それも、団塊世代の人達が、新卒を経験した時代はバブル時代。世間がJAPAN AS A No1!と世の中が陶酔の時代でした。その後すぐにバブルがはじけて、天と地を味わいます。デブレが始まり、安いのがいい!というとらえ方が世間に浸透します。でも、本当にそうでしょうか?
様々な企業を回り、現場を見て、働いてる方のお話を聞くと、違和感を感じることがあります。
「そもそもこれは人が介在する必要がある仕事?IT技術を使えばあっという間に終わってしまう仕事。今している仕事は、世の中に貢献ができているのかな?お金はもらえてるけど、数年もこの仕事を続けられるのかな?」そんな風に感じてるスタッフさんのお声をいただきます。
全部が全部意味がないわけではないと思います。
社会からの視界、属している会社からの視界、そして個人の視界。
そして、時間軸で切り取ってみると、それは意味のある仕事かもしれない。しかし、長期スパンで見るのか?短期スパンなのか?それもやはり社会の潮流から俯瞰して、自分のポジションを捉えることが大事だると思います。社会の流れを見て、物事を判断することが私は望ましいと思います。では日本の人口動態から見ていきたいと思います。
予想を超えた出生数減少
現在、昨年2024年の出生数は72万988人! ほぼ1/3まで減少しています。
今年2025年新社会人(2002年生まれで仮に全員が大卒とした場合)の人数は約115万です。団塊世代ジュニア世代の約半分です。
総務省が発表している資料によると、2004年をピーク1億2,784万人(高齢化率19.1%)から下降し、最低賃金1,500円目標の翌年2030年には、1億1552万人(高齢化率31.8%)となります。
人に働いてるもらうにもそもそもの人がいない!
その為には、システムを導入する必要があります。システム導入し、ITには、繰り返し作業、延々文句言わず指示さえ適切にできれば、365日24時間進めてくれます。人には、人しかできない仕事をしてもらうことが大切だと思います。
人にしかできない仕事とは?
私の答えは、感情に寄り添う、表情と言葉、予定不調和です。生成AIがありますが、少しずつ人は生成AIか人間か、しっかり見分けがつくようになります。現にみなさんも、生成AIで生成された画像は、もう一瞬で見抜くできるようになっているかと思います。(それが分かった瞬間に気持ちが下がってしまう経験ありますよね。)
音声で回答も生成AIはしてくれようになりました。
しかし、生身の人間であれば、思ってもない返答をする人、そこで笑いが発生したり、予定不調和の副産物が生まれます。始めは依頼していた側なのに、振り返ると自分がもらう側だった、教えてもらうことばかりだった!みたいな事です。不確実性が高い方が、感動したり、怒ったり、揺らぎがあるのが人です。
以前
ブルーワーカー(肉体労働・軽作業)=時間と体力提供
ホワイトワーカー(事務・マーケティング・エンジニア・金融など)=PCでの定型作業
エッセンシャルワーカー(介護士・保育士・看護師・教師など)=人に寄り添う感情労働+作業
これから
「感情に寄り添う仕事」の融合となります。
人がする仕事には、そもそも感情労働がすべての業務に付随するとなります。生成AIの登場で顕著に顕在化し、そのような求人だけが残ることになるでしょう。体だけ、思考だけの仕事はほぼ皆無でしょう。
解決策はシステム導入、人的資本投資へ
私は昔からお世話になってる加古川で会社を経営している社長さんにパソコン操作のトレーニングに行っています。社長さんは76歳。後期高齢者になりますが、新しいものを取り入れる柔軟性と元気があります。いくつになっても学び取る姿勢を自ら見せる体現者で、私はいつも感化されています。数年前はパソコンの電源ボタンを知らなかった人が、ショートカットキーを嬉しそうに使いながら、できるようになった姿を私に見せてくれます。今までは紙の伝票で管理していた入出荷表をまずはExcel化しています。業務が楽になってきました。と大変喜んでくれます。どんな会社でもITを多く取り入れることが大事だと感じます。
肉体労働の仕事も、新しい技術とITスキルを掛け算して、仕事のDXを図る事で少人数で回るようになります。高技術を身に着けて、今自分がしている仕事に誇りを持てるようになることが、一番大切だと改めて痛感しました。
ハーツネクストにおいても、人材派遣会社としても人的資源投資を進めていきたいと思っています!
- 派遣社員のスキルアップ支援(研修・資格取得補助など)
- 派遣社員の定着率・満足度
- 多様な働き方の推進
- 安全衛生管理の取り組み
補足
最低労働賃金とは?
最低賃金の改定は、まず中央最低賃金審議会が経済成長率、物価の変動、企業の支払い能力、労働者の生計費などを考慮し、全国的な目安を示します。その後、各都道府県の地方最低賃金審議会が、地域の経済状況や労使の意見を踏まえ具体的な額を決定し、通常、毎年7月~8月に審議され、都道府県労働局長が最終決定し、10月頃に改定されます。
加重平均とは?
**全国加重平均(ぜんこくかじゅうへいきん)**とは、各都道府県の最低賃金を単純に平均するのではなく、労働者の数に応じた重みをつけて計算した平均のことです。
なぜ加重平均を使うのか?
- 各都道府県で働く人の数が異なるため、単純平均では実態を正しく反映できない。
- 労働者が多い都市部(例:東京・大阪)の影響を適切に反映できる。
計算方法
全国加重平均=(各都道府県の最低賃金×労働者数)÷全国の労働者総数
例えば、東京や大阪の最低賃金が高くても、地方の労働者数が多ければ全国加重平均はそれほど上がらない、という特徴があります。