こんにちは。Honjo stateの広報担当です。
先日、友人からこんな相談を受けました。「自分に合うスキンケア商品を見つけたいんだけど、化粧品売り場って、なんだか一人じゃ入りづらくて…」。
時を同じくして、大阪・関西万博の先行体験として、カラダ測定ポッドが駅の専用BOXで手軽に体験できるという話も耳にしました。この二つの出来事が、私の中で一本の線として繋がりました。個人の切実な悩みと、社会の変化の兆し。この交差点にこそ、新しい価値を生むチャンスが眠っているのではないかと考えたのです。
私がスキンケアの「沼」にハマった理由
正直に告白すると、元々スキンケアは「苦手で、面倒なもの」でした。しかし、ある時こう考えたのです。「視点を変えれば、この面倒な作業も好きになれるのではないか?」と。
化粧品の成分や肌の構造を化学や生物学のように捉え直したとき、それはまるで理科の実験のように、私の知的好奇心を刺激したのです。
この探求心は、過去の経験にも根差しています。大学院時代、私はすぐ近くにかかりつけ医がいない環境で生活しており、「自分の身体は自分で正確に把握し、守らなければ」という切実な必要性を感じていました。
さらに、もともと皮膚科に通う中で自覚していた乾燥肌かつ敏感肌という根深い悩み。これらの課題、必要性、そして知的好奇心が絡み合い、私をスキンケアという深い探求の「沼」へと引き込んだのです。
JR天王寺駅構内にあるカラダ測定ポッド
失敗の連続だった探求が、アイデアツールになるまで
私の探求の道は、失敗の連続でした。
「保湿が最重要」と考え様々な商品に挑むも、手間の多さに三日坊主で挫折。次に「3ステップなら」と再挑戦するも、「保湿用なら何でも同じだろう」という先入観が仇となります。成分を見ずに使った化粧品が肌に合わず、悪化させてしまいました。
恐ろしいことに、当時の私はその痛みやかゆみすら「効果が出ている証拠」だとさえ思い込んでいたのです。正しい知識がないことの怖さを痛感しました。
この手痛い失敗が、私の探求を本気にさせました。片っ端から成分を調べ、時には海外の論文を探して読み漁る日々。このプロセスこそ、仕事における仮説検証のサイクルそのものでした。
しかし、そこで思い出したのが冒頭の友人の言葉です。私自身は知識を深めることで課題を乗り越えましたが、そもそも多くの男性にとっては、その知識を得る以前の『お店に入りづらい』という心理的なハードルが存在していて、これは個人の悩みではなく、市場に眠る巨大な『不(不満・不便・不安)』なのだと気づいたのです。
この「不」を解消できれば、新しい価値を提供できるはず。例えば、男性が一人でも気兼ねなく専門家と話せる体験型のセレクトショップやイベントがあれば、それはアイデアになるかもしれない。私の個人的な探求が、社会のニーズと接続した瞬間でした。
なぜ個人の「アンテナ」が、価値になるのか
それは、私たちが「メンバー一人ひとりが持つ独自のアンテナ」こそが、紋切り型のコンサルティングではない、ユニークな価値を生み出す源泉だと信じているからです。
Honjo stateには、元カメラマンから建設業出身者まで、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています 。一見バラバラに見えるこの多様性こそが、お客様の複雑な課題を解き明かすための最大の武器なのです。
例えばあるプロジェクトで、ターゲット層のインサイトが見えなかった時、「推し活」に詳しいメンバーの視点から「この層は"機能"よりも"共感"を重視する」という仮説が生まれ、企画の方向性が決まったことがあります 。
重要なのは、ただ「面白いね」で終わらせないこと。そのアンテナで捉えた熱量や課題意識を、どう価値創造に接続し、社会の課題解決に繋げるか。その「仕掛け」を考え抜き、実行に移すことこそ、私たちが大切にする「面白がる文化」と「仕掛ける力」です。
個人の探求心から生まれた小さな気づきを、チームで事業のアイデアに昇華させていく。このプロセスこそが、Honjo stateが『数多くの理想を形にする』という理念を体現する、独自の方法論なのです 。
終わりに
私の探求は、今ではスキンケアだけでなく、爪や脱毛、韓国コスメへと広がり続けています。このアンテナが、次にどんな新しい企画の種を見つけ出すのか、楽しみです。
Honjo stateは、「一つの業界に全振りするのは、ちょっと違う気がする」と感じている人にとって、最高の環境だと思います 。