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失敗からの学び

365日人海戦術で凌ぐ日々・・・3PLとして、このまま同じことをしてて大丈夫なのか?

創業10年目の大きな壁

今から6年前となる、2016年にアッカ・インターナショナル(以下、アッカ)の代表として「会社の売上を10倍に伸ばす」という目標を掲げていました。達成するには、通販物流業界の最大の課題とされている「波動対応」を解決することでした。6年前、今後の通販が伸びるのは明白だった中、自社で対応している物流業務が今の10倍になる過程から鑑みて、仕組みが崩壊するであろうと想定していました。なんとかしないと、アッカの成長は物流がネックで止まる、逆に言えば、これさえなんとかすれば、成長は約束されると信じて突っ走っていました。

進む上で必要な自信と勇気をくれたのは、クライアント企業様たちです。私の壁打ち相手になってくれ、仕事を与えてくれ、多くのヒントや気づきを頂きました。

このまま同じことをしてたら負ける

私はこの頃、アッカ内で2つの新事業に力を入れました。1つは、在庫連携システム「ALIS」、販売可能な在庫を一元化し、複数の販売チャネル(ECサイトや実店舗)と連携し、オムニチャネル対応できるシステムです。データ連携をすることで、より少ないコストで在庫消化率(売上)をあげる効果があります。

もう一つが庫内作業の自動化、「AGV」です。通販物量は伸びる中、単純に人を増やして物量をこなしていくのではなく、効果的な自動化ソリューションを採用しました。どちらも成長に効果的な事業で、少なくともどちらか上手くいけば、次が見えると信じ、なけなしの資金を投下し進んでいました。


<日本に初めて中国のGeek+からAGVが届いた様子。2017年 アッカ・インターナショナルの印西DCにて>

結論からお伝えすると、この2つの組み合わの相性が良く、通販物流に求められる多くの要素をカバーし、荷主企業様のビジネスを成長させ、私の目標を叶える武器となり、アッカのビジネスに大きくドライブをかける形になりました。

多くの仕様を日本対応(ローカライズ)する

アッカ代表時代、ギークプラス(以下ギーク)のユーザーとして、AGVの稼働現場構築に取り組みました。重要視したのは、主たる課題の理解をアッカとギークで行う事でした。当時の「10倍の物量をこなす対応力」と「波動対応」という2点は今後の物流需要も踏まえた根幹になる課題でした。その解決法を作るという日本でのギークそのもののサービス構築がスタートしました。

まず、アッカとギークが一丸となる必要がありました。関係者を集め、目先の業務改善ではなく、3〜5年先に向けた取り組みであり、この成功が両社が存続する上で重要であり、先々自分達の利益になるか、当事者意識を持って臨みました。その結果、誰一人として後ろ向きな話は出ず、どうしたら前に進めるかを2社間で対話しました。

アッカは、アパレルをメインとした専門性の高い通販物流を行なっており、そこで行われる物流業務と連携する周りの業務(ささげ・返品・カスタマーサポート等)を把握した上で、ギークが得意とする技術をどのように活用するか、関係者でキックオフを行いました。ギーク中国から数名(北京から社長も何度も来日)、ギーク日本からは全員、アッカから私を含めた数人が、プロジェクトチームを立ち上げ、ワークショップを現場倉庫内で行い、アッカの既存業務の洗い出し、その中で重要視されるポイント(業務で差別化を図る部分や、注意すべき特性)を共有し、ギークのソリューションがどう対応できるかを3社で検証しました。

まずデフォルト(標準)の機能でどこまでできるか、その上で優先順位の高い要件から順に、開発やカスタマイズを依頼し、PDCAを回していきました。ギーク日本を通じ、ギーク中国とのキャッチボールで感じたのは、文化の違いでした。物流の進め方が日本と中国では大きく異なるだけでなく、ハードやソフトの開発においても同様な違いがありました。日本では、開発したものに対しては、入念にテストを行い品質を担保させてからリリースします。しかし、中国ではスピードが重視されます。いったんリリースしてから修正していけばよい。こういったスタンスの違いから従事しているメンバー同士の軋轢も生まれてきます。

<アッカ+ギークプラスが一丸となり、現場を組み立てている様子>

こういう時こそ、私自身の海外、外資企業での職務経験から、様々な考え方の人たちとのコミュニケーションが活きた瞬間でした。私は文化の違いを認識した上で、両社を結ぶパイプとなってプロジェクトを進めてきました。ここで活きてくるのは、冒頭ですり合わせを行った課題認識です。互いに目指すゴールが共通化され、ブレない軸があったことで、致命的な問題を上手く回避できました。日本用にカスタマイズした機能を備え、順調にAGVが動く現地見学も受け付けながら、営業かけていきました。

大失敗。間違ったAGV利用は、命取りな結果に。。。

2018年、ギークの日本国内初となる大型案件、大手スポーツ小売様の通販物流の仕事を獲得することがかないました。当時のアッカならびにギーク日本の会社規模から考えると非常に大きなビジネスでした。

しかし、ここで誰も予測しえない大きな試練が訪れたのです。スポーツ小売様の現場稼働を準備する中、AGV棚に入るものと、入らないものを区別し、数十万点の商品を入荷させて、出荷の準備を行っていました。キャンプ用品やゴルフクラブのような大物から、ピンポン球やアクセサリー類などの小物まで、商品サイズやバラエティーは、これまでにないほど豊富でした。ロボロケと非ロボ(ロボ棚外)ロケの仕分けが完了し、荷受けを行い、全ての商品が棚付けされ、さあ出荷となったその時、我々が目にしたのは、想定外のロボット効率でした。通常、AGV活用での平均ピックレートは、1時間あたり200点前後ですが、稼働開始時は1時間に30点のピックがやっとの状況でした。現場は混乱の渦の中、これでは手作業のが早い(50点/1時間)と現場が判断し、AGV棚ではなく手作業用の棚を増設し、そちらに優先して棚付する流れが勝手に進んでしまいました。動く物置化してしまったAGV、本末転倒状態です。混乱の原因は、AVG棚に商品のサイズ的に入るものは、全て入れてしまった事にありました。ピッキング作業者がAGV棚の中から、ピッキング該当商品を見つけるのに、想定以上の時間がかかり、結果、1時間に30点しかピックできないという状況を招いてしまいました。今思えば棚に入る充填率を管理し、出荷効率を考え適正な在庫をAGV棚に格納させるのは当たり前の事ですが、その時痛感したのは、AGVは道具であり、使い方を間違えると、期待する効果以前に、逆効果を招いてしまうという事です。

<様々な在庫商品が詰め込まれ、出荷時のピッキングが難航し、渋滞発生してしまう>

失敗からの学びを活かす

今となっては、このような失敗こそが、経験となり今日の当社の強みを作ることになりました。失敗を活かすことで、会社も個人も成長します。そして、我々のソリューションを活用くださるクライアントの成長に確実に貢献できます。ちなみに、上記のクライアントからも、リピート注文を頂き、満足をいただけていいます。今後、さらなる成長をするため、日々勉強を繰り返し、新たな市場を開拓しています!


参考記事:

日経ビジネス掲載「物流投資なくして、流通の成長はなし」アルペンのEC事業を支える物流ソリューションと”自動搬送ロボット”とは

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