「広告で地方を元気にする」なんて、言葉だけなら簡単。でも本当にそう思うなら、僕らが向き合うべき現実がある。
今、地方はどこも同じような課題を抱えています。 人が減って、若者がいなくなって、仕事も少なくなる。 このままだと、ただ“消えていくだけの町”がどんどん増えてしまう。
でも僕は思うんです。地方って、実はポテンシャルの宝庫なんじゃないかと。
海も山も川もあって、食べ物も美味しくて、人が優しい。 ただそれが“うまく伝わっていない”だけ。 伝える力、つまりPRや広告の力があれば、この土地はもっと元気になるはずなんです。
じゃあ、広告会社としてできることって何だろう? 最初は、プロモーションの力で町の魅力を届けることだと思ってました。 でも今は、もう一歩踏み込んで考えています。
僕らがPRした先に人が来てくれたとする。 でも、町に仕事がないと定住にはつながらない。 暮らしの基盤がなければ「また帰る場所」になってしまう。
だったら、自分たちで仕事も、仕組みもつくってしまおう。 そう思うようになりました。
農業、林業、観光、地域メディア…全部が地方の未来に必要なピース。 広告会社という立場を越えて、僕たちは“地域づくり”にも関わりはじめています。
実際、地方にいると何でもやらないと生きていけない(笑) 役所に提案して、イベントを仕掛けて、地域の人と畑を耕して… 専業で回すんじゃなくて、マルチスキルで支えるのがこの地域のスタンダード。
そしてこの動きに、若い人たちが関わってくれる兆しも出てきました。 自分たちの働きが、誰かの“暮らし”を守ってると実感できる仕事って、案外ここにしかないのかもしれない。
──とはいえ、理想だけではやっていけません。 今目の前には、日々のクライアントの課題もあるし、利益を出すプレッシャーもある。 正直なところ、「今やってることが本当に意味あるのか?」と自問する夜もあります。
でも、それでもやりたい。 なぜなら、“やらなきゃいけない人がいない”からです。 だったら僕たちがやるしかない。
小さな町の広告屋が、本気で未来を変えようとしている。 そんな無謀ともいえる挑戦を、僕たちはこれからも続けていきたいと思っています。
次は、未来を一緒につくる“仲間”について、お話しします。