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Triiku(トリイク)は、空き家をはじめとした「訳あり物件」の再生・販売事業を手がける不動産テック。DXとデジタルマーケティングを活かして、社会課題の解決に取り組んでいます。共同創業者である同社取締役の福田真志氏に、その挑戦の背景にある創業の経緯、そして他社にはない事業の強みなどを聞きました。
目次
「町の不動産屋」からデベロッパーへ。Triikuのもう一つの原点
誰も真似できない「未来の不動産ビジネスをやろう」
新しい不動産投資のマーケットを築きたい
「町の不動産屋」からデベロッパーへ。Triikuのもう一つの原点
――創業前のご自身のキャリアや経験も含めて、福田さんの自己紹介をお願いします。
私のキャリアは、まず不動産賃貸業からスタートしました。新卒で大手不動産仲介会社に就職し、いわゆる「町の不動産屋」として、年間150件ほどのお客さまの部屋探しをお手伝いしてきました。
その後、ベンチャー企業での建売住宅の仕入れ販売を経て、上場企業の店舗ビル開発のデベロッパーに転職。土地の仕入れ、開発、運営を、小規模から大規模まで幅広く経験してきました。
このように、さまざまなキャリアを通じて不動産の多様な側面を経験したことが、いまの私の原点です。そして、そこから新たな挑戦を決意し、2024年に代表の池上と株式会社Triikuを設立しました。現在は取締役として営業のマネジメントをメインに経営と現場の両面から事業をリードしています。
誰も真似できない「未来の不動産ビジネスをやろう」
――創業メンバーとして、創業を決意した経緯を教えてください。
創業のきっかけは、不動産売買の現場で感じた、東京と地方の不動産市場の二極化でした。資材価格の高騰や海外投資家の増加を背景に、不動産価格が異常なまでに高騰していた東京。その一方で、人口減少が進み、住む人のいなくなった空き家が増え続けていた地方。同じ「不動産」なのに、東京ではバブル、地方では「負の遺産」と化している現実を痛感し、この深刻な格差に強い問題意識を抱くようになりました。
じつは不動産業界で働く中で、空き家問題に強い関心があったわけではありませんでした。しかし、この現実を目の当たりにして、「誰もやらないなら、自分たちがやるしかない」と強く感じたのです。当時、空き家や訳あり物件に真剣に取り組む不動産業者はごくわずかでした。これは、物件単体の利益が少なくビジネスとして非効率であることに加え、空き家を買取・再生して再販するスキームや適正な値付けのノウハウが一般的な不動産会社にはなかったからです。そのため、ほぼ手つかずだったこの市場こそ、自分たち独自のビジネスモデルで挑むべき大きなビジネスチャンスだと捉えました。
数年ぶりに大学の同級生だった池上と再会した際、空き家業界の抱える課題について語り合うなかで、「ここにこそ新しい不動産ビジネスの可能性がある」と意気投合。そして、単なる利益追求ではなく、社会課題の解決に貢献したいという想いでも共感しました。空き家事業の収益構造と、池上のITの力を組み合わせれば、他社には真似できないビジネスができると確信し、創業を決意しました。
――そうした互いのビジョンに共感して、創業を決意されたお二人ですが、福田さんから見た池上代表はどのような存在ですか。
池上は、私以上に「事業を通じて、社会課題を解決したい」という想いが強いですね。彼のこの強い想いが、常識を疑い、誰もが「できない」とあきらめてしまうようなことでも、「できる」に変える原動力になっていると思います。そんな彼の口癖は、「できたらいいなと思ったことは基本的にできる」です。
その熱意は、業務のあり方を根本から変える社内のDX化に表れています。たとえば、これまで半日〜1日を要していた提案資料の作成を、独自の業務システムによってわずか1時間に短縮。さらに、案件の進捗状況から契約書まで、すべてのデータをシステムで一元管理することで、既存の不動産業界の常識では考えられない業務効率化が実現しました。そのおかげで顧客と向き合う時間を最大限確保できています。
こうした比類のないDXこそが、競合にはない当社の強みであり、事業を支える基盤となっています。常識を打ち破り、つねに想像を超える仕組みをつくり続ける彼の姿勢には、事業を通して社会を変えていこうという並々ならぬ熱量をいつも感じています。
新しい不動産投資のマーケットを築きたい
――Triikuで働く魅力・面白さをお聞かせください。
私が考えるTriikuで働く最大の魅力、それは何よりお客さまと深く向き合えることです。これは単なるビジネス上の強みというより、私たちが心の底から大切にしていることです。なぜそれが可能かと言うと、私たちはデジタルマーケティングを駆使した「完全反響営業」という、他社とは一線を画すビジネスモデルを基盤としているからです。これは、インバウンドリードの獲得に特化し、見込み客の質を高める戦略的仕組みです。
一般的な不動産営業がアポイント獲得に多くの時間や労力を費やす一方、私たちは、当社のサービスに興味を持ってくださったお客さまにだけ全力を注げます。この時間と心の余裕が、お客さまの潜在的な想いや願いを丁寧に引き出し、本当に寄り添った提案を創り上げることを可能にするのです。たとえば、「思い出深い実家を解体したくない」という故郷への想いや、「大切な資産を次の世代に引き継ぎたい」という願いを尊重することです。
こうしたお客さまの深い想いを尊重し、確固たる信頼関係を築けるこの営業スタイルこそ、私たちの提供する真の価値であると確信しています。
――事業を通じて、どのようなインパクトを社会に残したいですか。
空き家問題を解決するのはもちろんですが、私たちはこの事業を通じて、より大きな二つのインパクトを社会に残したいと考えています。
まず、一つ目のインパクトは、「不動産投資市場に新しいスタンダードを築くこと」です。ハードルが高く敬遠されていた不動産投資を、比較的少額から始められる「空き家投資」という新たなマーケットを築くことで、社会のなかで、より身近な存在にします。
そして、この新しいマーケットは、もう一つのインパクトである「地域活性」へとつながります。放置されていた空き家を私たちが買い取り、投資家さまに再販したり、自社で民泊として再生・運営したりすることで、ただ空き家をなくすだけでなく、その家が誰かの居場所となり、地域が持続的に循環する仕組みをつくり出します。これら二つの取り組みこそが、Triikuの目指す社会へのインパクトです。