100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「人生で損失数千万円!?隠れ経費(コスト)を把握出来たらフリーランスの世界が変わる」についてお話していきます。(元記事:https://wizpara.com/2863/)
フリーランスは一介の職人というイメージがありますが、フリーランスにはもうひとつ一面があって、それは「経営者」であるという一面です。
Web系フリーランスであれば、デザインスキルがあったりプログラミングスキルがあったり、動画編集スキルがあったり、マーケティングスキルがあったりで、そのスキルさえあれば長らく活動できると思われていますが、そういった売るサービスのためのスキルだけでは不十分です。
経営者としての能力が試されるのがフリーランスです。
そして経営のもっとも大事な部分は経営リソースの分配・再投資であると考えています。
経営リソースとはおもに「ヒト、モノ、カネ、情報、時間」です。
起業時にもともと準備しているものもあれば、経営した結果として毎年、確保できるものでもあります。
そしてそれらを、適切な箇所に適切な配分で投入(投資)するからこそ、新しい売り上げ・利益として跳ね返ってくるわけです。
今日はそんなフリーランスの経営者としての視点、とくに「隠れ経費」にフォーカスして話していきたいと思います。
人件費や光熱費・通信費・住居費・機材購入費・交際費などのわかりやすい「経費」ではなく、確定申告などでは計上できない「隠れ経費」について、どれだけ把握できるかが経営者として、そしてひとりの人間として成功するかどうかの分水嶺であると確信からこのテーマを取り上げます。
そもそも「隠れ経費(コスト)」とは何なのか?
フリーランスとして働くと、会社員時代には意識しなかった「経費(コスト)」が意外と多いことに気づきます。
しかし確定申告で計上できる表面的な「経費(コスト)」よりも経費として計上できない「隠れ経費(コスト)」の方がはるかに大きな影響を及ぼします。
「隠れ経費(コスト)」とは、たとえば業務上で受けるストレスが起因で発生するストレス解消のための散財など・・・業務とは直接関係が無い出費なので見落とされがちですが、業務が起因となって生じるお金や時間・健康の棄損について、この記事では「隠れ経費(コスト)」とネーミングして解説していきます。
これらを見落とすと、いくら稼いでも思ったより利益が残らないし、全然幸せを感じられない…なんてことにもなりかねません。
今回は、フリーランスが注意すべき「隠れ経費(コスト)」について解説します。
「ストレス」はもっとも質の悪い「隠れ経費(コスト)」
「ストレス」は非常にお金がかかるという現実を、皆さんどれだけ意識出来ていますでしょうか?
断言します。
「ストレス」は非常に多くのお金がかかります。
これは仕事をするうえで、経費(コスト)として把握しなければ、ビジネスは上手くいきません。
経費(コスト)として把握できていなければ、ストレスが起因で生じた出費により利益は残りません。
「ストレス」がかかると人間は、ストレスを解消しようとしてよからぬ出費を重ねる傾向があります。
それは飲酒であったり、たばこであったり、ギャンブルであったり、ぜいたく品の買い物であったり、さまざまです。
それらの良からぬ出費と仕事上でのストレスは密接に関係しており、それらのストレスをコストとして扱わなければビジネスはうまくいきません。
これはシンプルにストレスが生じない案件は無駄なコストがかからない案件ということであり、利益を出しやすく、ストレスフルな案件は多くのコストがかかり利益を出しにくい案件ということです。
取引先・仕事仲間・交友関係も「隠れ経費(コスト)」
取引先・仕事仲間や交友関係も、多くの出費が発生しやすいものとそうでないものがあります。
たとえば案件を獲得するために過度な接待が必要とされるクライアントだと多くの交際費が必要になります。
接待などの交際費であれば「隠れ経費(コスト)」ではなく、表面的な経費(コスト)ですが、仕事仲間や交友関係にも「隠れ経費(コスト)」は存在します。
仕事仲間・交友関係で注意しなければならない「隠れ経費(コスト)」は、見栄を刺激されることです。
やはり交友関係によっては、じぶんが成功していることをアピールしたくなり、良い家・良い車・良いビジネスツール・良い肩書・良い身なり・良い装飾品などに執着したくなってきます。
これもまさに「隠れ経費(コスト)」です。
付き合う人によっては、見栄を刺激されずに、不必要な出費を避けられます。
時は金なり・・・時間を蝕む「隠れ経費(コスト)」
皆さんは通勤するときの移動の時間や、クライアントと対面打ち合わせで移動する時間、打合せする時間も経費(コスト)として考慮していますでしょうか?
これらは比較的わかりやすいので、経費(コスト)として計上することは皆さん当然とおっしゃる部分かと思います。
しかしわれわれから時間を奪っていく要素は仕事上には数々存在しています。
たとえば連絡にチャットツールではなく毎回電話をかけてくるクライアントはその分、人の時間を奪っていることとイコールです。
オンラインで済ませる手続きを、郵送やFAXなどの手段でお願いするクライアントも余計なひと手間を強制していると考えられます。
報酬の振り込みも毎回遅れて、催促してはじめて振り込んでくれるクライアント・・・、意思の疎通にすぐ齟齬が生じ、繰り返し修正をおこなう羽目になるクライアント・・・。
無駄な時間を強制させられ、貴重な時間が奪われることはきちんと「隠れ経費(コスト)」として計上し、それをもとに報酬金額に反映させなければなりません。
健康に比べればお金など大した価値は無い?・・・健康を蝕む「隠れ経費(コスト)」
健康は人間にとって一番価値のある財産です。
時間よりも重要です。(健康>>>>>時間>>>>お金みたいなイメージでしょうか)
わずかばかりのお金のために自分の貴重すぎる「健康」を棄損するのは愚の骨頂です。
一度、「健康」を害すと正常な元の健康に戻すために多くのお金(治療費)と時間が必要となります。
むしろ本格的に健康被害が生じると、もう一生元には戻らないリスクすらあります。
健康を蝕む要因は、やはり過度なストレス・つきあいの飲酒・無茶な納期設定のために睡眠時間削られる・身体的にリスクがある劣悪な就労環境などなどでしょうか。
このクライアントは、この案件は、じぶんの健康に対して脅威にならないかどうか、真剣に吟味して判断しましょう。
「経費」は売り上げ・利益の原資となるが「隠れ経費(コスト)」は基本ただの無駄
ビジネスをしていくうえで、まったく経費をかけないというのは難しいですし、経費をかけることが悪ではありません。
ビジネスモデルを創出し、継続して大きな利益を生むためには、設備投資・自己投資・人材投資が不可欠です。
しかしこれまで挙げてきた「隠れ経費(コスト)」については、基本的に百害あって一利なし・・・無ければ無いほど好ましいコストです。
ほとんどの人が「隠れ経費(コスト)」について危機感を持てない
その百害あって一利なし・・・無ければ無いほど好ましい「隠れ経費(コスト)」ですが、
しかしほとんどの人が「隠れ経費(コスト)」について危機感を持てないでいるのはなぜでしょうか?
直接的にお金がかかっていないから
「隠れ経費(コスト)」は表面的にはお金がかかっていないものが多いです。だからこその”隠れ”経費なのです。
それは、健康だったり、ストレスだったり、時間だったりです。
これらはお金に換算するのが難しく、その都度、経費として変換することができないのです。
因果関係が推測できないから
因果関係を推測できないため、経費として変換することができないという一面もあります。
クライアントの言動や案件の進め方、就労環境、人間関係がどのようにめぐりまわってコストになっているのか・・・。
因果関係を深く推察できる人でなければ、「隠れ経費(コスト)」を計上することはできません。
「経費」は確定申告で計上できるが「隠れ経費(コスト)」は計上できないから
もう一つの理由としては、「隠れ経費(コスト)」を因果関係を推察して金額として洗い出すことができたとしても、それを確定申告にはれて経費として計上することはできないため、危機感を持てないのです。
もし経費として計上することができるのであれば、人は血眼になって「隠れ経費(コスト)」を洗い出すでしょう。
しかし仮に確定申告に計上できない経費(コスト)であっても、洗い出しておくことはビジネス、ひいては幸せな人生をおくるために絶対必要です。
「経費」よりも「隠れ経費(コスト)」の方が莫大な損失なことに気づけないから
「隠れ経費(コスト)」のおそろしさは想像を絶します。
もし「隠れ経費(コスト)」を意識せずに仕事を続け、人生を送っていたら、トータルの「隠れ経費(コスト)」はとんでもない損害になります。
お金的にも、精神衛生的にも、健康被害的にも、有限な時間的にもです。
それに比べれば、確定申告に計上できる費用などは大した出費ではありません。
「隠れ経費(コスト)」をおさえることが出来れば無敵の経営者
莫大なお金・時間・健康の損失を減らせる
「隠れ経費(コスト)」は莫大なお金・時間・健康の損失となるため、せっかく仕事でお金を稼いだとしても、多くの「隠れ経費(コスト)」として外に出て行ってしまいます。
逆に言うと大きな「隠れ経費(コスト)」が生じる仕事はやる意味がないんです。
「隠れ経費(コスト)」が無い仕事は大きな利益をもたらしてくれる仕事なので、「隠れ経費(コスト)」のない仕事を厳選することが必要です。
そもそもそんなに働かなくてもいいことに気づく
「隠れ経費(コスト)」はお金的にも健康的にも、精神衛生的にも、時間的にも大きな損失をもたらします。
お金を稼ぐための仕事のはずなのに、お金をそこまで稼げないどころか、お金以上に大切なものも失うとしたら、何のための仕事なのでしょうか?
大きな「隠れ経費(コスト)」が発生する仕事は、むしろしないほうがいいのです。
効率の悪い無駄な仕事を省くことで、皆さんの時間や健康など有限な資産を確保できます。
やりたい仕事だけやれるので、幸福度・生産性が爆上がりする
そして確保した貴重な時間と、人的資本を、有意義でやりがいのある仕事にフル投入することで、生産性高く、効率よくお金を稼ぐことが出来ますし、幸福度は高まります。
「隠れ経費(コスト)」を算出するスキル・センスを磨き、不必要な仕事を省くことが、フリーランスには強く求められるということです。
実は優秀なフリーランスというのは、馬車馬のように忙しく多くの仕事をこなす人よりも、「隠れ経費(コスト)」を見抜き、労力に見合わない無駄な仕事は引き請けない人のことをいうのでしょう。
おまけ
いやー、最近、トランプ大統領が暴れまわっていますね。
しかし、マッドマンセオリー戦略※を駆使して外交していると気づけばだいぶ印象が変わってきますね。
狂人理論(きょうじんりろん)あるいはマッドマン・セオリー(英: madman theory)とは、アメリカ合衆国第37代大統領リチャード・ニクソンの外交政策の要として広く知られる理論あるいは戦略である。ニクソンおよびニクソン政権は、東側諸国の指導者たちに大統領が非合理的で気まぐれだと思わせることに腐心した。ターゲットとした国家に挑発行為をやめさせ交渉の場につかせるために、アメリカがとる行動が予測不可能であると思わせるのがこの理論の骨子である
世界は一見、カオスで不条理に見えて、以外に因果応報がきちんと機能しているようにも見えます。
変化の激しい時代で、無力に等しい個人(フリーランス)が時代や社会に翻弄されないようにするのは大変ですが、日々智慧をつけることに勤しんでいれば、平穏な気持ちで生涯を過ごせるはずです。