100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
複業メディア「ウィズパラ」では、サラリーマンの方、学生の方、フリーランスの方、問わず、『複業』という、これからの時代の新しい働き方を実現するために必要な知識・ノウハウを発信していきます。
複業メディア「ウィズパラ」で取り上げたテーマ「あなたの商品・サービスの単価はいくらですか?フリーランスが考える商品・サービスの単価向上戦略」について話していきます。(元記事:https://wizpara.com/2805/)
古今東西の会社やビジネスを見ると価格の安さを武器にした商売を多数見受けます。
それほどまでに価格が高いか安いかというのは購買時の判断材料としてもっとも重要な指標と言っても良いと思います。
フリーランスとして自らのビジネス・商売を展開していくにあたり、自らの商品・サービスをいくらで提供するのかが自分のビジネスが成功するかしないかを左右するもっとも重要な条件と言えなくもありません。
そして売り上げを上げるために最もシンプルで有効な戦略は売れるギリギリのところまで価格を下げるという戦略です。
やはり同じ商品・同じサービスであれば、人はより安いところから買うのは当然のことですし、自分の商品・サービスの価格を下げるのは誰しも考えるもっともシンプルな戦略です。
ですが、当然価格を安くすれば得られる利益は減ります。
そして価格競争に巻き込まれた競合もさらに価格を下げてきます。
そしていずれは一定の利益を稼ぐために、より多くの商品やサービスを売る必要に迫られ、ひたすら忙しさだけが募っていきます。
その先にはより合理的に・より大量に・より手間をかけずに・より安い人件費で・・・というスパイラルに巻き込まれることになります。
しかしこのモデルは疲弊しますし、どこかで必ず破綻します。
これが幸せなワークライフバランスを追求したいフリーランスがとるべきビジネスのモデルでしょうか?
今回はフリーランスが疲弊せずにビジネスを続けるために価格勝負をせず、いかに自分の商品とサービスの単価を上げ、それでも売ることができるかというテーマで考察していきます。
あなたの商品・サービスの価格はいくらですか?
Web系フリーランスが見積もりの依頼をされたとき、まずは提示された要件から作業工数を算出し、そこに自らの【作業単価】をかけてトータルの見積もり金額を算出するのが一般的でしょう。
その際の【作業単価】が、いわゆるフリーランスが提供するサービスの価格を表します。
ちなみにGoogleのAIが示した、フリーランスの平均単価は下記の通りになります。
フリーランス・副業全体の平均時給は4,093円、平均月収は687,708円です。
フリーランスエンジニアの平均案件単価は、2023年9月時点で月額約64万円です。フリーランスエンジニアの単価相場は、経験年数に応じて高くなる傾向があります。
経験年数別の月額平均単価は、次のとおりです。
1年未満:約30万円
1年:約45万円
2年:約50万円
3年:約60万円また、扱う言語によっても単価は変わります。
需要が高く習得者が少ない言語ほど、平均単価も高くなります。
たとえば、新しい言語であるGo言語は特に詳しい人が少なく、単価は平均よりも10万円ほど高いです。
いかがでしょう?
想像していたより高い単価でしょうか?低い単価でしょうか?
そして実際にあなたが設定している単価はおいくらでしょうか?
この今現在のあなた自身の作業単価が高いか低いかによって、あなたとっている経営の戦略が見えてきます。
今現在、作業単価が高ければ、高い単価でも仕事を得られている現状を示しており、作業単価を低く設定しているということは、価格競争に巻き込まれ価格を低く設定して仕事を獲っているという現実が見えてきます。
それが意図的であれ、意図的でないにしても、高い単価で仕事に従事できていることは、手放しで良い事であり、もし現状、低単価で仕事に従事せざるをえない人は、じぶんの作業単価をあげることを徹底的にめざして行動を起こすすべきです。
フリーランスが高単価路線を目指すべき理由
フリーランスが自分のサービスや商品の価格を高単価に上げようとする戦略はデメリットはほとんどなく誰しも目指すべき戦略です。
高単価を目指すべき理由をいくつか見てみましょう。
作業単価が低いとモチベーションが維持できない
シンプルに定められている最低時給にも満たない単価で作業をしていてモチベーションが維持できるでしょうか?
単価(時給)は自らが世間でどれだけ評価されているかを表す指標と見ることが出来ます。
モチベーションが下がれば、生産効率も落ちますし、作業のクォリティも低下し、それは自分のサービスや商品の価値を下げることにもつながり、報酬はさらに下がっていくバイアスが強くなります。
つまりは全てのフリーランスは作業報酬単価をいかに高められるかを模索していくことが求められます。
必要なお金を稼ぐために多くの案件をこなす必要に迫られてブラック企業化する
作業単価が低い状態で仕事を続けると、必要な生活費・活動資金を稼ぐためにより多くの労働に時間を費やす必要があります。
時給単価が1,000円の人だと1日16時間働かなければならないとしたら、時給単価が8,000円の人は1日2時間働けば必要なお金を稼ぐことができます。
かたや長時間労働バリバリの超絶ブラック企業、かたや2時間働いてあとはフリーの超絶ホワイト企業・・・。
作業時給単価が1,000円違ってくるだけでも、積もり積もればその差はかなりのものになります。
高単価帯の仕事の方が付き合うクライアントの質も高い傾向がある(モンスタークライアントを遠ざけられる)
作業単価がはずむクライアントの方が圧倒的に質が良い傾向があります。(ここで言う質とは人格や品、志、器、知恵などです。)
低い作業単価で仕事を任せようとしてくるクライアントほど言い方がきついですが質が悪いことが多いです。
もちろん、作業単価を高めるには自らがクライアントの求める質の高いサービスを提供できることが大前提です。
自由な時間を確保できず、幸福度が落ちる
自由な時間を確保できなければ、何のためのフリーランスでしょうか?
もともとブラック企業のような裁量が無く理不尽な環境で長時間労働を強いられてきたからフリーランスになったようなものです。
低い報酬単価で仕事を続けるということは、結局セルフブラック企業で働いているということになります。
単価が安い仕事は代替えが効くためすぐに仕事が無くなる
自分の売りが単価の安さだけであれば、代わりはいくらでも見つかります。
安い金額で仕事をやっていても、簡単に仕事を切られます。
そして仕事をきられないために、さらに作業単価を低くするという悪循環に足をつっこむことになります。
フリーランスが自分の商品やサービスの価格を上げても売れるようにするには
報酬作業単価が低いというのは、デメリット以外の何物でもないことはわかりました。
では自らの商品やサービスの単価を上げても売れるようにするにはどうしたらよいのでしょうか?
需要と供給を徹底的に意識する
市場で売られているサービスや商品の価格はズバリ需要と供給で決まります。
ニーズが多く供給が少なければ価格はぐんぐん高くなります。(高く設定しても売れるからです)
逆にニーズが少なかったり、供給が過剰であれば価格は低くなります。(めちゃくちゃ安くしなければ売れないからです)
つまりは需要が旺盛で競合が少ないジャンルで、ビジネスを行うことが出来ればおのずと単価の工場はのぞめるわけです。
また今は市場の需要と供給も移り変わりが目まぐるしいため、常に需要が旺盛で競合が少ない安定的なブルーオーシャンは存在しないでしょう。
スキルを高度化する
単純に平均より高度なスキルを持てば、その分、競合が少なくなることを意味しますから単価は向上する傾向があります。
ただいかに高度なスキルであっても、必ずしも社会に求められているニーズとマッチしているかは別問題です。
その意味では難易度がいかに高いかよりも、今後の社会情勢や身を置いている業界でいかにニーズが高まるかを念頭にスキルを獲得することの方が重要でしょう。
ただ単に難易度の高いスキルを身に付ければ稼げると考えることは安直で短絡的です。
超ニッチ戦略をとる
今はフリーランス市場がまぁまぁ飽和してきましたので、よくある普遍的なサービスを売りにしても競合が多く報酬単価は低く設定しないと仕事は獲れない傾向が高まっています。
ニッチな商品やサービスを提供するということは、世間のニーズがあまりないところで勝負をするということであり、場合によってはまったくニーズがなく売れないということもありうるのですが、隠れたニーズを発掘することで、まったく競合がいない状態でビジネスを展開することができます。
それがニッチ戦略の醍醐味です。
そして競合がいないということは、自由に価格を設定することができ、おのずと報酬単価を高くすることが出来ます。
セルフブランディングを極める
まったく同じ商品やサービスであっても、ブランド力を上げることによって金額をいくらでも上げることが出来ます。
セルフブランディングとは、自分の強みや価値を明確に伝え、他者に覚えてもらうためのプロセスです。
まずは徹底的に自己分析を行い、ターゲットを明確にします。
そして一貫したメッセージを持ち、SNSを活用して発信します。
実績や成果を見せたり、同じ分野で活躍する人と積極的に交流したり、自分の商品・サービスを錬磨する過程などのストーリーを公開したりします。
そして付随する名刺、チラシ、SNSなどのデザインを細部まで徹底的に練り上げることで、徐々にセルフブランディングを行っていきます。
シンプルにじぶんを安売りしない
自分の商品やサービスに自信が持てるようになるまで、まずはクォリティを練り上げることです。
そして自信をつけたあとは、それを信じてシンプルに安売りをしないことです。
クライアントから値引きを要望された場合も、じぶんの設定した価格を順守しましょう。
自分の時間を切り売りするビジネスモデルからの脱却
自身で行う受託制作や、常駐案件など自分の時間を切り売りするビジネスの場合、時間が有限である以上、儲けられる金額の上限はおのずと決まってきます。
いくら作業単価を高く設定したとしても、大儲けというレベルに達することはできないでしょう。
人を雇用したり、複製が可能なコンテンツ販売など、自分の時間の切り売りモデルから脱却したビジネスを展開することで、青天井の収入を得ることができます。
それは悪手、価格競争にまきこまれ詰む経営とは
相手の言い値で仕事をする
商売をしていると相手からの予算提示や価格交渉、値下げ要求などたくさん届きます。
もちろん仕事を得るために価格を多少調整するというのはありうるわけですが、すべて先方の言い値で引き受けてしまうのは、やはり悪手でしょう。
値下げを断って、それで仕事の発注を見送るということは、むしろそこまで求められていないということなのでしょう。
そんな案件は引き受けないほうがお互いの為です。
いつまでも同じ作業を生業とする
Web業界の変化の早さは目に見はるものがあります。
一時期、お金を稼ぐことができていた作業が、あっというまに求められなくなります。
とくに最近は高性能なAIが台頭し、今までフリーランスが担っていた作業の多くがAIで代替えされるようになってしまいました。
シンプルにホームページが作れますというだけでは、もはや仕事をしていくのは難しいでしょう。
社会のニーズの変化に応じ、自らも変化し続けなければ、商売を続けていくのは難しいでしょう。
自己投資(お金と時間を自分にかける)を怠る
商売が軌道に乗り、いかに順調に稼いでいるフリーランスでも、自己投資が止まればそこから衰退がはじまります。
これだけ時代の変化のスピードが激しいと、少しでも自己投資を止めることは停滞ではなく後退を意味します。
どれだけ順調・逆境でも自己投資をするための時間とお金はキープするということを忘れてはいけません。
自分のスキルの評価が低い場所に留まる
いかに良いスキルを持っていても、そのスキルを正当に評価してくれない場所やクライアントが存在します。
そして人間は現状維持バイアスが働いていて変化することが苦手なのでついつい不遇な場所に留まってしまう傾向があります。
気力と勇気を振り絞って、不遇な環境からは逃れる努力をしましょう。
クラウドソーシングで仕事を得るなど受注側が不利な場所で仕事を請ける
正直、クラウドソーシングを仕事を発注する側に有利で、仕事を得る側にとってかなり不利なプラットフォームです。
地方で仕事を獲る術がない人が、仕方なく利用し低価格な仕事でも引き受けざるを得ないというようなケースが見受けられます。
低単価で仕事を引き受ければ、その分、時間が拘束されますし、自己投資に回す時間やお金もそがれるためじり貧となります。
まずはクラウドソーシングを利用せずとも仕事の獲得が苦にならない方法を模索するのが賢明でしょう。
下請け・孫請け案件を請ける
これも間違いなく悪手と言っていいでしょう。
同じ成果物を作っているのに、一次請け・親請けにマージンを取られているわけですから、単価は低くなります。
それでいて下請け・孫請けは立場が弱く、無茶な要求を押し付けられることも多いです。
仕事が下請け・孫請けでしか獲得できないのであれば、まずは一次請けで仕事が獲得できる方法を模索しましょう。