100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「廃業率〇〇%!?フリーランスを廃業した人たちの末路とは」を紹介していきたいと思います。(元記事:https://wizpara.com/2718/)
最近、時代の寵児と呼ばれるような成功者でも、あっという間に転落・オワコン化していく様を見て恐ろしさを感じています。
昔から偉い人たちが、この世は諸行無常で盛者必衰だよーと謳っているわけですが・・・
最近の時代の変化のスピードにはまざまざと諸行無常の虚しさを痛感させられています。
大企業であっても終身雇用は維持できず・・・、もはや公務員であっても安泰とは言えない時代。
そもそもこの日本という国自体も、永続可能なのかと疑ってさえいます。
そんな巨大な組織や国でさえ、数年単位で運命が翻弄される中、われわれ力の弱い、個人レベルで考えれば、言わずもがな一寸先は闇というやつです。
このメディアではフリーランスの廃業率・生存率に関しては、繰り返し紹介してきていますが・・・
実際にフリーランスを廃業することになってしまう典型パターンと、廃業した後に元フリーランスがどのような顛末を辿るのかいくつかケースを調べてみましたので、今日はそれをご紹介します。
フリーランスの廃業率は〇〇%!?なぜ多くのフリーランスが廃業に追い込まれるのか・・・廃業典型パターン
フリーランスの廃業率ですが・・・データを集計する組織や機関によって様々な指標が出されていて一概には言えませんが、
1年以内に廃業に追い込まれるフリーランスが約30%ほどで、
3年まで期間を延ばすと60%以上のフリーランスが廃業へと追い込まれていると言われています。
そして、10年間フリーランスとして活動できるのは、「10%いるかいないか」といわれています。
うーん・・・6割が3年で廃業、9割が10年以内に廃業・・・つまり、ぶっちゃけほとんどのフリーランスが遅かれ早かれ廃業してるということです。
ちなみにじぶんはフリーランスになってから、すでに16年が経過し、まだ廃業とはなっていませんが、それはじぶんのやり方がうまかったというよりは、たまたま運が良かっただけだと感じています。
じぶんよりはるかに能力もあり、真摯に仕事に打ち込み、休みなく働いているフリーランスたちも、多く廃業したところを見てきました。
まずは、それらのフリーランスが廃業となった経緯として多いパターンを紹介していきます。
目の前の運転資金/生活資金の枯渇
フリーランスを廃業する理由としては一番多い理由かもしれません。
フリーランスの働き方を維持するためには、仕事を遂行する上で必要な運転資金が必要になります。
それは事務所の家賃や光熱費・通信費であったり、必要なソフトやWebサービスを購入・利用するお金だったり、パソコン・事務機器・モバイル機器・備品・消耗品を購入するお金だったり・・・。
事業を行う上で初期投資にかかるお金や、運営資金が少なくて済むWeb系のフリーランスであっても、ある程度の資金は必要になります。
それに加え、事業資金以外にも自分が生活していくうえで必要な生活資金が必要となります。
廃業するということは、よほどのことなので、そうならないよう開業するときに収入が途絶えてもすぐに廃業しなくて済むように、この先数か月、できれば1~2年程度の事業運転資金と生活資金を確保してから独立するというのがセオリーです。
しかしそれでも事業の逆境期に収入が途絶えると、兵糧がだんだんと枯渇していき、最後は廃業の決断をせざるを得ません。
借り入れをして一時的に逆境期をしのいだり、徹底的な経費削減・固定費圧縮・倹約生活などで、資金繰りを改善させるなどで、廃業を回避したいところですが、それでも限界はあるでしょう。
主要な取引先からの仕事の打ち切り
大きなクライアントから豊富に仕事をもらっていて、仕事内容にも満足してもらい、関係も良好・・・。
この蜜月関係はいつまでもつづくはず・・・
誰しもそう考えてしまうものですが・・・
順境というのは意外に長く続きません。
長く続かないどころか、びっくりするくらい早く状況は変わっていきます。
クライアントの経営者が変わったり、仕事を出してくれていた担当者が退職したり、ふとしたことで人間関係が悪化したり理由は様々です。
このケースで特にリスキーなのは収入の大半を1社に依存しているという状況です。
その1社との仕事がふとしたきっかけで終了したら、一気に収入がゼロになるわけですから、極端な依存関係になっているとも言え、精神安定上もよろしくありません。
事業内容も収入源も、広げておく方が廃業のリスクは下げられます。
時代が求めるスキルを身に付けられない
じぶんがWeb系のフリーランスとして独立した時に求められたスキルで、今でも必要とされているスキルはあまり多くは残っていません。
「このスキルを身に付ければ、一生食うには困らない」
ひと昔、よく聞いた言葉ですが、今では死後になりつつあります。
ホームページを作るスキルを身に付けても、いまでは、無料であっという間にホームページを作れるサービスが乱立しています。
英語を身に付けて翻訳や通訳を仕事にできたとしても、これから自動翻訳ツールやAIの台頭で仕事を奪われるかもしれない・・・
タクシーやバス、配達など車を運転する仕事に就いたとしても、自動運転技術の浸透で仕事が無くなるかもしれない・・・
おそらく一生安泰などという仕事は、世の中のどこにもないでしょう。
医者や弁護士であっても公務員であっても安泰とはいえないでしょう。
一生、仕事にありつくためには、その時その時、時代に求められるスキルを身に付けていくしかない。
学生の時に勉強して、社会人になってからは、蓄えた知識で仕事をこなしていく・・もうそんな時代ではないようです。
一生、スキルを追い求めて勉強し続けなくてはならないほど、時代の変化は加速しています。
そんなリスキリングの連続に、ついていけなくなれば、当然仕事は無くなり、廃業に追い込まれるのも必然です。
仕事で精神を病む
ブラック企業のパワハラ上司・パワハラ経営者に苦しめられ、ようやくフリーランスになったのも束の間・・。
フリーランスがストレスに無縁かというと、そんなことは一切ありません。
パワハラ・モラハラの上司は確かにいなくなるかもしれませんが、モンスタークライアントとの遭遇で、メンタルは簡単に病んでいきます。
モンスタークライアントとトラブルになったとしても、対処するのはすべて自分一人で対応しなければなりません。
どこにいっても、完全にストレスとは無縁な世界は存在しないようです。
フリーランスになれば、相談できる会社の上司も同僚もいませんので、自身のメンタルは自身でケアする必要があります。
お金に問題がなかったとしても、自身のメンタルを崩して仕事が続けられなくなるというフリーランスも少なくはありません。
未来を悲観して事業をたたむ
全力で事業をこなしつつも、売り上げが月ごとに減少していくと、自分のビジネスに自信が持てなくなってきます。
テコ入れしてビジネスを好転させることができるのか、それともじり貧が続くのか・・・。
じぶんに商売・経営の才覚はなかったのかもしれない・・。
今後ももがき苦しんでギリギリの経営を続けるくらいなら、早めに見切りをつけて転職したほうがいいのではないか・・。
そのようにして自ら廃業を決めるフリーランスも少なくありません。
そして諦めてフリーランスを辞めることが必ずしも間違いということではありません。
早期に見切りをつけ、別の人生を見つけた方が幸せの近道かもしれません。
よりやりたい・より有望な仕事へキャリアチェンジ
フリーランスを続けていると、今まで続けていた仕事以外のビジネスに巡り合うことも多いです。
今までの仕事よりも向いていて才能を開花させられることがあります。
また取引先や知人の会社からの引き抜きや共同経営の誘いをいただくこともあります。
条件や適正次第ですが、フリーランスに見切りをつけて再度組織に属するという道もフリーランスあるあるではあります。
健康上の理由やプライベートな事由による事業継続不可
たとえば大きな病気を抱えてしまった場合、フリーランスは会社員より保障は多くはありません。
最近ではフリーランスでも入れる休業補償保険などの制度なども散見されるようになってはきましたが・・。
やはりフリーランスは身体が資本、持病持ちで続けられるほど甘くはありません。
また自身の病気やケガ以外にも、親の介護や子育てなどで仕事を大幅に制限せざるえないケースも少なくはありません。
廃業したフリーランスはどのような顛末を辿るのか
心半ば、もしくは前向きに見切りをつけてフリーランスを廃業した人が、その後どのように次のキャリアにつなげるのか・・
バイトやパートで食つなぐ日々
見切りをつけるのが早かった人は、傷も浅く、生活資金などをある程度残した状況で廃業できていると思うのですが、最後の最後まで廃業を回避すべくあがいたうえで、それでも廃業を余儀なくされたひとは、とりあえず当面の生活資金さえ余裕がありません。
サラリーマンであれば失業保険に加入しているので、失業手当をあてにできますが、フリーランスでは自助で動いておかなければ失業時の手当などはあてにできません。
すぐにお金が入るバイトやパートを見つけるしかありません。
もちろん生活保護などのセイフティネットもありますが・・・利用には条件もありますので、まずはバイトやパートを見つけるというのが第一選択肢になるでしょう。
バイトやパートで食いつなげつつ再起のための準備をしていくことになります。
甘くない再就職
さてバイトやパートではなく、やはりちゃんとした正社員として再出発しようという気持ちはわかりますが・・・
フリーランスから会社へ正社員としての再就職はかなりハードルが高いことが予想されます。
原因は職務経歴を聞かれる・調べられるためです。
そもそも、フリーランスとしての活動・経歴を評価せずに、ふるい落とす会社もあります。
また、フリーランスを廃業したということが、相手にバレる以上、自身のスキル・力量が疑われるリスクがあるわけです。
また会社組織をしばらく離れて、すべて自由なフリーランス生活にどっぷり浸かっていると、また規則正しく生活し、組織のルールの中での仕事に戻れるのかという不安もあります。
一度、フリーランスとして独立したら、再度、会社員に戻るということのハードルが高いという事実が、フリーランスとして独立させることをためらわせる一因にもなっているようです。
実家の庇護に甘える
もう世間体やプライドを気にしている場合ではありません。
頼れるものはなんでも頼って、再起をきすべきです。
まずは家賃などの生活費を抑えるために、実家に戻り、再就職の準備を整えるという選択肢も考えなくてはなりません。
周囲からは同情や憐れみを向けられてしまうかもしれませんが、再起して、周りを安心させてあげれば何の問題もありません。
ただ、そのまま・・・中年ニートという道を辿るのだけは避けなければなりません。
少数派だがFIRE勢もいる
フリーランスが何十年も続けて収入を上げ続けるというのは、本当に難しい事です。
ただそれを想定し、儲けられるときにガツンと儲けて、調子に乗って散財することなく、インデックス投資などの優良投資にお金を回すことができれば、仮に事業が下火になったとしても、資産収入だけで生活できる水準に持っていくことは夢物語ではありません。
逆にFIREやサイドFIREを達成できている人は、サラリーマンよりフリーランスの方が多い印象です。
わたくしざき山も過去の順境時に調子に乗って散財することなく優良投資に回せていれば、今頃サイドFIREくらいは達成できていたと思います。
しかしやはりFIRE勢は少数派・・・フリーランスが100人いたら2~3人くらいの割合でしょうか。
ただ、FIREできるくらいのお金を得たので、フリーランスを廃業して働かずに生きていく人も少数派ながら存在しているということです。
それでも何とかなる恵まれた国ニッポン
と・・フリーランスが廃業に追い込まれると基本的には非常に厳しく苦しい再起への道が続くことになりますが・・。
それでもこのニッポンという国は、まだまだ恵まれている国です。
いきなり路頭に迷うことはありません。
生存が脅かされるところまではいかないでしょう。
とはいえ、日本も年々世界的に見て貧しい国に転落している印象を受けます。
じぶんの身は自分で守る・・・その覚悟と日々の自己錬磨ができる人がフリーランスに向いているのでしょう。