今日は複業推進メディアWizparaで紹介した、自分が理想の働き方に据えている「ポートフォリオワーカー」という働き方についてご紹介いたします。(元記事:https://wizpara.com/1686/)
「ポートフォリオワーカー」とは一言で言うと「複数の職業や収入源を持つ人」のことをさします。
ここでいう「ポートフォリオ」とは、金融資産を分散投資する際の金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指します。
自分は常日頃から“100の生業を持つ現代版百姓を目指す”とスローガンを掲げていますが、これがまさにポートフォリオワーカーという事になります。
ちなみにアメリカではこのような働き方は20年以上も前から、当たり前の働き方で、現在ではむしろ主流とも言えます。
日本ではひとつの会社に入社してから、定年まで骨をうずめる覚悟で勤めあげるというのが一般的なモデルとして定着しました。
日本人にとっての「安定」とは、いかに潰れそうにない大企業に入り込み、定年までしがみつくかという働き方を指していました。というより今でもその価値観が主流ですが、これは変化の激しい現代においては完全に誤りだと言えます。
なぜポートフォリオワーカーを目指すべきなのか?
終身雇用が崩壊して、職を変えていく事が前提になる時代になる
少し前の日本では大企業に入って一生つとめあげることが、幸せな生活を送る上での最良のモデルケースとされてきました。
確かに、不確かなこの世界では、大きな力を持つ組織に所属して生きていくのが最適戦略と考えるのは、しごくまっとうなことです。
ただ、日本で一番の大企業のトヨタですら、終身雇用体制を維持できないと言っている事から、これからは生涯のうちに、何回か転職を繰り返すことを前提にしたキャリア設計が必要になります。
また、コロナ禍に見舞われ、廃業に追い込まれた飲食店や観光業などを目の当たりにすると、マジメにきちんとしたビジネスをしていても、外部環境の変化で突如、収入源が断たれることがあるということを常に念頭において準備していかなければならないことを強く実感しました。
そこで、変化の激しい世の中でのリスクヘッジとなる働き方が、今回推奨するのポートフォリオワーカーという働き方です。
今、わたしはフリーランスとしてメインのWeb制作業で複数のクライアントをもつほか、ライターとして執筆を行っていますし、独立・起業したい方へのコンサルなどを行って、積極的に収入源の分散を行っております。
そんな働き方を12年以上続けて、確信しました。
サラリーマンとして一社に依存するよりも、このような働き方の方が「安定」と呼べるのではないかと。
時代の変化スピードが上がり、ひとつのスキルを身につければ食べていける世の中ではなくなる
12年以上フリーランスとしてWeb制作を続けてくると、当初、稼ぐために重宝していたスキルが、いまでは無用の長物となってしまったものが多数あります。
昔は使われていたプログラミング言語が、使われなくなったり、せっかく使いこなせるようになったソフトウェアも、廃れて使わなくなったり、今まで制作依頼をいただいて制作していたものが、無料で使えるプラットフォームの登場で制作依頼が減少したり・・・などなど
特に変化の激しいWeb・インターネット業界では、身につければ一生安泰というスキルは無いということのようです。
次から次へと新しいものに触れて吸収し、廃れたらまた次のスキルに触れてみる、良くも悪くもそのようなマインドでスキルを身につけていく必要があります。
またポートフォリオワーカーは、ひとつの収益源に依存しないのと同様に、ひとつのみのスキルに依存することも避けるという考え方と相性がいいです。
例えば、幼少期から野球一筋で、ほかの勉強などは一切せずにプロを目指したとしても、競争に敗れたり、ケガでプレーを続けられなくなったりした場合、それまで他の事をしてこなかった分、損失が大きく、その後の人生に大きな支障をきたしてしまいます。
ポートフォリオワーカーのポートフォリオとはいわば分散投資です。
自分が身につけるスキルも分散して身につけていきましょう。
ひとつの会社や、ひとつのクライアントなど、ひとつの収益源に依存するのは不安定
フリーランスとして働いていると、大きな金額の仕事が、継続で舞い込むことがあります。
それはそれで良い事ではあるんですが、その仕事がずぅっと続くと思ってしまい、その仕事のみに絞って、それで人生設計をしてしまうと、ある日、いきなり仕事が打ち切られた時に、生活が成り立たなくなってしまう事態に陥ることがあります。
はじめから、収入源は分散するという事を念頭に、仕事を獲得していくのが望ましいと言えます。
サラリーマンは特にひとつの会社に依存しすぎている働き方ですので、せめて副業が認められていない会社は避けて、会社に勤めながらも、別の収益源を開拓するように行動しましょう。
アメリカでは何年も前から普通の働き方であり、日本でも当たり前の働き方になるから
実はこのポートフォリオワーカーと言う働き方は、何も目新しいものではなく、数十年も前からアメリカでは普通の働き方・考え方として定着しています。
そもそも、日本の新卒で入社した会社に定年までつとめあげる、会社に一生忠誠を尽くす、ザ・日本式の働き方を普通と考えなくて良いのです。
どちらの働き方が優れている優れていないの議論は、飛ばしますが、現在の世界情勢の中で、日本の終身雇用が崩壊していく以上、このポートフォリオワーカー的な働き方は、今後急増していく事が考えられます。
ポートフォリオワーカーのメリット
自分の好きな事を仕事にしやすくストレスが少ない
ポートフォリオワーカーとして、何を収益源とするかは自由です。すべて自分で決められます。
逆に言うと全て自分で決定する必要がある以上、指示待ち人間のような方には向いていない働き方とも言えます。
とはいえ、自分の好きなことを仕事にしていい、できるというのは、誰しもあこがれている事でしょう。
サラリーマンを辞めて、早期リタイヤしたいという人が増えていますが、そのような人たちの多くは働く事自体が嫌いというよりは、理不尽な組織であったり、不条理な指示をする上司であったりに疲弊しているだけの人が多いです。
本当に自分がやりたい仕事なら、リタイヤなどせず、死ぬまで続けたいという人も多いはずです。
ひとつのクライアントに依存しなくて済むので、嫌な仕事
しがみつづけるしかない会社員や、ひとつのクライアントが全ての収入源となっているフリーランスは、いきなり仕事を切られると生活がつんでしまうので、理不尽な要求であっても応じざるをえない事が多々あります。
しかし、収入源が複数に分散されていれば、最悪、やりたくないと仕事を断ったとしても、ある日いきなり、生活が成り立たなくなることはありません。
これは、日々、幸せに過ごすうえで、この上なく重要な事です。
自分にとっては、年収の額などよりも、特定の会社・クライアントに依存せずに済むというのは、はるかに重要視する条件です。
ストレスが少ない状態で働けるという事は、健康を損なう心配も減りますし、仕事に良い影響としてフィードバックされます。
社会人だったら理不尽な事を我慢するのが当たり前とか、苦痛に耐えるのが仕事だという誤った認識はゴミ箱に棄てましょう。
働く場所や働く時間、一緒に働く人を自由に選択できる
自分な好きな場所で、働きたい時間だけ、好きな人たちと仕事する・・・一言で言って最高ですよね。
ワーケーションという旅行先で仕事するという造語がありますが、リゾート先を転々としつつリモートで働くなんていうことも可能です。
ただ、何の仕事でもいいわけではなく、それを実現するには、Web制作、ライティング、動画制作、イラスト、プログラミングなど、ノートパソコンひとつで仕事が成立するような仕事などがいいでしょう。
何を仕事にしたら幸福度の高い働き方となるのか、その点も含めて、自ら設計していく必要があります。
アイディア次第で収入は青天井
サラリーマンは、毎月、安定してサラリーが支給される反面、会社のビジネスが大成功したとしても社員一人一人に還元されるのは、ボーナスがひと月分増える程度のインセンティブしかありません。
ポートフォリオワーカーで、開拓する収益源は、それぞれ成功するかは未知数ですし、定期的に稼ぎ続けられるかもわからない不確かなものですが、その分、うまくいけば全て自分に還元されます。
これは大きなモチベーションになります。
サラリーマンというインセンティブの少ない働き方が不満な方は、すぐにフリーランスやポートフォリオワーカーのような働き方にシフトすることをおススメします。
ポートフォリオワーカーのなり方・目指し方
自分の得意と好きを分析・把握する
どんな仕事を収益源にするか、非常に考えるのが楽しくも悩ましい問題です。
シンプルに自分の好きなことだけやりたいが、マネタイズできるかは別問題。
単価が良く、稼げるのは間違いないけど、好きな作業じゃない。
やってみたい事だし、これから流行るし稼げそうだけど、自分にはまだスキルがない・・・など
自分がどんな仕事をするか見極めるのは自分の好きと自分の得意、そして社会にニーズを分析して把握する必要があります。
そしてある程度、分析したら、あとはやってみることです。何年もポートフォリオワーカーとして、働いてきて気づきましたが、何がどのように一生の仕事に発展するか予想だにしてないものが発展するということです。
そのためには、失敗を恐れずにまずはやってみるの精神です。そして何回失敗したとしても、試行しつづけることです。
自分でビジネスをするということの訓練をする
会社組織は、仕事を高度に分業させています。
そしてある一工程をそれぞれの社員に割り当てるため、サラリーマンはビジネス全体に対して、責任を追う必要が無く、それゆえ、ビジネス全体を俯瞰で眺めるのが苦手です。
これは、自分、自らが経営者として活動することを意味する、ポートフォリオワーカーとして必要な、自分でビジネスを創出するという能力がサラリーマンでは育めないことを意味しています。
これは日本の学校教育でも一切教えてくれません。日本の学校教育はあくまで個性や才能を伸ばして個で花開かせようというものではなく、集団の中で、和を乱さずに与えられたミッションを忠実にこなすための基礎能力を身につけましょうという教育だからです。
つまり、日本人はみんな下手なわけですが、だからこそチャンスもあります。
これは実践の中で身につけるしかありません。
Webサービス・アプリ・SNSを使い倒す
今の世の中は、どんな仕事をするにしても、SNSやアプリ、インターネットの活用は不可欠です。
TwitterやFacebook、Instagramは個人的な楽しみの用途ももちろんですが、自分のナリワイをPRできる最強の営業ツールです。
その他、クラウドソーシングなどのプラットフォームを活用すれば、比較的簡単に仕事をゲットすることが可能です。
SNSをうまーく活用して、自分の発信をより多くの人に拡散できるというのは、どのジャンルのビジネスにも応用可能な、ビジネスの最強のスキルといっても過言ではありません。
好む好まざるはおいておいて、日ごろからSNSや各種Webサービスに使い慣れておく姿勢が、ポートフォリオワーカーを目指すのであれば必要になってきます。
何が仕事になるかわからない時代、何でもとりあえずやってみる精神をもつ
前述でも書きましたが、現在は何がどうころんで仕事に発展するかわからない時代です。
こんなことに何のニーズがあるのかわからないというような事でも、意外に大きな仕事に発展する事があります。
日ごろの仕事以外の趣味などオフの活動の中から発展する事もあります。
例えば、わたしは、飲み屋で台湾の学生と意気投合して、家庭教師に雇ったことをブログに書いたら、日本で会社を経営している台湾人の方の目にとまり、大きな仕事をいただけることにつながったた事がありました。
どんなスキルがあるかよりも、恥をかいたり、失敗することを恐れずに積極的に多くの行動・アウトプットすることができるかどうかが、ポートフォリオワーカーとして成功するか失敗するかのわけるポイントになります。