【代表インタビュー】外資系大手、ベンチャー創業、東証プライム企業へグループイン、複数社顧問を経て。就職を人生の「誕生」に変えるBirthの挑戦
『就職を、選抜ではなく「誕生」に変える。』──企業が求職者を見極めることに重きが置かれがちな現在において、Birthはこれからの採用のあり方を提案しています。
この想いの背景には、代表の西村さんがこれまでに歩んできたキャリアがありました。外資系大手でのトップセールス、創業ベンチャーの東証プライム企業へのグループイン、そして複数社の顧問。一見すると華やかな経歴の裏側で問い続けてきたのは、対人支援の本質でした。
人生を揺さぶる「雷」を落とし、新しい可能性を芽吹かせるBirthの哲学。そして、誰もが納得感を持って歩み出せる未来について語っていただきました。
西村 健志 / 代表取締役
関西大学卒業後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに新卒入社。セールスコンサルタントとして西日本1位の成果を残す。退職後、社会人のリアルな情報を学生に届けるイベント「Bar活」を立ち上げ、これを機に大学生向けインターン事業を展開する人材ベンチャー企業を創業し専務取締役に就任。同社にて東証プライム上場企業へのグループインを経験したのち、複数企業での顧問や組織コンサルティングに従事。2025年5月「就職を選抜から誕生に変える」というミッションを掲げ、新卒採用支援を軸とする株式会社Birthを創業し現在に至る。
転機は3人目の上司。自身の行動変化と、キャリア支援の面白さに気づいた「Bar活」
ーーまずは、これまでのキャリアについて教えてください。
新卒で外資系医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンに入社したのがキャリアの始まりです。退職後は母校である関西大学近くの飲食店で、学生と社会人が交流できるBar活というイベントを立ち上げました。この活動が、後の大学生向けインターン事業を行うベンチャー企業の創業に繋がっています。
その後、東証プライム上場企業へのグループインなどのフェーズを経験して退職し、1年ほど採用顧問や組織コンサルティングを経て、2025年5月にBirthを創業しました。
外資時代に「きっかけ一つで人が劇的に変わる」と身をもって知った原体験があり、ベンチャー創業や日系大手での経験、顧問業などとフェーズは変わっても、振り返ってみると常に「人の可能性がひらく場面」が根底にあったキャリアですね。
ーー新卒時代の業務内容と、「人が劇的に変わる」という原体験について教えてください。
医療セールスコンサルタントとして、整形外科のドクター向けにメスや人工関節などの医療機器を提案していました。モノを売るだけの営業ではなく、実際に手術室に入り具体的な使い方をレクチャーすることもありました。
そこで、計4名の上司と働いたのですが、それぞれのタイプが違ったことで、「きっかけ一つで人が変わる」という原体験へと繋がります。というのも、最初の上司はすぐに答えをくれる人で、次に就いた上司はセールストークをマニュアル通り一言一句再現することを求める厳格な人。そんな環境にいるうちに、いつの間にか自分で考える癖が抜け、想定外の事態には「習っていません」と答えてしまうようになっていったんです。
転機は3人目の上司でした。業務の指示は一切なく、「一番早く出社して、一番遅く退社するように」とだけ言われたんです。最初は意図がわかりませんでしたが、ひとまず従ってみることにしました。とはいえ、朝一番に到着したものの、仕事が増えるわけでもなく始業時間を待つだけの日々。
ところが、そんな時間こそが意識を変えるきっかけとなります。
「せっかくなら何かできないか」という思いが芽生え、製品知識を詰め込み始めました。気づけば、カタログにびっしりと付箋を貼ってドクターへアピールするほど、主体的な行動へと変わっていったんです。それまでは成績も最下位から二番目でしたが、西日本トップという成果にも繋がり、関わり方一つでここまで人は変われるんだと、この出来事を通じて身をもって感じましたね。
ーーその後、立ち上げられた「Bar活」についても教えていただけますか。
知人が大学前で経営する飲食店の集客を手伝ったことがきっかけです。「どうすればお店に足を運んでもらえるか」と考える中で、ターゲットである学生のニーズを探り、就活支援にたどり着きました。
当時はスマートフォンも普及しておらず、就活生が社会人の声を聞く機会は限られていたので、電通の社員や銀行員などの友人を呼んで交流イベントを開いたんです。フード5品付き・飲み放題で1500円という赤字覚悟の料金設定でしたが(笑)、学生のキャリアへの意志が芽生えるのを目の当たりにし、この領域の面白さに気づかされましたね。
学生と社会の中間を目指したベンチャー創業。事業拡大の中でぶつかった「企業の代理店」という構造的な課題
ーーその後創業されたベンチャー企業では、どのような事業からスタートされたのでしょうか。
学生が実際のビジネスを学ぶ場として、当時はまだ珍しかった長期インターン事業を展開したのが始まりです。
まずは働くことを肌で感じてもらい、キャリア選択における核を見つけてほしいという想いから、企業と学生のどちらにも偏らない、社会の中間地点に立ち続けるというコンセプトを掲げて進めていました。
ーーそこから就活生を対象としたエージェント事業も開始されますが、就職支援という領域に対して感じられたことはありましたか?
エージェントが「企業の代理店」にならざるを得ない構造に直面しました。
求職者ファーストを謳いながらも、実際には紹介料を払う企業の都合に合わせて情報を操作しなければ成り立たない。そんな情報を知っている側が知らない側を都合よくコントロールするような側面が強まっていると感じました。
ーー「就活生のために」という想いと、事業スケールとの間にギャップを感じ始めたということでしょうか。
もともと私たちは「学生のために」という想いで創業し、理念が揺るがないよう注意を払ってきました。しかし、ユーザーの声や同業の実態に触れる中で、個人の努力だけではどうにもならない業界全体の課題を痛感するようになったんです。
事業の成長自体を否定するわけではありません。ただ、自分がやりたかった「きっかけ作り」から離れてしまう感覚は否めませんでした。本質的なマッチングが置き去りでは、利益を上げても意味がありません。企業とユーザー双方が納得できる仕組みを作りたいという想いが強くなっていきましたね。
ーーその後、複数社で顧問業を経験されていますが、外から市場を見ることで得られた気づきはありましたか。
約1年間、複数企業で採用支援や組織コンサルティングに関わりましたが、そこで突きつけられたのはエージェントの提供価値が年々薄れつつあるということです。
かつては求人票には載らない企業のリアルな情報を付加価値に変えていましたが、今は表面的な条件を受け渡すだけの横流しが目立っています。そして、紹介料が高く、効率良く稼げるハイレイヤー領域も多くなり「いかに早く、高く売るか」という短期的なマネーゲームが市場を支配し、手厚いフォローを要する若手や新卒の支援は、コストに見合わないとして二の次になっています。
だからこそ、手がかかる新卒の領域にあえて踏み込み、働く意味から一緒に考えていくことが自分の役割だと思ったんです。
生きる意味を「誕生」させる。──競争や序列の固定概念を壊し、新たな可能性を芽吹かせる
ーー2025年5月にBirthを創業されました。まずは、事業内容について教えてください。
就職活動のゴールを内定の先にある納得感に置き、学生向けの就活支援と企業向けの新卒紹介を展開しています。
学生向けには現場のリアルな情報を直接届け、自己理解の深掘りから伴走するのが特徴です。企業向けには研究室や部活動といった独自ルートを活用し、学歴だけでなくやり抜く力を持つ学生を集客し、母集団形成から内定承諾までを一貫して支援しています。
ーー社名や『就職を、選抜ではなく「誕生」に変える。』というミッションには、どのような想いを込めたのでしょうか。
20歳から60歳までの労働期という学生時代よりもはるかに長い人生の入り口に立ち会い、新しい人生の「誕生」を祝福する場でありたい。そうした想いからBirthと名付けました。
そして、今の就職活動は、企業が学生をふるいにかける選抜の要素があまりにも強いと感じます。知名度や規模といった外部情報だけで意思決定する学生と、長年変化しない人物像に固執する企業。この両者の固定概念を壊さない限り、納得のいくマッチングは生まれません。だからこそ、競争や序列ではなく、人と事業の「相性と意思決定」でキャリアが選ばれる社会を目指して、このメッセージを掲げることにしました。
ーーロゴに込められたストーリーについても聞かせてください。
「年輪」と「雷」をモチーフにしています。
木に雷が落ちる現象は、実は新たな発芽を促すきっかけでもあるんです。切り株は、その人が積み重ねてきた経験や歴史。そこに私たちが第三者として雷のような刺激を届ける。それは決して破壊ではなく、人生がもう一度動き出すための兆しを意味しています。
そこから新しい可能性が芽吹く「誕生(Birth)」の瞬間を支えたいという想いを形にしました。
土台作りは会社、彩りは自分。正解のない「着こなし」を追求する組織の在り方
ーー組織づくりについて伺います。西村さんがマネジメントにおいて大事にされていることは何でしょうか?
例えるなら、「マネキンと服の関係」という表現かもしれません。
土台となる「マネキン」の形を決めるのは会社の役割です。具体的には、価値を担保するための枠組みや最低限の行動指標を指します。一方で、そのマネキンをどう着飾るかという「服」にあたる、実行プランや表現手法はメンバーが自由に決めていいルールにしています。例えば「面談時間は必ず45分確保する」というマネキンは動かしませんが、その中で何をヒアリングし、どう伝えるかは自由。むしろ積極的に自分なりのユーモアを詰め込んでほしいと考えています。
また、ユーザー支援の本質が形骸化していく業界構造に強い焦燥感を覚えた経験から、個人の数字に対するノルマは設けていません。数値を追いかけることを目的にするのではなく、求職者が納得できる意思決定を支え、その中で各々が自律性を持って個性を最大限に発揮する。そんな「規律ある自由」こそが、強い組織を作ると信じています。
ーー創業間もない組織だからこそ、そうした柔軟な対応が可能になるんですね。
組織が大きくなると、どうしても分業化が進み、業務の目的や顧客の顔が見えにくくなってしまいます。しかしBirthでは、思想を形にするプロセスから顧客・ユーザー折衝まで、横断して関わることができます。
足の遅いサッカー選手がいたら、その特徴を活かしてどう勝ち切るかを考えるのが私のマネジメントスタイルです。最初から役割を固定するのではなく、メンバーの強みを見極めながら、一緒に最適なポジションを創っていきたいと考えています。フラットに意見を交わしながら会社の色を共に創っていけるのは、今のフェーズにジョインしてくれる方ならではの特権と言えるでしょう。
「会社の色」を自分たちで描く真っ最中。あなたの感性が、誰かの人生の新しい兆しになる
ーー今後の展望についてお聞かせください。
まずは新卒採用支援を軸に、納得度の高いマッチングを再現可能な型として確立させることが直近の目標です。属人的な力に依存するのではなく、会社の思想と支援プロセスを言語化し、強固な仕組みに落とし込んでいきます。
中長期的な目標は、採用が人と事業の「前進を生む意思決定」とされる状態を創り出すことです。ネームバリューや条件だけではなく、自分の価値観と企業のビジョンが共鳴する場所を選ぶという文化を根付かせたいと考えています。
そして、新卒領域で実績を築いた後は、中途採用やその他のライフイベントにも領域を広げ、人生のあらゆる「誕生」に伴走できる存在へと進化していく構想を持っています。
ーー最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
今のBirthは、まさに会社の色を自分たちで創っている真っ最中です。仕組みを整える面白さもユーザーに深く入り込む難しさも、すべてを等身大で楽しめるフェーズにあります。
必要なのは、もっと面白い支援がしたいという素直な好奇心です。あなたの感性が誰かの人生の新しい兆しになる。そんな瞬間をBirthで分かち合えれば嬉しいです。