「私がこと京都に入社した理由」というテーマの社員インタビュー。第一回目に取材させていただいたのは、こと京都の営業課に所属する小川量平さんです。
社内ではムードメーカー的存在で、社内パーティーでは司会を務め、こと京都らしく笑顔で仕事をしている方に贈られる「こと京都賞」も受賞された小川さん。
そんな小川さんは、5年前に大手飲食チェーンから転職して来られたそう。
なぜ農業界に転職しようと思ったのか。そして、一体どんな方なのか。今回、弊社イベント会場にて取材させていただきました。
飛び込み営業は登竜門
ー小川さんは面白い方というイメージが強いです。先日も、34℃の真昼間に汗だくになりながら「こと日本静岡支店」へ自転車で来てくださいましたね(笑) 遠いのにバスやタクシーでなく、なんで自転車⁉と驚きました!
あぁ、駅でレンタサイクルを利用したとき!あれは、たまたま商談前で。少しだけ時間があったので寄ってみたんです。
いや、でもあれにはちゃんと真面目な理由があります!
まずは、土地それぞれの空気感が分かるから。都会なら人が多くせかせかしていたり、都会から少し離れた地域ならのんびりとしていたり...。道行く人や信号待ちの人の会話を聞きながら、どんな街なんだろうって何となく感じたいんです。あとは、時間を有効に使えるから。自転車だと商談の前後に近隣のスーパーへ寄ったりできますが、タクシーやバスだと逆に不便なんです。
ーなるほど。深い意味があったのですね!
(写真:レンタサイクルで「こと日本静岡支店」までやってきた小川さん)
ー営業さんというと、具体的にどんなお仕事をしているのですか?
僕は業務用の生鮮のカットねぎをメインに、カップねぎ、冷凍ねぎを担当しています。全国各地、スーパーや問屋さんなどのお取引先へ飛び回っています。それこそ、この前は宮崎、東京の展示会も行ったかな。あとは、新規のお客さまを増やすために、展示会以外にも現在のお取引先のご紹介で新しいお客さまのところへ行っています。粘り強くアポをとって、何度も商談を重ねて...という感じで、地道に、でも着々と新規のお客さまにつなげています。
(写真:ミーティング中の営業チーム)
ー飛び込み営業とかもされているんですか?
そうですね。ラーメンブームの時代に山田社長が関東へ飛び込み営業をし、会社の基盤を築いてきたという歴史があります。次に引き継いだ宮川部長(現経営管理部)も飛び込み営業をし、その後に入社したんで「登竜門として小川くんも行ってき〜」ってことで僕も入社2年目に挑戦しました。
そのときは、大阪・兵庫・奈良のラーメン屋を70件くらい回って約1割くらいの打率。ねぎは値段勝負という時代でなかなか厳しかったんですが、「品質」や「安定供給」を売りに営業しました。基本的に他社のねぎを使っているラーメン屋ばかりなんで必要ないと言われてしまうんです。でも、中には「ちょうど今、新しい取引先を探しててん!」というお客さまも。そういうところに巡り合わせるのか、たまたま出会うのか。やっぱりそれは数をこなすしかないんですね。
こと京都に入社したきっかけ
ー前職は有名な某飲食チェーンとお聞きしましたが、こと京都に入社したきっかけは何だったのですか?
前の会社では店舗開発という営業の仕事をしていました。店長からマネージャーに上がり、良い感じでステップアップしていったんですが、大手企業とあってマニュアルで決まっていることが多く、自分の必要性があまり感じられない。「一生働くなら、責任は大きくてもやりがいのある仕事がしたい」と、だんだん思うようになっていました。
そんなときに、現在「こと京都の広報」で働く山田紗矢香さん(社長令嬢)のことを思い出しました。元々同じ飲食チェーンで働いていたんですが、ご両親が創業した会社を手伝うからと辞めていった山田さん。久しぶりに連絡をとったのをきっかけに入社しました。
ーでも、なぜ「農業」を選ばれたのですか?
社長が独特というか、農家から九条ねぎ一本でこれだけの企業にした社長に非常に魅力を感じたからですね。なおかつ、まだまだ新しい挑戦を続けているってところがいいな、と思いました。営業でも自分の力が試せるし、責任はあるけれどやりがいがあります。
実際に入社してみて感じたこと
(写真:展示会で九条ねぎの魅力をアピールする営業チーム)
ー入社の前と後で、ギャップはありましたか?
そりゃあ、どの会社も多少あるでしょうね。悪いところを見るとキリがありません。
ただ、農業なので「天候に左右される」のは他の業界とは違って大変です。
ー今までで1番つらかったことは何ですか?
一昨年(2017年)に記録的な規模の台風が来て、全国各地で被害が出たのを覚えていますか。(8月には台風5号、9月には台風18号、10月には台風21号と西日本から東日本の広範囲に河川の氾濫や浸水害、土砂災害をもたらした)その影響で弊社も12月から大規模な欠品を起こし、取引先のお客さまにご迷惑をおかけすることに。その後、人件費や物流費の高騰で値上げになり、またお客さまにお願いをして回りました。それでも何とか一年乗り切ろうとしていたのですが、昨年(2018年)、再び大きな台風が京都や生産者の仲間が多い四国を襲います。(豪雨、酷暑、雨不足、台風21号と夏から秋にかけて毎月辛い状況)お客さまからすると「今年は頑張りますって言ったのに、またか」という感じですよね。被害は最小限に抑えられましたが、正直もう心が折れそうになってました。
(写真:2017年10月大型台風21号で被害にあった九条ねぎ)
そんなとき、現課長の加藤さんが営業チームに入って来られました。大手製薬メーカーの営業でお仕事をされていた加藤さん。自分の思いを聞いて、「頑張ろうや」と励ましてくださりました。会社としても良い方向に行ったので、僕も前向きな気持ちになっていきました。今思えば、あのときがあったから今があると感じています。
ー営業に新しいメンバーも加わりましたが、良いチームになりましたか?
明るい課長の加藤さんと長谷川さん。そして、フレッシュな藤代くんと金井くん。とても良いチームです。
まぁ、あとは4月に入社したばかりの生意気な新人が研修期間を終えて9月から独り立ちするので、その中で彼らがどう思って頑張っていくかですね(笑) もちろん大変なことも多いので、営業チームみんなで二人を育てていこうと話しています。
ー"生意気な"という表現に愛情がこもっていますね!
(写真:新入社員を指導する小川さん)
胸に秘める野望…
ーこれからのミッションを教えてください。
京都産の九条ねぎを全国各地に広めるのが、第1のミッションです。良い意味でライバルも増えてきたんで、その中でどう差別化していくかも大切になってきます。また、バイヤーさんは常に情報を求めているので、何かあったときに農家さんをご紹介するなど、仲間でもある各地の生産者と販売者の方をつなぐ役割もしていきたいです。
ー個人的にやってみたいことはありますか?
実は九条ねぎを使った飲食事業は何十年後かに…と、野望として持っています。そのために今は、実績を積んだり、九条ねぎならどんなものが良いのか、お取引先や物産展などでお客さまの声を聞いて情報収集をしたりする時間だと思っています。
(写真:日本橋高島屋の京都物産展にて九条ねぎたっぷりのねぎ焼きを実演販売)
ー最後に、どんな方と一緒に働きたいですか?
自ら考えて行動できる方ですね。あとは、前向きな方でしょうか。どんなことに対しても、悪いところより良いところを見れる人。それこそ、木鶏会(こと京都で行われている勉強会)でおこなっている「美点凝視」ができる方です。
ーなりほど。取材させていただき、ありがとうございました!
いつも笑顔で面白いイメージの小川さんですが、普段は見ない様々な面を知ることができました。入社したきっかけを取材するこの企画。どんな思いを持って仕事をされているのかもお聞きでき、私自身も前向きな気持ちになりました。
今後も「ことスタッフ」の仕事の様子や思いをお伝えしていきます。