株式会社スイセイの魅力を、もっと沢山の人に届けたい。そんな思いからスタートしたメンバーインタビュー。第1回目は、スイセイの顔である代表取締役CEO・松村幸弥さんにインタビューを実施しました。
松村さんのこれまでのキャリアや、AIを活用した「事例のプロ」事業の立ち上げ背景、そして創業1期目を走り切ったいま感じることなど、詳しく伺います。
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プロフィール
株式会社スイセイ代表取締役CEO松村幸弥
横浜国立大学を卒業後、2012年4月に株式会社ボルテージに入社。ソーシャルゲームのディレクターとして5年弱従事したのち、2016年9月に株式会社シューマツワーカーを創業。代表取締役CEOとして、約6億円のエクイティファイナンスの実施、クラウドワークス社への売却、売上15億円の達成を牽引。2024年8月末にシューマツワーカーを退任し、株式会社スイセイを創業。
1989年、石川県金沢市生まれ。趣味はロードバイク、フットサル。
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BtoBにおける導入事例の価値を感じ、新たなサービスの立ち上げへ
──最初に、これまでのキャリアと株式会社スイセイ創業までの経緯をお聞かせください。
松村:2016年9月に株式会社シューマツワーカーを創業し、副業希望のIT人材と企業をマッチングするサービスを展開しました。7年半にわたり経営を行い、2023年にクラウドワークスに参画し、2024年8月末に退任。同年9月に株式会社スイセイを創業しました。
退任後すぐにスイセイを創業したのは、共同創業者であるCOOの星くんから、「休まず、この勢いのまま進もう」と提案を受けたことも大きいです。僕としては、3ヶ月くらいは休みたかったんですけどね(笑)。
──株式会社スイセイでは「BtoBマーケティング×AI」企業として、まずは「事例のプロ」というサービスを立ち上げられました。なぜ事例制作を最初のサービスとして選んだのですか。
松村:シューマツワーカー時代の経験が背景にあります。特にBtoBマーケティングやセールスにおいて、事例は極めて重要な営業コンテンツだと痛感していました。
シューマツワーカーは優秀なIT人材を柔軟な稼働で早く確保できることが強みでした。しかし企業からすると「どの企業が、どの場面で、どの業務を副業人材に依頼しているのか」という具体的なケーススタディが伝わらなければ、なかなか決断しにくい状況があります。
単に「優秀な人材を確保できる」といった事実だけでは、自社の課題解決にどう繋がるかが伝わりにくかったんです。
──副業人材の価値を伝える上で導入事例は不可欠だったのですね。
松村:その通りです。昨今は新規事業開発や起業のハードルが下がり、特にBtoBソリューション領域では、類似サービスが日に日に増えています。そのような状況であれば、各企業が持つ、「このパターンなら競合に負けません!」というような、得意な業種や規模、予算感、課題、などをしっかりと明示する必要があります。「全方位的になんでもできます!」というサービスは、“何も強みがない”と受け取られかねません。
自社が得意とする課題解決のパターンを明確化し、それを営業コンテンツとして打ち出すことが、持続的な事業成長には重要です。だからこそ導入事例の制作が必要であり、「事例は最強の営業コンテンツ」という言葉を打ち出しています。
──事例制作を推進していくうえでの課題には、どんなものがあるでしょうか?
松村:制作工程が想定以上に多く、負担が大きい点が課題として挙げられます。事例制作はディレクションや関係者調整、ライティング、撮影など、プロジェクトにおける制作工程が多いのが特徴です。シューマツワーカー時代に、僕自身も内製で取り組んだ際に、その負担の大きさを痛感しました。
そうした負担の大きさも、AIの活用によって工程を大幅に省略できる可能性が見えてきました。例えば、音声データの文字起こしなどは、AIでかなり省略できるようになっています。
事例制作の外注相場は比較的高く、1コンテンツ20〜30万円程度の相場です。また、企画からしっかり実施し、写真撮影まで行なう場合、1コンテンツ50万円以上かかる業者もいます。
AIを活用すれば、こうした外注相場に対して価格優位性を持ちつつ、高品質な事例をより多くの企業へ提供できると考えます。
──AI活用は事業の柱になっているのですね。
松村:はい。創業当初から、AIが事例制作のプロセスを効率化できる確信があり、活用は必須だと考えていました。ただし、AIだけでは完結せず、企画力やヒアリング力、ディレクションや編集など、最終的な質を担保する部分は人間が担う必要があります。この「AIと人間の協業」により、低コストかつ再現性高く質の高いアウトプットを生み出せるモデルを構築できると考えました。
改善を重ね、壁を乗り越え、創業1期目を走り切る
──もうすぐ創業1期目を終えるタイミングですが(インタビュー時、2025年8月)手応えを教えてください。
松村:1期目を終えた現在、AI活用のフローや制作体制、オペレーション、原価構造など、様々な改善を何度も繰り返し、確実にサービスの質は上がってきています。
例えば、音声データを初期の頃はi-phoneで録音していましたが、ボイスレコーダーで撮ることで、次のAI文字起こしのフローをスムーズにさせています。また、社内での勉強会やライティングのノウハウの共有をしていったりと、本当に色んな取り組みを実施しています。まだまだ改善の余地はありますが、初期からはクオリティも体制も見違えるほど良くなりましたし、さらに今後、良くなる手応えを感じています。
また、「BtoBマーケティング×AI」企業として、2025年9月からは第二弾サービスのリリースも控えています。
こうして継続してチャレンジを続けていけるのも、市場の確かなニーズがある点と、社内での改善の繰り返しが結果を残せているからできることです。
──過去には徹夜で記事を書き直すこともあったそうですが、その経験から得たものはありますか。
松村:サービス立ち上げ初期は、僕や星くんが徹夜で原稿を修正することもありました。正直あの頃はAIを使いこなせず、アナログな作業が多く残っていたんです。当時の壁はメンバーが力を貸してくれたことで、「この時期を必ず乗り越える」という一体感が生まれ、しっかりと乗り越えることができました。今は徹夜が必要な状況はさすがにありませんので、これからジョインする方はご安心を(笑)。この経験は、チームの結束力を大きく高めたと感じていますし、次のサービスローンチ時は、こうしたトラブルの無いように、走っていけるよう頑張ります。
──スイセイでは、定期的な飲み会や全社会の開催など対面での交流も重視していますが、その意図を教えてください。
松村:現在スイセイでは、月に1回の全社会の開催と、その後の飲み会を企画しています。意図としては、まずはメンバー間の心理的安全性を高め、活発な議論やフィードバックができる環境をつくるためです。オペレーション改善は日々進めていますが、課題はまだ多いです。だからこそ、互いに率直に意見を交わせる関係性を、意識的に築いていくことが重要だと考えます。
また今後は、セールスサイドの強化を進めていきます。事業の急成長フェーズでは、チーム内の密なコミュニケーションが特に大事です。会社としても、意識的にフラットなコミュニケーションが取れる空気づくりに取り組んでいきたいと思っています。
あと仕事って、人生の多くを占めるものですよね。だからビジネスライクなやり取りだけでなく、人間的な繋がりや、「熱いチームで頑張る」みたいな考えも大切にしたいんです。もしかしたら”昭和感”みたいに思われるかもしれませんが、「仕事を通じて青春したい」って気持ちが、僕にはあります。
スイセイメンバーにも、何年かして過去を振り返ったとき「スイセイで働いていたあの時期は、本当に充実していたな」と思ってもらえる組織作りを目指しています。
青春感と合理性の両軸を大事に、日々爆速で進む!
──ここまでのお話から、スイセイって、いわゆるスタートアップのイメージとは少し違う、青春感というか、熱い感じを大事にしているのが理解できましたが、組織を運営していく上で、他に大事にしている点があれば教えてください。
松村:青春感とか情熱はもちろん大切にしていますが、判断基準や意思決定は、ドライで合理的かもしれません。
事業をしていて1番良くないのは、問題をうやむやにしてしまうことです。人間関係が良い組織だと、「みんな頑張ってるんだし」という気持ちを免罪符に、本質の問題をうやむやにすることができます。
実はシューマツワーカー時代に、そのような経験がありました。でも、これでは筋肉質な組織は作れません。
現在は反省も踏まえて、判断基準や意思決定は合理的でドライにする点を意識しています。熱量とは真逆の要素となりますが、こうした両面のバランスも、組織運営では重要視しています。
具体的には、本人への耳の痛いフィードバックもしますし、ダメなものはダメというラインも引きます。組織には常に「プロフェッショナル性」を求め、その上で仕事という青春を謳歌するイメージです。
──現在スイセイは積極的に人材募集を行っていますが、経営者目線で見たとき、スイセイで活躍できる人に共通する特徴は何でしょうか。
松村:自分の仕事の範囲を限定しない姿勢のある方ですね。スイセイはまだ出来たばかりの組織なので、想定外の課題や「誰が対応するか」という場面が日々発生します。その中で、自ら手を挙げてボールを取りに行けるメンバーは非常に頼もしいですし、どんどん力を発揮しています。
こうした人は、自身のケイパビリティが広がるだけでなく、スイセイ内での実績がどんどん作れていきます。イレギュラーをレギュラー化する主体性を持った方は、ぜひ一緒に働きたいですね。
──これからスイセイで働くことを考えている方へ、最後にメッセージをお願いします。
松村:スイセイは、AIの台頭という大きな潮流の中で、BtoBマーケティングとPR支援に特化した総合型AIソリューションカンパニーを目指しています。
この初期フェーズに参画することは、間違いなくあなたのキャリアにプラスとなります。「熱量を持って仕事に取り組みたい」「仲間と共に青春したい」という思いがある方であれば、正社員でも業務委託でも構いません。ぜひスイセイの挑戦に加わってください。皆さんとお話できることを、心からお待ちしています。