約束を守る。相手への伝え方に気を配る。早く動き、フィードバックを受けて改善する。
一つひとつは特別なことではない。市場価値を引き上げる魔法のテクニックもない。
けれど、その「当たり前」をどこまで徹底できるか、人として素直に誠実にあり続けることが仕事の成果を分けると矢野は言う。
27歳で独立し、年収3,500万円を得ながら自由な生活を送っていた矢野。なぜ、再び組織に入り、ミツカルで事業づくりに挑むことを選んだのか。仕事ができる人の共通点と、若手に伝えたい成長の考え方を聞いた。
士業コンサルで圧倒的成果を出し、独立を経て執行役員として参画。紹介営業の仕組み化や新規事業立案のプロとして、現在はゼロからの事業創出とマネジメントを統括。「日本一の士業ベンダー」を目指し、熱狂的に邁進中。
1.自由な生活の先で、挑戦したいものが変わった。
——27歳で独立し、収入も時間の自由も得ていたそうですね。なぜミツカルに入ったのですか。
矢野:年収3,500万円を得られるようになったとき、正直、「こんなものか」と感じたんです。
朝10時に起きて、夕方まで働いて、飲みに行ったり旅行したりする。周りから見れば、自由で楽しそうな生活だったと思います。僕自身も、そこに至るまでは必死でした。
でも、いざ実現してみると、自分一人が満たされるだけでは、僕がやりたいこととしては物足りなかった。もっと大きな事業をつくり、社会に影響を与える挑戦がしたくなったんです。
そこで出会ったのがミツカルでした。経営陣が描いている大きな構想と、それを本気で実現しようとする姿勢に惹かれました。自分一人で事業をつくる道もありますが、ここで仲間と一緒に、今の自分には到底つくれない規模の事業に挑む方がワクワクしたんです。
自分の人生を、自分の意思で選びたい。そして、選んだ道で結果を出せる実力をつけたい。ミツカルへの参画も、そのために自分で決めた挑戦です。
2.仕事ができる人は、「当たり前」の基準が高い。
——矢野さんが考える「仕事ができる人」とは、どんな人ですか。
矢野:何か特別なスキルを持っている人、と思われがちですよね。でも僕はまず「当たり前のことを、どれだけ高い基準で続けられるか」だと思っています。
約束を守る。返信を待たせない。メールやチャットを、相手が受け取りやすい言葉で書く。会ったときの表情や立ち振る舞いにも気を配る。
一つひとつは小さなことです。でも、その小さな接点で相手に不安や違和感を与えない人は、信頼されます。
反対に、提案内容が良くても日々の振る舞いで信頼を失うことはある。仕事の成果は、そうした積み重ねの上に成り立っていると思うんです。
僕が「愛され、選ばれ続ける人」に必要だと考えている要素も、5つあります。
- 自分の人生を、自分の意思で決める
- 自分の選択と結果に責任を持つ
- 必要なときに泥臭く努力する
- 周囲が関わりやすい愛嬌を持つ
- 自分を隠さず、率直に伝える
どれも、営業だけに必要な能力ではありません。人と仕事をする上での土台です。
知識やテクニックを学ぶことも大切です。でも、まずは自分の言葉や行動が相手からどう見えているかを考え、基本を徹底する。その基準を上げていくことが、総合的な人間力につながると思っています。
3.早く出し、早く直す。仕事の基準は、行動の中で上がる。
——若手の中で「この人は伸びる」と感じるのは、どんな人ですか。
矢野:正解が見えなくても、手を動かせる人ですね。
20代前半で、自分の今の努力が将来どうつながるか、全部分かっている人はいないと思います。分からない中でも、やってみる。手を出してみる。指摘を受けて、もう一度やる。その繰り返しができる人は伸びます。
分かりやすいのが、資料を出すスピードです。最初から100点を目指して一人で抱え込むより、30点でも50点でも、まず早く出してほしい。
早く出せば、上司や先輩から「方向性は合っている」「ここを直そう」とフィードバックをもらえる。そこで修正した方が、結果として良いものを早くつくれます。
——完成度より、まずスピードを重視するということですか。
矢野:最終的な質は、もちろん大事です。その質を上げるために、最初の確認を早くするんです。
僕も営業をやっていた頃は、商談の提案資料を早い段階からつくり、何度も見直していました。準備を前倒しして、改善する時間を確保する。その習慣が、提案の質を上げてくれます。
「完璧にしてから見せます」と言って止まるより、早く見せて、早く直す。そうやって仕事の進め方そのものを磨くことが大切だと思います。
4.自分だけができる仕事を減らし、組織の基準を上げる。
——事業や組織をつくる上では、何を意識していますか。
矢野:個人の頑張りだけに頼らず、成果を出せるやり方を組織に残すことです。
僕は自分の仕事をA・B・Cに分けて、カレンダーも色分けしています。自分が担うべき重要な仕事は何か。ほかの人に任せられる仕事は何か。手順を整えれば、誰でもできる仕事は何か。それを常に見直しています。
自分が忙しく働き続けるだけでは、組織の成果には限界があります。仕事の進め方を整理し、ほかのメンバーも使える形にして渡す。そうすることで、チーム全体の基準を上げていきたいんです。
営業の提案も同じです。感覚だけで話すのではなく、まず相手の事業を理解する。誰を対象に、何を、いくらで提供しているのか。なぜ選ばれているのか。その強みは、どんな事業の構造から生まれているのか。
そうした基本を押さえた上で、「僕らなら、ここで力になれます」と提案する。考える順番を共有できれば、メンバーそれぞれが提案の質を高めていけます。
個人が成果を出すことに加えて、周囲も成果を出せるようにする。そこまでできて、マネージャーとしての仕事だと思っています。
5.人間力を磨き、自分の力で人生を切り拓く。
——最後に、ミツカルで働くメンバーや、これから入る方へメッセージをお願いします。
矢野:僕が一番伝えたいのは、「人として強くなろう」ということです。
約束を守る。時間を守る。自分の課題から目をそらさない。分からないことがあれば聞く。指摘されたら、次の行動に反映する。
そういう当たり前の基準を、一つずつ引き上げてほしいんです。その積み重ねが信頼になり、仕事の実力になり、自分で人生を選べる力にもなっていくと思います。
本気で成長したい人には、僕が持っているものを惜しみなく伝えます。仕事の進め方に悩んだら、自分のカレンダーを持って来てほしい。提案を磨きたければ、資料を持って来てほしい。一緒に見ながら、どこを変えれば良くなるかを考えたいです。
僕自身も、まだ基準を上げ続けたいと思っています。一緒に学び、行動し、人としても仕事人としても強くなっていきたいとおもいます。
仕事の早さも、提案の質も、周囲からの信頼も、日々の行動から生まれる。
矢野が伝えるのは、当たり前を高い基準で実践し続けることの大切さだ。その基準を自分から引き上げ、周囲にも広げていく。ミツカルでの挑戦は、矢野自身にとっても、その実践の場になっている。