「日中に8時間働いて、夜8時から11時まで練習する。それが毎日でした」
プロキックボクサーとして競技を続ける一方、高校卒業後から携帯ショップで働いていた坂本梨香。生活を支えるには仕事が必要。でも、仕事に時間を使いすぎれば、練習も睡眠も足りなくなる。
競技か、仕事か。どちらか一方を選ぶのではなく、両方を続ける方法はないのか。
答えを探した末に坂本が選んだのは、働き方そのものを変えることでした。愛知県豊橋市から東京へ移り、NSJAPANで新しいキャリアを始めた背景を、本人の言葉で聞きました。
目次
坂本梨香|プロキックボクサー。愛知県豊橋市出身。中学生で格闘技を始め、高校生から試合に出場。19歳でプロデビュー。高校卒業後は携帯ショップで勤務しながら競技を続け、2026年にNSJAPANへ。現在は自身の経験を生かし、競技と仕事の両立に悩むアスリートと向き合っている。
「ただ強くなりたい」で、一人でジムの扉を開けた
——格闘技を始めたきっかけから教えてください。
坂本:中学生のときです。誰かに勧められたわけでも、周りに競技をしている人がいたわけでもありません。ただ「強くなりたい」と思って、自分で近くのジムを調べて、一人で行きました。
始めてみたら、すっかりハマってしまって(笑)。高校生から試合に出るようになり、19歳でプロデビューしました。
——最初から、自分で調べて飛び込んだんですね。
坂本:そうですね。やりたいと思ったことは、考えるだけで終わらせず、すぐ行動に移すタイプです。「やってみたい」と思ったら、できるだけ全部やりたいんです。
坂本の原点にあるのは、特別なきっかけではありません。「強くなりたい」という衝動を、実際の一歩に変えたこと。その行動の速さは、のちに仕事と生活を大きく変える決断にもつながっていきます。
8時間勤務のあと、夜8時から11時まで練習
——高校卒業後は、どのように競技と仕事を両立していたのでしょうか。
坂本:携帯ショップで働きながら競技を続けていました。生活のためには1日8時間働く必要があって、日中に勤務して、夜8時から11時まで練習する生活です。
仕事が終わってからジムへ行き、帰宅して、また翌朝から働く。それがほぼ毎日でした。
——その生活を続けるなかで、何が一番苦しかったですか。
坂本:練習時間だけでなく、睡眠時間まで足りなくなることです。もっと効率的に収入を得ながら、練習と睡眠を確保できる働き方はないのか、と考えるようになりました。
競技を続けたい気持ちは変わらない。でも、気持ちや根性だけでは時間は増えません。坂本が向き合っていたのは、「頑張れるか」ではなく、「この生活を続けられるか」という現実的な問題でした。
収入を増やそうとして、さらに睡眠が減った
——働き方を変えるために、最初にどんなことを試しましたか。
坂本:副業でデザインをやってみようと思い、クラウドソーシングで案件を受け始めました。でも、1件取り組んでも報酬が100円、200円ということもあって。収入を増やすために始めたのに、作業時間が増えて、さらに睡眠を削ることになりました(笑)。
——思い描いていた働き方とは違った。
坂本:そうですね。ただ、その経験があったから、「このまま同じやり方を続けても単価は上がらない」と考えるようになりました。そこから仕事の探し方を調べて、Wantedlyにたどり着いたんです。
うまくいかなかった副業も、無駄ではありませんでした。「空いた時間に仕事を増やす」のではなく、「限られた時間でも経験と収入を積み上げられる環境を選ぶ」という方向に、坂本の視点が変わったからです。
Wantedlyで最初に応募した会社が、上京のきっかけになった
——NSJAPANを知ったのはWantedlyだったそうですね。
坂本:はい。いろいろな募集を見ているなかで、「面白そうだな」と感じたのがNSJAPANでした。デザインだけにこだわっていたわけではなく、経験したことのない仕事や、知らない世界に挑戦したい気持ちが強かったんです。
実は、Wantedlyで応募した最初の1社でした。面談で話してみたら本当に面白くて、「ここなら新しいことを学べそう」と思いました。
——愛知県豊橋市から東京へ移ることに、不安はありませんでしたか。
坂本:もちろん、何も決まっていない状態で上京するのはリスクがあると思っていました。ただ、キックボクシングの試合は東京で行われることが多く、いつか環境を変えたい気持ちはあったんです。
NSJAPANとの面談で、競技のことだけでなく、その先の働き方やキャリアまで一緒に考えてもらえました。それで「もう行こう」と決断できました。
坂本が動けたのは、「上京すれば何とかなる」と考えたからではありません。競技を続けるための条件と、仕事で成長する道筋を一緒に考えられる相手に出会い、挑戦できる環境が具体的に見えたからでした。
競技の予定だけでなく、その先の人生まで考えてくれた
——面談で特に印象に残っていることはありますか。
坂本:当時の私は、格闘技人生のことしか考えられていませんでした。でも面談では、「競技の先も含めて、こういう働き方ができたらいいよね」と話してもらえたんです。
自分でもまだ気づいていない可能性を引き出してくれそうだと感じました。格闘技の活動を気にかけてもらいながら、仕事でも新しい経験を積める。その両方があることが大きかったです。
NSJAPANのアスリート支援は、競技を応援するだけの仕組みではありません。スポンサーとしての支援に加えて、実際の業務に取り組み、その対価を得ながら、営業やビジネスの経験を積んでいく。競技を続ける「今」と、競技の先にあるキャリアを分けずに考えることを大切にしています。
入社1週間で感じた「ここなら、もっと知れる」
——NSJAPANに入って、どのような変化を感じましたか。
坂本:このインタビューの時点では、まだ入社して1週間でした。それでも、皆さんが笑顔で楽しそうに働いていることが印象的でした。「ここにいたら、もっといろいろなことを知れそう」と感じています。
まずは目の前の仕事を覚えながら、営業やビジネスの経験を積んでいきたいです。将来的にはスポーツに関わる仕事や、女性アスリートを支援する取り組みにも関わっていきたいと思っています。
——支援を受けるだけでなく、支える側にもなりたい。
坂本:はい。自分が実際に、仕事と競技の両立で悩んだからこそ、分かることがあると思っています。同じように悩んでいる選手がいたら、その人に合う方法を一緒に考えられる存在になりたいです。
「両立できるか」ではなく、「両立できる形を一緒に探す」
競技を続けたい。でも生活のために収入も必要。
大会や遠征の予定がある。フルタイム勤務では練習時間が足りない。かといって、短時間の仕事だけでは将来につながる経験を積めるか不安——。
アスリートが抱える問題は、一人ひとり違います。だから、全員に同じ働き方を当てはめることはできません。
——今、競技と仕事の間で悩んでいる方へ伝えたいことはありますか。
坂本:私も、最初から答えが分かっていたわけではありません。副業を試してうまくいかなかったり、働きながら睡眠を削ったりして、やっと「環境を変える必要がある」と気づきました。
まだ具体的な転職や応募を決めていなくても大丈夫です。競技予定、必要な収入、働ける時間、これから身につけたいことを一度整理すると、自分に合う選択肢が見えやすくなると思います。
一人で答えを出そうとせず、まずは話してみてください。
坂本にオンラインで話を聞く
STIRA ATHLETEでは、競技と仕事の両立に悩むアスリート向けに、30分のオンライン相談を行っています。
- 大会・遠征・練習と両立できる仕事を知りたい
- 必要な収入と働ける時間を整理したい
- 今の経験から、どんな仕事に挑戦できるか知りたい
- まだ応募は決めていないが、今後のキャリアを相談したい
相談は無料・オンラインで、履歴書は不要です。坂本自身の経験も交えながら、あなたに合う働き方を一緒に整理します。