籠田 亜紀 / AKI KAGOTA
SOIL Setoda manager
東京都出身。短大で建築を勉強しましたが、就職はせずに20代はカナダ、ニュージーランド、インドネシア、逗子で働くなど自由に過ごしていました。30代は、イベント関係の装花をしている会社にて勤務。このままずっと東京にいることが想像できず移住先を探していたところ、友人の紹介でSOIL瀬戸田で勤務することになりました。
今後は、瀬戸田に訪れた方々、移住したみんなが過ごしやすい環境が整っていくように、しおまち企画の事業に関わっていきたいです。
建築を学び、自然の中で働き、瀬戸田で暮らす
東京都出身で、短期大学では建築を学んでいました。学び始めた頃は、ミリ単位で設計された図面が少しずつ形になっていく過程に魅了されていました。細かい寸法やデザインが積み重なり、大きな建物が完成する瞬間には、いつも感動していたのを覚えています。
でも同時に、そうした大きな建物を一生かけてつくり続ける仕事に就くことを想像すると、どこか不安な気持ちもありました。当時20歳だった私には、そのスケールがあまりにも大きく感じられて、現実として受け止めるには少し怖さがあったのだと思います。
そんな思いもあって、思い切ってカナダに渡ることを決めました。到着してすぐ、目の前に広がる雄大な自然に圧倒されました。建物だけでなく、もっと広いスケールで世界と関わっていくことに魅力を感じ始めたのは、このときからです。自然の大きさや包容力に触れるうちに、自分がこれから進みたい方向が少しずつ見えてきたように感じました。「いつか海外で何かをしてみたい」という思いが芽生え、自然の中で過ごす時間が自分にとって心地よいことにも気づいていきました。
カナダ エメラルドレイクにて
その後はインドネシアへ渡り、ツアーガイドとしてマングローブのシュノーケリングやトレッキングツアーを担当しました。自然に囲まれながらの仕事を通してく、「自然とつながっている感覚」が自分の大切な価値観なのだと、改めて実感しました。こうした経験を通じて、もっと自然と関わる仕事がしたいという想いが強くなっていきました。
2010年。バリ島で働いていときの写真。
観光客向けではなく地元の子供向けにマングローブの植林を行った際の写真。
次に渡ったのはニュージーランド。美しい湖や氷河の山々、ひたすら続く牧草地などさらにアウトドアの世界に引き込まれていきました。その後は東京に戻り、イベント業界で働くことに。デパートの装飾やお花を使ったイベントなど、空間を彩る仕事は楽しくやりがいもありました。ただ、ずっと同じ場所で働き続ける未来を想像したときに、少しずつ、別の形の働き方も気になるようになってきて、次のステップに進む決意を固めました。
そんなとき、インドネシア時代の友人から、Azumi Setodaの立ち上げに関わっていると聞き、そのご縁でSOIL Setodaの紹介を受けることになりました。実際に瀬戸田を訪れてみると、静かで豊かな自然のある環境に心を奪われ、ここで新しい生活を始めたいと思うようになりました。瀬戸田のゆったりとした時間の流れや、自分のペースで過ごせる暮らしは、これからの人生を考えるうえでとても魅力的に感じ、移住を決めました。
「瀬戸田っていいところ」を伝えるしごと
SOIL Setodaの開業当初から、レセプション業務を中心に、サイクリングやSUPツアーの手配など、さまざまな仕事に携わってきました。毎日たくさんの方々とお会いする中で、瀬戸田という場所の良さに気づく瞬間が何度もあります。特に、お客さまから「瀬戸田って、本当にいいところだね」と言葉をもらえたときは、この場所で働いていてよかったと、自然と心があたたかくなります。
近ごろは、映画祭やレモンマラソン、マルシェなどの地域イベントの企画・運営にも関わるようになりました。瀬戸田の魅力をより多くの人に知ってもらえることが嬉しいですし、地域の人たちと一緒に何かをつくりあげる楽しさも、日々のやりがいのひとつです。レモンマラソンでは、地元の特産品を生かしたブースを出したり、地域の方々と一緒に運営に取り組んだりして、参加者だけでなくまち全体が盛り上がるイベントになりました。こうした取り組みが観光だけでなく、地元の人たちにも喜んでもらえるきっかけになっていると感じています。
SOIL Setoda 外観 photo
credit : Max Houtzager
また、バックオフィスとしての役割も、私にとって大切な仕事のひとつです。スタッフ同士の連携がスムーズにいくように声をかけたり、困りごとがあれば早めに解消できるよう動いたり。ちょっとした気づきや配慮の積み重ねが、スタッフみんなの働きやすさに繋がると思っています。そういう土台があってこそ、より良いサービスにも繋がっていくと信じています。瀬戸田は、自然に囲まれた静かでやさしい場所です。ここで働く中で、自分のペースで成長できることにも感謝しています。新しいことに挑戦したり、人とのつながりを深めたりしながら、少しずつ自分らしい関わり方を見つけてきました。
ある1日の過ごし方。ゲスト対応をしながら、
空いた時間でイベント企画や日々の業務をしています。
瀬戸田が「また帰ってきたくなる場所」であり続けるために
毎年の周年イベントでは、新しく仲間になったスタッフが中心となり、企画を進めます。私はサポートする立場ですが、みんなで一緒にイベントを作り上げる中で、仲間たちの成長を感じることが何より嬉しいです。
今年のイベントは、「卒業したスタッフたちに戻ってきてもらう」という企画でした。かつて一緒に働いていたメンバーたちが顔を見せ、地元の人々にも「会いに来てください」と呼びかけたところ、多くの方が訪れてくださいました。自然と笑顔が広がる空気の中に、SOILらしさや瀬戸田らしさを感じました。
イベント後、「離れた人がまた戻ってこられる場所であり続けてるのがすごいね」と言われ、嬉しく思いました。最近も元スタッフが「ここは気軽に帰ってこられる場所」と言ってくれ、瀬戸田では、どんなに時間が経っても「また帰ってこれてよかった」と感じてもらえる場所が作れていることを実感しています。
これからも、瀬戸田の中で横のつながりを広げ、支え合いの輪を大きくしていきたいと思います。そして、瀬戸田が「また帰ってきたくなる場所」であり続けるよう、目の前の仕事にまっすぐ向き合っていきたいです。
せとだの みんなの おかげさま 〜SOIL Setoda 4周年〜
地元とのつながりを大切に、みんなが集まる場所を育んでいく
SOIL Setodaの開業当初はコロナ禍という厳しい状況の中でスタートでした。最初の1年は、夜営業ができなかったり、レストランが開けなかったり、宿泊のお客様もほとんど来ないという状況で。その中で、今年で4周年を迎え、ご予約で満室できるようになり、レストランもほぼ毎日忙しい状況が続いています。この安定した状況が当たり前になっていることに、嬉しさを感じています。お客様が「また来ますね」と言って帰られるのを聞くと、遠くからわざわざ遊びに来てくれることに驚きと感謝の気持ちが湧きます。
SOIL Setodaに併設するレストランは、今では地元の方々にとっても身近な場所になっています。MINATOYAのカフェレストランには、毎朝朝食を楽しみに訪れてくださる常連さんたちがいます。大きなテーブルを囲んで、おじいちゃんおばあちゃんがコーヒー片手におしゃべりする、そんな光景が日常の風景になっています。
MINATOYA (ミナトヤ) photo credit : Max Houtzager
ひ、ふ、みのお弁当やお惣菜も地元の人たちに愛される存在になってきました。特にサイクリストが立ち寄ってお弁当を手にしていく姿をよく見かけます。土日や観光客の多い日にはさらに賑わいますが、それ以外の平日でも、農家さんやお手伝いさんが集まる日に一緒にお弁当を買いに来てくれたり、ご年配の女性が「家でこれを作るのは大変だから、今日はこれにしよう」と言ってくださる姿もあります。
ひ、ふ、みのお弁当 photo credit : Hayate Tanaka
最初は、価格の面で地元の方に受け入れてもらえるか不安もありました。東京と比べれば安いけれど、地元のスーパーと比べれば少し高めのお弁当です。でも「美味しいから」と言って買いに来てくださる方が少しずつ増え、今ではファンのように通ってくださる方もいます。スタッフ同士が協力し合いながら仕事をしている姿を見ていると、自然と安心感が生まれます。ここで働けていることが、いまの自分にとってすごく心地よいと感じています。
こんな人、仲間になりましょう
「これをやりたい」という熱い思いを持って、瀬戸田に移住してきてくれています。その思いを大切にし、私もサポートしていきたいです。
SOIL Setodaに限らず、Staple全体としても、それぞれがやりたいことを実現できる環境が整っている会社だと思います。「自分はこれをやりたい」と強く発信し続けていけば、必ず耳を傾けてもらえます。もちろん、最終的には自分で動いて答えを出すことが大切ですが、そのためのサポートをする体制が整っているので、そういった思いを持っている人とぜひ一緒に働きたいです。
photo credit : Max Houtzager
SOIL SetodaではアクティビティでSUPもできます。今後大会も開催するかも。