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医療の未来を、DXで切り拓く。エムスリーソリューションズならではの戦い方とは【代表インタビュー】

エムスリーグループの中核企業として、2022年4月に始動したエムスリーソリューションズ株式会社(以下、エムスリーソリューションズ)。その代表を務めるのは、飲食業界のDX化に取り組み、日本最大級の宅配ポータルサイト「出前館」を成長させた中村利江社長(以下、中村社長)です。

医療現場のDX化を支援し、地域密着型のクリニックをサポートするエムスリーソリューションズは今、どのようなビジョンを描いているのでしょうか。中村社長に伺いました。

エムスリーソリューションズ株式会社
代表取締役社長 中村 利江(なかむら りえ)
1964年生まれ、富山県出身。関西大学在学中、女子大生のモーニングコール事業を立ち上げ学生起業家となる。卒業後、株式会社リクルートへ入社し、1年目でトップセールスとなりMVP賞を受賞。出産退職後、マーケティング等に関わった後に、現在の株式会社出前館の代表となり約20年にわたり事業を拡大。上場に導いたうえ、時価総額2,500億円を超える会社へと成長させた。出前館時代に培った「飲食DX」の経験を糧に、まだまだ課題が多い一方で社会インフラとしての貢献度が高い「医療DX」の分野に挑戦すべく、2022年4月にエムスリーソリューションズ株式会社の代表取締役に就任。2022年6月よりエムスリー株式会社の取締役も兼任。

医療現場のDX化を推進し、世の中に貢献する

ーーまずは、エムスリーソリューションズの事業内容を教えてください。

エムスリーソリューションズは、診療所やクリニックなどに対して、クラウド電子カルテ「エムスリーデジカル」やシームレスな診療体験を提供する「デジスマ診療」をはじめとした各種ソリューションを提供し、医療現場のDX化を支援している会社です。

日本の医師の9割以上が登録する国内最大級の医療従事者専用サイト「m3.com」を運営するエムスリーグループの中核企業として、2022年4月から新体制としてスタートしました。

ーー新体制として始動した背景には何があったのでしょうか?

これまでのエムスリーグループはBtoBに特化した事業を展開していましたが、医療業界を網羅的に支援するにはBtoCについても理解しておく必要があります。そこで今後は、BtoBtoCの領域を見据えた上で、地域密着型のクリニックのサポートにも取り組もうという方針を掲げることになりました。

一方で、方針は固まったものの、エムスリーの得意なITだけでは太刀打ちできない……というところで、エムスリー代表の谷村が数年前から悩んでいたんですね。

そこから、今までのIT中心のエムスリーにはなかった「地域密着の営業ができる」会社へと舵を切るために、2022年4月に子会社であったシィ・エム・エスをエムスリーソリューションズへと社名変更して、新体制を整えました。私は組織を引っ張っていくリーダーとしてお話をいただいて、新代表に就任しました。

ーーエムスリーソリューションズの代表に打診されたときの心境はいかがでしたか?

谷村はすごく尊敬している経営者の一人なので、お話をいただいたときは率直にありがたいなと思いました。私は出前館で飲食のDX推進をゼロからやってきたこともあり、そこで培った経験が医療の世界でも活かせると視界が広がる、というワクワク感もありましたね。

その反面、医療業界は未経験でしたし、難しいことも多い領域ですので、不安を感じていた部分があるのも事実です。

ーーそれでも挑戦してみようと思ったのはなぜですか?

これまでの谷村流のやり方だけではなく、新しいやり方での挑戦が求められているのだと感じたから、というのが大きいですね。

DX化は今、さまざまな業界で進んでいます。私が取り組んできた飲食業界でもすごく喜んでいただくことが多かったので、社会インフラとして緊急度の高い医療業界であれば、世の中への貢献度も大きいのでは、と思ったことも挑戦を決めた理由のひとつです。

医療DXの壁をつき破る、エムスリーソリューションズの強み

ーー医療業界にはどのような課題がありますか?

飲食も医療も同じなのですが、日本はDX化が非常に遅れていて、損をしているところが多いなと感じます。これには様々な原因が考えられますが、やったことのないものに抵抗がある方が多い、というのが一番大きいと思います。今までずっと紙カルテとかだったものが、デジタルになることに抵抗があるのは当たり前です。

特に、診療所やクリニックなどの小規模医療機関ではこれまでITリテラシーの高さはあまり求めてこられなかったので、Excelを使いこなせる看護師さんは少数派。パソコン操作に慣れない方がほとんどなので、少しExcelができる方がいると、その方に仕事が集中してしまうという現場課題もあります。

一方で、DX化によって目に見えて業務が効率化し、喜んでくださる方も多いので、それは私たちの仕事のやりがいにもなりますね。医療現場におけるDXで先生や看護師さんが喜んでくださるということは、その先にいる患者さんにとっても病院の予約が取りやすくなったり、待ち時間が短くなったりといった快適な医療の提供に繋がっていくはずですから。

ーーそのために、より多くのクリニックへの導入を一刻も早く目指す必要がある、ということですね。ちなみに、エムスリーソリューションズが現場に入り込める要因は何でしょうか。強みを教えてください。

大きく2つあります。まず1つ目は、プロダクトの強さです。

個人で経営されているようなクリニックでは、電子カルテを導入しようと思っても、オンプレミス型(※1)だと費用が高くて導入が難しいんです。そこでエムスリーグループでは、導入していただきやすいようコストを抑えて、かつアップデートもしやすいものを作ろう、ということでクラウド型(※2)の電子カルテを開発しました。

さらに電子カルテだけでなく、診察の予約や決済などもすべてオールインワンで使えるようなサポートシステムとしての開発も進めています。クラウド型で導入ハードルを下げ、電子カルテ以外の機能も有する使い勝手のいいプロダクトを手がけているところは、弊社の大きな強みだと言えますね。

(※1)システムを稼働させたり、インフラを構築したりするのに必要なサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態のこと。
(※2)オンプレミス型とは反対に、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどを自社で保有・運用しなくても、システムを利用できる形態のこと。

ーーローコストで導入でき、使い勝手のいいプロダクトを作っているということですね。もう1つの強みは何でしょう?

2つ目は、サポート体制が充実している点です。

弊社は導入支援からアフターサポートまで、困ったときにすぐ対応できるサポート体制が整っています。クラウド型のシステムを提供している会社としては、こうした導入支援やサポートに力を入れているところは珍しいので、それも大きな強みですね。

また、全国に支社・営業所があり、地域に密着したきめ細やかなサポートができるのも特長です。

受注率1.6倍!「戦える部隊」を目指した組織改革

ーー中村社長が就任されてからのこの1年、特に注力してきたことを教えてください。

電子カルテの普及率を上げるためには、現場のニーズを把握して瞬時に動ける、スピード感を持った「戦える部隊」が必要だと考えました。そのためにまず、社員の営業力の底上げを進めてきました。

具体的な取り組みとしては、「営業研修部」という新組織の立ち上げです。当時、営業トップだった山下 拓朗さんを部長に大抜擢し、営業担当全員が80点以上のパフォーマンスを発揮するための新たな研修プログラムを作り上げました。

今後入社される方も、このプログラムを2週間以上受けて、それから営業同行をして一人立ち、というフローになっています。

ーー「戦える部隊」としてパワーアップするために、まずは教育面に力を入れたということですね。

電子カルテの営業は、医療知識が求められるので難易度が高く、初受注までは時間がかかることも多いんですよね。以前は、初受注までに平均6ヶ月ほどかかっていました。

それが、この研修プログラムを全営業担当が受講したところ、平均2ヶ月にまで短縮されるようになったんです。加えて、受注率も1.6倍にアップし、教育の効果を感じています。

そして、営業力の底上げに合わせて、営業成績に連動したインセンティブ制度も整えていきました。

結果として、エムスリーソリューションズとしての業績も右肩上がりになり、たった1年でエムスリーグループの中でも注目を集める中核企業へと成長しました。

エムスリーソリューションズが描く未来とは

ーー今後の目標を教えてください。

2022年には電子カルテ導入のシェア断トツ1位(※3)になりましたが、会社として、さらに高みを目指す必要があると考えています。

また、電子カルテや予約システムといったシステムの販売だけでなく、医療DXを進めるための様々なソリューションも、どんどん提供していきたいと思っています。

(※3)「 【2023年版】クリニック向け電子カルテ購入シェアランキング」(m3.com
https://clinic.m3.com/showSpecialSlot.htm?slotId=24609

ーー具体的にはどのようなソリューションを提供していくのでしょうか?

直近ですと、2023年4月に「医療DXスペシャリスト派遣サービス」をスタートさせました。電子カルテやレセプトコンピューターは導入するだけで終わりではなく、使いこなせる人材が不可欠です。そういった医療DX人材を育成してから派遣する仕組みで、現在すでに数十施設以上に導入が始まりました。

看護師や医療事務スタッフなどの派遣を行うサービスは昔からありますが、「医療DX人材」に絞った派遣は業界初なのではないでしょうか。非常に多くのご要望をいただいていますので、今後も力を入れていく必要があると感じています。

他にも、診察券アプリで情報を送れるようにしたり、新規オープンするクリニックの認知拡大のお手伝いをさせていただいたり、販促面でのクリニックへの支援も手掛けていきたいです。

ーー目標を実現するには組織拡大は不可欠ですね。どんな方に仲間になっていただきたいと考えますか?

「昨日出来なかったことを、今日できるようにしていく」という気概を持った、常に自分自身の成長を求めていけるような方が仲間になってくださると嬉しいですね。

もちろん、成長した先のポジションは用意できるので「どれだけ頑張っても上に行けない」といった環境ではありませんし、お給料の面でも、目標を達成したら必ず昇給できる仕組みになっています。働きながら自分自身を成長させていける方であれば、ポジションとお給料の提供はお約束しますので、働きがいがあるのではと思います。

一般的に、ベンチャー企業はチャレンジ精神やワクワク感はあるものの、資金面での制約がかかってしまうところも少なくありません。

しかし弊社は、チャレンジ精神やワクワク感もありながら、資金面でも安定していますので、挑戦する社員にはそれに見合ったお給料を提供することができます。これって、稀有なことではないでしょうか。そういった意味でも、日々成長を求めている方にとっては、すごく楽しい仕事ができる職場だと考えます。

ーー最後に、中村社長が考える、エムスリーソリューションズで働く魅力を教えてください。

医療現場ではまだまだアナログな部分も多く、医療従事者の方も患者さんもそれぞれ大変な思いをなさっています。でも、私たちのサービスを取り入れていただくことによって、皆さんの大変さを解消していくことができるんです。

私たちが提供するサービスで医療の現場が変わっていくんだ、というのを実感できるのは大きな魅力です。社会貢献度も高いですし、「やって良かったな」と思いますね。

私の性分としても、簡単なことより難しいことに挑む方がワクワクするんです。医療業界は課題も多いですが、今まで変わらなかったクリニックの実態や常識も、自分たちの手で変えていけます。それがすごく楽しくて魅力的です。

こうした想いに共感できる方と一緒に働けたらと考えていますので、少しでも気になる方はぜひ、ご応募をお待ちしております。


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