山形を拠点に、地方中小企業のDX化を「伴走支援」という形でサポートする株式会社Connect Design。IT部門の設立が難しい企業に入り込み、組織の一部として課題解決を推進する独自のスタイルで、着実な成果を上げています。
そんな同社で、財務・会計を担っているのが滝口康太さんです。しかし、彼の役割はそれだけにとどまりません。実は彼は、Connect Designの業務と並行し、自身が代表を務める会社を含め、実に66社もの経営に携わっています。
多くの企業を知るプロフェッショナルであり、客観的な視点を持つ彼だからこそ見えるConnect Designの本当の強みとは何か。そして、「会社の未来を創る」と語るバックオフィスの戦略的な役割とは。仕事のやりがいを「他者のために生きること」に見出す、滝口さんの深い仕事哲学と共に、その魅力を紐解きます。
体育教師志望から会計の道へ。異色のキャリアを歩むまで
──はじめに、滝口さんのこれまでのご経歴と、Connect Designとの関わりについて教えてください。
元々は体育の先生になろうと思って大学に進みました。高校時代に恩師から「体育の先生になった方がいい」と言われた言葉を信じて、大学に入るまでは周りが敷いたレールの上を素直に進んできたんです。
でも、いざ大学に入ってみると「本当にこのままでいいのか?」という違和感が芽生えて。自分で考えることが増えたタイミングで自分と向き合った時、やりたいことと進む道が一致していないことに気づきました。
私の祖父は二人とも経営者で、その姿を見て「経営って面白そうだな」と漠然とした憧れがあったんです。そのうちの一人は税理士もやっていたので、「数字が分からなければ経営はできない」と考え、独学で簿記の勉強を始めました。それを深く知るなら会計事務所だ、と大学を辞めて会計業界に飛び込んだんです。
──大きな方向転換ですね。会計事務所でのご経験はいかがでしたか。
会計事務所での7年間は、非常に厳しい環境で、がむしゃらに働きました。睡眠時間がほとんど取れない日々も経験し、心が折れそうなこともありましたが、それでも続けられたのは、やっぱり会計の仕事が「好きだったから」だと思います。自分で初めて考えて見つけた道だからこその思い入れの強さもありましたね。
30歳で独立したのですが、その理由は「本当の意味でお客様のためになるサービスを提供したい」という想いが強くなったからです。組織の制約の中で「もっとこうしてあげたいのに」という歯がゆさを感じることが増え、自分の追求するサービスを作ろうと決意しました。
Connect Design代表の小谷とは、独立前の会計事務所の関連企業で出会いました。彼が独立する際も手伝い、その後「財務を強化したい」という相談を受けて関わるようになったのが始まりです。今ではすっかり内部に入り込んで、一緒にサービス作りをしています。
自分が代表を務める2社以外にも、なんだかんだで66社ほどに関わっていて、マルチに動くのが僕のスタイルですね。
仕事のやりがいは「他者のため」。厳しい環境を乗り越えた仕事哲学
──66社というのは驚きです。それだけ多くの仕事に向き合うモチベーションはどこから来るのでしょうか。
独立してから改めて感じるのは、「やりがい」を見つけると人は強い、ということです。僕は、どんな仕事でもやりがいを見つけられると信じています。その根底にあるのが、「人格を成長させる」という考え方。どんな経験も自分を成長させ、人格を高める糧だと捉えれば、すべてが成長の機会になるんです。
特に僕を突き動かすのは、「誰かのためになる」という実感です。自分のためだけだと、辛い時に人は逃げてしまう。でも、「人のために自分はこれができている」と感じられると、頑張れるんです。
仏教用語に「自利利他」という言葉があります。この言葉はビジネスにも応用されていて、他者のために行動することが、巡り巡って自分のためになる、という意味です。まさにその価値観で、目先の地位やお金ではなく、「最終的に自分がどういう人間になりたいか」という人格像を大切にしています。他者のために生き、人格を成長させることが、僕にとっての幸せなんです。
──深い仕事観ですね。会社という組織も、そうした価値観を育む場であるべきだと?
そう思います。会社は人生の大半を過ごす場所ですから、単にスキルを教えるだけでなく、「人間としてどう幸せに生きるか」を教える人間教育の場であるべきではないかと。お客様や社会のために行動し、「ありがとう」と感謝される喜びを社員に感じてもらう。それができれば、人はどこへ行っても輝けるはずです。
──滝口さんのような哲学を持つ方が、多くの企業を見る中で、なぜConnect Designに深く関わり続けるのでしょうか。
まず、代表の小谷が「すごく人を大事にする」経営者だということです。社員のことを本当に家族のように思っている。だから、会社全体に「居心地の良さ」がある。これが組織の基盤になっています。
言葉を形に。地方×デジタルで課題をビジネスに変える伴走型デジタル化企業 Connect Design
もちろん、厳しい側面もあります。でも、その厳しさは「その人のことを本当に思って言っている厳しさ」なんです。だから、結果として社員が「人として成長できる会社」になっている。実際に、創業メンバーの大槻さんを見ていても、小谷と切磋琢磨しながらどんどん成長しているのが分かります。
大事なのはコードじゃない──技術よりも「人」を見る、Connect Design式「伴走型」エンジニア
それに、組織が「めちゃくちゃ若くて柔軟」なのも大きな特徴ですね。上下関係なく、いいものはいい、悪いものは悪いとフラットに意見を言い合える。頭ごなしに否定されるようなことがない、風通しの良い文化があります。
東北のDXを牽引する、Connect Design独自の強みとバックオフィスの役割
──Connect Designの事業面での強みはどこにあると思いますか。
東北というエリアにおいて、Connect Designが提供する「伴走支援型DX」は、他社の追随を許さない独自の価値を持っています。中小零細企業は、IT部門を持つ体力も人材もありません。そこへIT管理部のように深く入り込み、DXを推進する。これは企業の真のニーズに応えるサービスです。
特に素晴らしいのは、その「現状把握能力」ですね。単にシステムを売るのではなく、まずお客様の業務フローを徹底的に可視化することから始めます。これは、もはや「業務改善コンサル」に近いと思います。このプロセスを通じて、コストカットや生産性向上はもちろん、将来の経営分析に不可欠なデータという資産をお客様にもたらしているんです。
──なるほど。では、そういった観点も踏まえて、Connect Designの「バックオフィス」には、どのような役割が求められるのか教えてください。
僕は、バックオフィスは究極的には「会社のコックピット作り」だと思っています。
営業が売上を上げ、エンジニアがサービスを作る。それももちろん重要ですが、経営者が会社の舵取りをするための判断材料、つまりデータを提供するのはバックオフィスです。会社のメーターがどこを指しているのか、アラートは出ていないか。それを示す計器盤を整えることで、初めて経営者は適切な判断を下せるんです。
だから、バックオフィスは単なる事務作業ではありません。会社の核であり、経営に最も近い場所の一つです。会社の未来を創る、非常にやりがいのある仕事だと思います。
──最後に、この記事を読んでいる候補者の方へメッセージをお願いします。
Connect Designで働く一番の魅力は、変化し続ける環境で「新しいことに挑戦できる」ことだと思います。ITの進化は速く、会社も常に変わり続ける必要がある。その変化を「成長の機会」と捉えて楽しめる人にとっては、他では得られない経験値が積める、最高の環境です。
ここは「やりたい」という声が届きやすい会社です。社長の小谷は、人を大事にし、会社の存在意義を真摯に追求している。彼の元で働くことは、キャリアの成長だけでなく、人としての成長、そして幸せにも繋がると、私は思います。
フラットな組織で、変化を楽しみながら、自分の手で会社の未来を創っていきたい。そんな想いを持つ方と、ぜひ一緒に働きたいですね。