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【第2回】セガの分析基盤:ビジネスアナリスト・データサイエンティスト目線で見る統合分析環境
こんにちは!セガの戦略企画部ビジネスアナリティクスセクション(以下、データ分析チーム)でマネージャーをしている竹内です。
前回は、セガのデータ分析チームについてご紹介しましたが、今回はビジネスアナリスト(以下、アナリスト)やデータサイエンティストの視点から、セガの分析基盤について詳しくお話しします。
セガには、社内で開発されたゲームだけでなく、社外の会社で開発されたゲームを運営するケースもあり、様々なプラットフォームや国、インフラ、システムを横断してデータ分析を行う必要があります。そのため、効率的な分析を行う上でも、異なる仕組みや構造を持つゲームからログデータを統合し、一元管理する基盤が重要となります。この記事では、セガの分析基盤がどのように設計され、ゲーム業界の未来を支えているのかをご紹介します。
はじめに:データがつなぐ未来のゲーム体験
セガのゲームが世界中のプレイヤーに愛される背景には、膨大なデータを統合・解析し、迅速に活用できる最先端のデータ分析基盤があります。私たちはこの基盤を通じて、アナリストやデータサイエンティストが最大限に能力を発揮し、新しいインサイトを生み出すための環境を提供しています。
ここでは、セガのデータ分析基盤がどのようにスムーズなデータ統合、効率的な分析、そして迅速な意思決定を支えているのかを詳しく紹介します。
データ分析基盤の特徴
セガのデータ分析基盤は、Databricksを中心に設計されており、AWS、GCP、Snowflakeといった異なるインフラからのデータを一元的に管理・活用できる環境を実現しています。この統合されたプラットフォームにより、データがシームレスに連携し、迅速な意思決定をサポートします。
活用ツールとプロセス
セガのデータ分析チームでは以下の主要なツールを用いて、効率的なデータ活用と分析を行っています。
Databricks
- 統合型分析環境:データの加工、集計、分析レポートの作成、ダッシュボード開発、機械学習モデルの構築まで、一貫して行えるプラットフォームです。
- 自由なデータマート構築: アナリストやデータサイエンティストが必要なデータマートを自由に構築でき、複雑な分析にも迅速に対応可能です。
- 自動化と効率化: データのパイプライン処理や定型レポートの作成を効率化することで、チームの生産性を向上させています。
Qlik
- 高度な可視化ツール: Databricksで加工されたデータを視覚的に表現し、フィルタリングや比較分析を直感的に行えます。
- APIを通じた柔軟な連携: APIを介して他のツールや生成AIと連携し、様々なデータを一つのツールで可視化したり計算することが可能です。これにより、データを多角的に分析し、新しいインサイトを発見できます。
- KPIチャットボットとデイリーレポートの自動化: ルーチン業務の効率化を目的に、ローコードツールを活用してアナリストが自ら自動化を実現しています。これにより、クリエイティブで価値の高い分析業務に集中できます。
また、上記以外にも生成AIやRPAツールなど効率化できるツールは積極的に採用し、分析効率を高める工夫を日々行っています
収集されているデータ例
セガのデータ分析基盤では、多様なデータソースから情報を収集し、ゲームの開発・運営を支えています。
- ゲームユーザーの行動ログデータ:プレイヤーの操作や行動履歴を詳細に記録し、ゲーム内でのユーザー行動を分析します。
- マーケティング費用や広告SDKのデータ:広告効果の分析やROIの最適化に活用します。
- 売上目標などの手元のエクセルデータ:経営指標や目標値との比較分析を通じて、事業の進捗やパフォーマンスを可視化します。
- SNSデータ:ユーザーの口コミや評判をリアルタイムで収集し、ユーザーの声をゲーム開発や運営に直接反映させます。これにより、プレイヤーとの距離を縮め、より良いゲーム体験を提供しています。
高い柔軟性とスケーラビリティを備えた分析基盤
スケーラブルな環境設計
- データ量の増加への対応:クラウドベースの環境により、日々増加するデータ量にもシームレスに対応可能です。
- 適材適所の技術選定:Databricks、Qlik、RPAなどを組み合わせ、コストと性能のバランスを最適化しています。
新技術の導入と最適化
- 機械学習モデルの活用:ベイズ推定や機械学習などのデータサイエンス技術を積極的に取り入れています。
- 生成AIの活用:最新の技術を用いて、より高度な分析や自動化を実現しています。
データ分析基盤を支えるチームとサポート体制
データエンジニアとの連携
- 堅牢な基盤の構築と運用:データエンジニアリングセクションが分析基盤の管理と進化を担い、アナリストやデータサイエンティストが効率的に業務を遂行できるようサポートしています。
- 迅速な対応と改善:新しいデータソースの追加や既存システムの性能向上など、変化するビジネスニーズに柔軟に対応しています。
エンジニアリングの詳細は別記事で
- データエンジニア目線でのデータ分析基盤に関しての詳しい記事は別途ご用意する予定です。技術的な詳細に興味がある方は、そちらもぜひご覧ください。
事例紹介:データが生む新しい可能性
1. リアルタイム分析でイベント効果を可視化
- 迅速なデータ処理:DatabricksやAWSの高速処理能力を活用し、リアルタイムでユーザーの行動データを分析。
- イベント最適化:イベント期間中のユーザーの反応を即座に把握し、必要に応じて施策を調整。
2. 自動化されたレポートで業務効率化
- レポート生成の自動化:QlikとRPAツールを組み合わせ、定型レポートの生成やダッシュボードの更新を自動化。
- アナリストの負担軽減:ルーチン作業から解放され、より高度な分析や戦略立案に時間を割くことが可能に。
3. マルチデータソースの統合で深いインサイトを獲得
- クロスデータ分析:ゲーム内データとSNSデータ、マーケティングデータを統合し、多角的な分析を実施。
- ユーザー理解の深化:ユーザーの行動だけでなく、感情や意見も把握することで、よりユーザーに寄り添ったゲーム開発・運営が可能に。
一緒に働く仲間を求めて
セガではデータ分析基盤が整備されており、常に世の中のニーズに合わせて進化しており、アナリストやデータサイエンティストがやりたい分析を素早く開始できる環境が整っています。分析に必要なデータ設計や調整などもアナリストが行うことで仕様や要件を深く理解し、より高い洞察を得る経験ができ、成長し続けるチャンスにあふれています。分析チームではデータの可能性を信じ、共に未来を創る仲間を求めています。
- ゲームが好きで、ただプレイするだけでなく、ゲーム開発を通じてお客様に感動や楽しさを届けたい方
- 世界初の新しいことに挑戦するのが好きな方
- 常に「理想は何か、そのためには何が足りないのか」を考えて行動できる方
「あなたも最先端のデータ分析基盤を駆使して、ゲームの未来を共に創りませんか?」 セガのチームで、データの可能性を広げる仲間をお待ちしています。